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いろは @ 低 浮
7
2,019
──────メテヲさん視点──────
不愉快な感触と、匂いで目が覚める。本当に目を開けたのか、と疑ってしまう程暗いその空間を思わず3度見する。自分の足先すら見ることができないその暗さに驚きつつ、メテヲの現状を確認しようと、頭を左右に振る。なぜ、歩かなかったのか。それは、道があるか分からないから、などではない。腕は、何重にも束縛の魔法がかけられた鎖に繋がれ、足は、何かで固定され、動かすことができなかったからだ。さらに、つばさはもぎ取られ、非常電灯で使えそうな天使の輪もなかった。服も、いつもと肌触りが違う。服の中に何かを仕組んでいる可能性があるから、おそらく没収されたのだろう。たった1人のためにやったのか、と思うほど厳重な監禁方法に随分と暇な最高神だな、と内心皮肉を吐きつつ、再度、辺りを見渡す。…やはり、何も見ることができない。辺りになにか明かりがあるが、と期待したがそんなもの、あるわけがなかった。次に魔法を、と思ったが、自身に宿る魔力がないことに気づく。魔法を発動させるのを阻害する魔法、ではなく、相手の魔力を奪う魔法だったとは。ならば、当然属性も使えないし、能力も使えないわけで。メテヲを逃がす気は皆無のようだ。メテヲは深いため息をついて、抵抗を一時諦める。何をしたって今はどうすることもできない。それに…。メテヲを、一目見てから、いや、それよりも前からメテヲを捉えようとしていた、と思うほど動きはスムーズだったし、監禁の手際が素人のそれじゃない。それに、あまりにも隙が無さすぎる。例え、いいアイデアが浮かんだとしても、それはもう対策済みと言われても納得しかない。だから、張本人に直接会うしかないのだ。
カツ、カツと。わざと暗闇に響かせるように、ヒール音が鳴り響く。反響的に、この部屋は相当広いらしい。それくらいの情報しかまだ得られていない。もっと、もっとここの情報を集めねば。そう、決意し、メテヲは暗闇の向こう側にいるであろうそいつに向かって、大声を出す。
「おい!いるんだろ!?隠れてないで、さっさと姿を見せろ!!」
そう、精一杯叫べば、そいつの歩く音は消え、代わりに指を鳴らす音が響いた。───暗闇だった部屋に、いくつかの光がともり、淡い光で当たりを覆う。明るくはない。けど、むしろ、暗い方だ。けど、これでようやくメテヲを監禁しやがった相手───最高神、ロストの面を拝むことができる。そいつは、初対面で見せた愛想笑いなんかよりもずっと、ずっと気味の悪い笑みを浮かべながら、メテヲの様子を見て、ふっ、と鼻で笑ってくる。暗闇から開放された視界が、メテヲにさらに情報を与えてくれる。どうやら、メテヲは今十字架に貼り付けにされているらしい。だからさっきから腕が疲れて───。そこで、気づく。普通、この程度のことなら別に疲れなんて感じるわけない。普段、数十時間はぶっ通しで戦闘をしているのだ。なのに、なんで、今メテヲは疲れを感じている?───突然の自身の肉体の変化についていけない。疑問が溢れたら、嫌な考えが脳内に広がり続ける。
最高神が、答え合わせ、と言わんばかりに嘲笑いながら語ってくれる。
「メテヲ、お前の今のスペックは人間、いや、それ以下だ。魔法も、属性も、能力もない。体の再生もしない。今は、通常の数千倍で老いる。死ぬ。肉体は人間そのものだ。これ以上の縛りはないだろう?」
…は?その、言葉の意味が理解できない。いや、理解できたが、それをするのをメテヲは拒んでしまった。だって、それが言うことが正しければ、メテヲは、本当に非力で、抵抗のしようがない。絶望でしかない。その表情を取り繕おうと、メテヲは必死に冷静を保ちながら、テキトーなことをほざいておく。
「最高神って言うのは、対象の種族すら変えられるの?ふーん。すごいね。」
「心にもない褒め言葉を受け取る気はないよ。正確にはメテヲの種族を消しただけだ。私はそういう神だからね。」
最高神、ロスト。その名の通り万物、概念の定義、存在、空間、現象───あらゆるものを消すことができる。もう1柱の最高神、オブテイントは対極の力を持つ神だ。
そんな、分かりきったことは別にどうでもいい。それよりも───
「…さっさと本題に入ってくれ。メテヲを捉えてどうするつもり?勧誘?洗脳?それともこのまま一生ここで監禁?どれもこれも…いかがわしいことするねー。最高神様は。」
「気持ち悪い妄想はやめろ。吐き気がする。」
皮肉を言っただけなのに、あまりにも過剰に反応するな、なんて、どこか他人事で、まるで自分には無関係のような思考をしてしまう。今、一番関係がある、と言うのに。おそらく、今起きていることに現実味がないから、脳が現実逃避をはじめているのだろう。頭も、人間レベルに落とされているようだ。いつもよりも、思考の質が悪い。いや、思考の質ってなんだよ。こんな自分に対してツッコミを行っている時間すら惜しいというのに無駄な思考で時間を割いてしまう。
「…まあ、私とて時間が惜しい。さっさと要件を話そう。…お前はいつから神を信用していない?」
最高神からの質問。メテヲはじっくり時間をかけて、考えてから質問に答える。
「さぁ。覚えてないよ。そもそも全てを創ったと豪語するあなたは、見たこともない生命体を信じれるのか?」
これは、本心だと思う。まとまった考えが出ないまま答えてしまっているので思いつきで話してしまっている。なんて厄介なんだ、この頭は。そう、自分に文句を言っても仕方がない。
「別に今の世界は私が創った訳じゃない。私はまだまだ新米の最高神なんだ。」
…どうやら、メテヲが夢の中で結んだ初代最高神を名乗るあの契約は正しいものだった。メテヲはそれを悟らせないようにただ、真実を確かめるために、分かりきった質問をした。
「最高神は代々引き継いでいるってこと?」
「そのとぼけた演技はやめてくれ。私は、既にお前の全てを把握した上で話しているんだ。境遇も、考えも、お前が覚えてないトラウマさえも私は知っている。」
「…トラウマ?」
突然、メテヲも知らない、メテヲ自身の情報が出され、戸惑う。本当に、メテヲが覚えてないトラウマが存在するのか?一気に思考がそっちに引き寄せられるが、危ういところで踏みとどまる。…こんな戯言。ただ、メテヲの意識をそっちに向けて、冷静さを欠かせようとしてるだけだ。真に受けてはいけない。余計な思考を振り落とし、今、生き延びるための最適解を考え続けなければならない。
その考えが、顔に出てしまったのだろうか?最高神はこれ以上この話題を掘り下げることはなく、メテヲに面と向かって、数歩、近づいてくる。人間にされた影響なのか、はたまた精神的に不安定になっているだけなのか。その、最高神の放つ圧倒的なまでなオーラに気圧され、冷や汗が止まらない。相手に心臓を差し出しているのでは?と勘違いするような、銃口を突きつけられたかのような、そんな恐怖が全身にめぐり、体が硬直する。背筋に寒気が走り、必死に繕っていた表情が保てなくなる。
「さぁ、悪い子を改心させてあげよう。」
ここで切ります。皆様、お久しぶりです。仲春です。やっぱり平日に出すのは難しく、結局はゴールデンウィークで時間がある時にしか出せないみたいです…。忙しくなってまいりました。短編集のネタはあるのに、書く時間がないという悲しみ…。誰か、私に時間を…。最近書いてないせいで書くのも下手になっちゃいましたし…。けど、戻す時間もないのでこのまま走りきろうと思います!
ちょいと雑談。めめ村のグッズ届きました〜。ぬいぐるみはメテヲさんのみ(お金がなかったので…)購入。他にちょくちょく買いましたー!写真取っとけばよかったんですけど、今回は割愛。最初届いた時ぬいぐるみのメテヲさんの顔縦長すぎてビビりました…。なんかぬいぐるみマッサージ?みたいなのをして可愛くなったので良かったです!なんか配送の時に綿が動いちゃって形変わっちゃうらしいですね。詳しいことは分かりませんが…。という衝撃を話したかっただけです!
それでは〜おつはる!
コメント
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最初見た瞬間 見る気なくしたけど なんとか見終わった、、、