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#いんく
Yuna
3,334
太陽も顔を出してきた頃合い、時刻はお昼になろうとしている。
あの日から数日が経ち、俺達は契約の通り婚約をした
例の、”白い婚約”を。
今回の式では夫婦同士で口付けをすることはなく、盃を交わすだけの儀式
俺の意思もあり、盃を交わす儀式にしてもらえたのもあるが
その選択肢が存在することに、本当に書類上の婚約らしい儀式だと思えた
それよりも、飼い主に直前
花嫁用の振り袖を着させられたことに驚きがいった
予想通り俺を女性として嫁がせたことがわかったので、そのあとは難なく冷静に式典を終わらせれた
何気に正式な女性用の服を着るのは、これがはじめてかもしれないなと思いつつ
女装で式を向かえることには、しばらく動揺が隠せなかった
結婚の契りの儀式が終わり、数ヶ月が経った今
俺達はと言うと、rmさんが育ったこの街を散歩していたのだ
言ってしまえば、デートみたいなもの
分かち合えたあの日以来
お互いに本音を打ち明け合い、言い合える程の仲を持ちたいと思い
今こうして会話の練習がてらに、rmさんの育った街を見ながら今こうして散歩しているのだ
1日の折り返し地点だからだろうか、街は賑やかでとても和気あいあいとしていた
見たことないもの、見たことあるもの、それら諸々が揃っているこの商店街に思わず興奮が隠せなかった
fu「……!!」
懐かしい、はじめて見る、そんなものたちに目をキラキラと輝かせており端から見ても楽しそうな様子が隠せない程であった
それもそのはずだったのだろうか、こういったものを見るのは久方振りであったのだから
その無邪気な子供のように喜ぶ俺の様子に、彼はまるで自分のことのように
凛とした空気を感じる涼しげな彼の日傘の日陰の中から、微笑みを返しながら喜んでくれていた
rm「そういう良い反応してくれると、街の住民として嬉しいかも」
fu「あっ、すみません!つい楽しくて…」
rm「俺もめちゃくちゃ嬉しいよ」
〃 「ここは本当に色々あるから、きっと一日中楽しめると思うし」
〃 「…よし、せっかくなので今日はお昼ご飯ここで済ませちゃいましょ」
fu「いいんですか!?やったぁ…っ!」
rm「気になるのあったら遠慮なく言ってください」
〃 「今日は思い切り楽しむつもりなんで!」
fu「はいっ!」
るんるんでやる気に満ちた表情をしていると、彼がさりげなく頭の上に日傘の涼しい陰を自分に分けてくれていた。
fu( ……気遣い、だろうか…? )
ふとそれにつられて上を見上げると、彼がまたもや気まずそうに何かを言いたげにしているしかめっ面が見えた。
fu「…また何か言いたげですね」
rm「……バレましたか」
fu「はい、わかりやすかったです」
「マジか。」と言わんばかりの驚いた顔ぶり
図星だったのだろう、日傘の陰では隠しきれない程に唖然と目を丸くしている様子が伺えた
するとそれに降参したのか、彼はその悩みを俺にと打ち明けてくれた
rm「…今回は、本当に些細なことなんですが…」
〃 「…はぐれないよう、…腕を…組もうかと……」
fu「……へっ?」
思わぬ提案に、またもや腑抜けた声を出す
彼って、そんなことを言うタイプなのだなと少し予想外なことにこちらも唖然と目を丸くしてしまう
rm「あ、別に腕に限らず手でも、いいですし…!?」
〃 「何ならっ、そ、側にいるだけでもというか……」
〃 「て、てか、別に嫌だったら大丈夫なので……!!」
焦って少しパニックになっているのだろう、あたふたして滑舌が弱くなり、少し声がどもっていた。
彼の事だ、何かしら考えがあっての提案だとは察しがついた
その理由はわからないが。
だが、彼の心配は 今の俺には恐らく意味がない
ある程度俺達の信頼が築けた今だからこそ、俺自身の心の中には 彼への警戒心よりも、ちょっとした好奇心が勝っていた。
だがそれでも恐れるのは仕方のないこと、慎重になりながらも 彼の腕をこの手でしっかりと掴み
俺の腕は彼のその華奢でありつつも男らしさを感じるその腕と、たしかにギュッと絡めとった。
rm「、! 」
fu「…正直少なからず怖い気持ちもあります」
〃「……けど、」
〃「rmさんなら、大丈夫かなって…」
rm「……fu、さん…」
fu「それに、どうせなら…」
〃「夫婦らしいこと、しておかないと」
rm「!……たしかに、…w」
少し間を作った後に見せたその爽やかで青年らしい笑顔に、此方まで笑みを溢してしまいそうだ
「あれは何?」「 これは何?」
「これ知ってる?」「あれ知ってる?」
そうやって質疑と応答を反復するような会話が繰り返されていた
それはまるで、端から見ても
親子のように仲睦まじいものであった
?「…あれ、は……」
〃「……f、u…?」
?「○○、何かほしいのは見つかった?」
?「……間違いない、」
?「えっ、ちょ…ッ!○○!?」
fu「これは何ですか?」
rm「これはお酒の一種だね」
〃 「多分…ワインかな?」
〃 「俺達が大人になったら飲んでみよっか」
fu「本当ですか!?」
rm「今のうちに未来で飲むお酒選んどく?何なら、見るだけでも良いし」
fu「はい!そうします!」
翡翠色に透き通る瓶や 赤いワックスで蓋をされているボトルなど、幅広いお酒のデザインやガラス細工の奥深さに興味を示す
ボトルのラベルに何か書いてあるのはわかるが、どういう意味なのかまではわからずに
首をかしげたりと、外に並ぶ商品棚を
右を見ては左を見てと、目でひたすらに往復繰り返していた
そんな時だった
ぎゅうっと、ふんわりと優しくも離させないという意志が感じるくらいの力で
自分の右の手首を、たしかに握られた
rmさんは自身の左腕を組んでいるはず
じゃあ、この右腕の感触の正体は?
それに思わず反応せざるを得なく、右の方へとすぐさま首を動かした
それと同時に、都合よく心地良い風が吹く
腕を握った張本人はその風に吹かれていた
いや、風のちょっとしたお遊びなのだろうか
目の前にはサラサラとした白髪が風でゆっくりとなびいている
それはまるで、風に踊らされた淡い色をした桜のようであった
絵にすればその美しさが映えるだろうと言わんばかりに整った容姿、絹のような白髪
髪の隙間から一瞬見えた桃色の瞳
その瞳と、ぱっちり目が合う
その1秒後、彼の口が急がねばと開く
kz「…f、u……だよな……?」
fu「……kz、なのか…?」
忘れるわけない、忘れる筈がない
その声を聞いただけで全てが溢れ落ちてしまいそうなほどであった
その綺麗になびく髪を見て、思わず目の前が滲んでいく
あの頃の記憶全てが彷彿とされたせいか
身体は勝手に動いており、気付けば彼を包み込むようにぎゅっと抱擁し、涙を溢していた
彼も同じくそれに応えるように抱擁し返し、大粒の涙を溢していた
どうやら俺は、親しい友人と再会出来たようだ
なんとかkzさん登場できて良かったです…🙄
個人的な話にはなりますが前回からnextの♡書くのをやめようとしてたんですけど何か手違いで書いたまんまでしたね🤔🤔
これからも気にせずにご愛読願えたらと思っておりますので、引き続きお楽しみに‼️
コメント
1件
あーもう、第4話「零れる桜」読み終わったよ…!めちゃくちゃよかった…😢 rmさんとのデートっぽい散歩、優しい空気感が良すぎる。腕組むかどうかであたふたするrmさんかわいすぎるし、fuくんが「rmさんなら大丈夫」って信頼見せるところ、グッときたわ。で、そこからのkzさんとの再会シーン…!風に揺れる白髪と桜の比喩、一瞬で過去がフラッシュバックする感じ、映像が浮かぶようだった。抱きしめ合って涙する二人にこっちも泣きそうになったよ。 作者のぎょうざさん、今回も最高のエピソードありがとう!続き楽しみにしてる🔥