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この物語は全て架空の創作物です。
政治的意図が無い事、また拙い文章であることを予めご了承下さい。
🇫🇷『ほら、行くわよ。』
🇨🇳『お〜。』
数分後、フランスが着替え終わって戻って来た。
会計を済ませて店を後にした。
🇨🇳『さーて、帰るか。』
🇫🇷『ちょっと、あいつに用が有るんじゃないの?』
🇨🇳『だって何処に居るか分かんねぇしなぁ〜。』
🇨🇳『もう明日で良いやと思って。』
🇫🇷『適当過ぎでしょ…。』
🇫🇷『というか!会えるかもって言ったじゃない!』
🇨🇳『ああ、確かに可能性としては高いぞ?』
🇨🇳『この時間帯はあの我儘生徒会長のお守り済ませて、この通り歩いてんのちょくちょく見かけるからな。』
🇨🇳『………ほらよ。』
中国が反対の道へと目をやった。
どうやら話題のあの人のお出ましのようだ。
??『全く………こんな昼間から大通りで騒ぐのはお止めなさい。』
??『学園の顰蹙を買います。』
🇨🇳『まぁ、そんなにカリカリすんなよ。』
🇬🇧『誰のせいですか、誰の……。』
イギリスはため息交じりで応えた。
🇫🇷『……ごきげんよう、United Kingdom』
🇬🇧『ごきげんようFrance』
🇬🇧『お変わりないようで、
安心致しました。』
🇫🇷『あら、貴方の方こそそんなにやつれちゃって、随分良い男になったんじゃない?』
……お互いにバチバチ火花が散っているように見える…。
この気まずい雰囲気を何とかせねばと思い、たまらず声を発した。
🇯🇵『えっ、えっと…お二人共
何かあったんですか?』
🇫🇷『…コイツが私との約束すっぽかしたのよ。』
🇬🇧『だから!仕方なかったと説明したでしょう!』
🇬🇧『埋め合わせだって今度すると言ったじゃないですか。』
🇫🇷『…!その逆ギレみたいな態度が気に入らないのよ!!!』
西洋の方は感情を表に出す方が多い。
だから声を荒げる姿も何度か目にしたことがある。
でも……
こんなに大きな声は初めて聞いた。
🇨🇳『おいおい…、落ち着けって。』
🇯🇵『そ、そうですよ!』
🇯🇵『一旦場所を移しましょう?』
さっきから通行人にジロジロ見られている。これ以上目立つのはゴメンだ。
〜日本家にて〜
中国が『取り敢えず日本の家行こうぜ』と言ったせいで話し合いは 私の家で行われる事となった。
正直嫌なのだが、…他に行く当てもないし渋々了承したのだ。
🇬🇧『……。』
🇫🇷『……。』
🇨🇳『いや何か喋れや。』
🇨🇳『何の為に此処連れてきたと思ってンだよ。』
🇬🇧『………この人が
🇫🇷『…………コイツが
🇨🇳『……拉致が空かねぇなぁ…。』
二人ともお互いが悪いとは思っていないみたいだ。
いや、…本当に約束を忘れられただけなら100悪いのはイギリスだが…
正直、イギリスがそんなポカを仕出かすとは思えない。
何が事情があったのだろう。
ソレをフランスが認めてくれない、許してくれない、そんなところか。
私としても、これ以上話し合いが長引くのは避けたい。
もう少ししたら、〈あの子〉が帰ってきちゃうし…。
🇯🇵『さっきフランスさん、約束をすっぽかされたと仰ってましたけど、どんな約束事だったんですか?』
🇫🇷『…コイツとの会食の予定よ。』
🇫🇷『前々からウチの外交官が取り付けてきたものでね、これからのヨーロッパとしての立場を再確認する為にも、かなり重要な会だったのよ。』
🇫🇷『それなのにあんたときたら……!』
🇬🇧『まっ、待って下さい!』
🇬🇧『私だってしたくて約束を破棄した訳ではありません!』
🇬🇧『こちら側も会食へ赴く準備はしていました。』
🇨🇳『何か急用でもできたか?』
イギリスは気まずそうに目を逸らして言った。
🇬🇧『………息子の所へ行かなければならなくなりました。』
🇨🇳『あぁ…そういう………』
イギリスには約700歳としの離れた息子さんがいる。
覇権国で軍事力世界一、至る所に軍事基地を持っている。一応私の同盟国でもある。
ただ…最近は色々な所に関税を掛けまくって波紋を拡げている。
🇬🇧『コレはどういう事だと問い詰める責任が、私には有りますから。』
その国は元々イギリスの植民地だった。
🇨🇳『そういや、一番早く関税の合意まとめてきたのはお前ンとこの政権だったな。』
🇬🇧『ええ…急な事だったので、』
🇫🇷『だから、私の事はどうでも良いって?』
🇬🇧『っ!』
イギリスは申し訳なさそうに俯いた。
だが、次に何かを決意したように真っ直ぐにフランスの目を見た。
そして、フランスの前でひざまづいた。
🇬🇧『………今回の事、申し訳なく思っています。』
🇬🇧『こちらに非が有るのにも関わらず、誠意の取れた対応を出来なかった事、あまつさえ無礼を働いた事、数々の非礼に対し心からお詫び申し上げます。』
🇫🇷『……』
🇬🇧『どんな報復でも身を持って受け止めましょう。非常識だったのは重々承知の上です。』
🇬🇧『しかし、我々が決して貴方の国を軽んじている訳では無いことをどうかご理解下さい。』
🇫🇷『…随分素直ね。』
フランスは目を見開いて、そして少し困ったような、戸惑ったような表情を見せた。
🇬🇧『もう言い訳はしません。』
🇫🇷『イギリス………』
…私たちとあった時、
フランスは『私は会うことすらままならない』と言っていた。
以前から互いに連絡が取れていなかったのだろう。
でも、やっと会食という形で会うことが出来るチャンスが巡ってきた。自分の……フランスにとって最愛の人に。
ソレが一方的に破棄されたら、
裏切られたと感じるのも無理はないだろう。
ソレほどまでに、フランスがイギリスを好いている事は明白だった。
🇫🇷『…………。』
🇫🇷『…私も、ごめんなさい。』
🇫🇷『頭に血がのぼってたみたい。』
ギュッ…
🇬🇧🇨🇳🇯🇵『!!』
フランスはイギリスを優しく包み込むように抱きしめた。
🇫🇷『だから…もう顔を上げて?』
🇬🇧『………………………………………。』
🇫🇷『イギリス?』
今どうなっているかというと、
ひざまづいたイギリスをフランスが抱きしめている。
つまり、フランスの胸がイギリスの頭や顔に当たっているのだ。
🇫🇷『え、えっと…』
🇬🇧『グハァッッ!!!』
🇫🇷『キャァァッ!ちょ、ちょっと大丈夫?!』
イギリスが鼻血を出して倒れてしまった。
それなのに彼の顔はどこか幸せそうだった。
🇨🇳『反応が童貞過ぎるぞアヘン野郎。』
🇫🇷『言ってる場合か!』
🇫🇷『日本!ティッシュ!ティッシュ!』
🇯🇵『は、ハイ!』
フランスに言われて大慌てで襖を開けてティッシュを取りに行こうとした。
その時……
??『ただいま〜〜!!』
〈あの子〉が帰って来た。
本編は此処までとなります。
設定
イギリス♂(United Kingdom)
五大国の一人でフランスの恋人、学園では常に生徒会長に付きっきりで忙しい。
性格:皮肉屋、上品で優雅、本当は甘えん坊
好き:フランス、紅茶、国王陛下、魔法
嫌い:料理、息子、教養の無い人間
身長:182cm
シルクハットにモノクル、檳榔子黒の重厚感のあるスーツを着ている。
香水はFLORIS。