※Attention
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ご本人様とは全く関係ありません
初のコンテスト&読み切りで緊張してます…
長いです。もう一度言います、長いです。
青桃部門です。審査よろしくお願いします!
『俺がいるときは俺が温めるから』
あなたはそう言ったのに
ねぇ、あなたは今誰を想っていますか
言ったことにはちゃんと責任持ってよ
外は雪も降っているのに
俺は今日もひとりぼっちのまま
『行ってくるな、なるべく早く帰ってくるから』
そう言ってまろは出ていった。
元から決まっていたことなんだ。
会社を辞めたとしても、歌い手としての出張は
あって、そこに適役だとまろを指名したのも俺。
1週間の出張なんて大丈夫。
これまで、出張なんて何度もあったし。
それでもこんなに不安に思えてしまうのは、
相棒に恋人という付加価値がついて、
同棲という新しい環境が始まったからだろうか。
「…さむ」
暑すぎる夏が終わり、秋を飛ばして、
ほぼ冬になってしまったこの頃。
特に夜―会社から家に帰るときなんて極寒だ。
まろが近くにいない冬の夜は初めてで、
冷え性な俺はいつもより厚着をしてしまう。
彼がくれた手袋もはめて、
なんとか寒さをしのぎながら家路を急ぐ。
まろが手袋をくれた時、
『俺がいるときは俺が温めてあげるから、
俺がいないときはこれをつけて?』
と言って渡してくれた。今まで、俺が温めるから
という言葉通りほとんど一緒にいてくれて、
一緒に帰っていた。だから、実感しなかったのだ。
まろの温もりがどれだけ温かく、安心できたか
ということを。手袋をはめても、指先は冷えるばか
りで自然と歩くペースも速くなってしまう。
スマホでカレンダーを見つめる
「あと3日…」
まろが出張から帰ってくるまで、今日含めて3日。
この3日間は、俺はこの手袋にお世話になるだろう。
「なーいーちゃん!」
社長室の扉がコンコンとノックされたと同時に
ばぁ!と勢いよく抱きついてきたのはいむ。
メールで『わかんないとこある!』と連絡をいれて
きたから会社にいるよと言えば、わざわざこんな寒
い中会社に来てくれたのだ。まぁ、彼女のりうらも
会社にいたからだろうが。
「それで?どこがわかんないの?」
「あ、そうだった。えっとね…」
そうだったって、これを聞きに来たんじゃなかった
のというツッコミは抑えて質問に応えた。
「んー!!終わったー!ありがと、ないちゃん!」
「どういたしまして、また何かわかんなかったら
聞いてね」
りうら、終わったよと大きめに声をかければ、
りうらはピクッと反応して扉から顔を覗かせた。
その顔には何でバレてるのと書かれている。さっき
から赤い髪が扉越しにゆらゆらと揺れていたら誰も
が気づくだろう。りうらが入ってくると、いむは速
攻でりうらに抱きついた。
りうちゃん、りうちゃん、タスク終わったよ!
土曜日だし遊びに行こ!ね!!
別にいいけど、りうら寒いし外にずっといたくない
じゃあ、もう夕方だし帰りながらイルミ見よ!
わちゃわちゃ話すいむとりうらの会話と元気さは、
若さゆえなのだろうか。それに2人を見ていると
また寂しさ覚えてしまって視線をそらした。
すると、そういえばさぁといむが声を張り上げた。
「ねぇ、ないちゃん、
いふくんからほんっとに何も連絡ないの?」
その無邪気な質問は、俺の心をえぐるには十分だっ
た。出張先で忙しいのかまろは何一つとして連絡を
してこなかった。唯一来たのは『お土産何がいい?』ということだけ。『何でもいいよ。時間があ
ったらでいいからね!』と送ると既読だけがついて
いた。要するに既読スルー状態。俺も社会人を経験
してるからこそ、その忙しさは理解できるから、寂
しいなんて理由で必要以上に連絡できるわけもなく
て、この5日間まともにメールですら話せていない。
そのことをポロリとまろ以外でメンバーと会議をす
るときにこぼしてしまったから、心配しているのだ
ろう。話した時みんな驚いた顔をしていた。
「んー…、まろも忙しいんだと思うよ?
それに、俺たちのために出張に行ってくれてる
わけだし」
なるべく明るい表情で、当たり障りのない返答を返
したつもり。でも、いむとりうらの表情をみる限り
心配そうな顔をしているから、あまり意味はなかっ
たのかもしれない。すると突然、スマホを見ていた
りうらがベシベシといむを叩き始めた。
「痛い痛い、どうしたの、りうちゃん」
りうらがいむにスマホの画面を見せると
いむは一瞬目を見開き、驚きとも戸惑いともつかな
い顔で固まった。
「どうしたの?」
2人に問いかけるとハッとしたように顔を上げた。
「なんにもない!りうらたち、そろそろ行くね
仕事の邪魔してごめん、ほら、行くよ」
「う、うん。あ、ないちゃんありがとね!
仕事詰めすぎないようにね!」
明らかになんかあった様子で慌てて出ていった。
2人は多分、俺に何か知らせたくなかったのだろう。
でも、ごめんな。俺、りうらの見てたやつ分かっち
ゃった。いむの方へ画面を見せる時に、ちらっと見
えてしまった。こういう時に好奇心が勝ってしまう
ことが自分でも恐ろしい。りうらが見ていたのは
おそらくまろが出張で行っている会社のブログ。
迷いなくその会社のホームページからブログを開く
見ると、記憶と一緒で予想は合っていたようだ。
スクロールしていくと、ここ数日の出張の様子が
日付順に紹介されていた。
「……」
あー、見なきゃよかった。せっかくりうらといむが
隠しててくれたのに。そう思ってももう遅い。
一日ごとに研修初日、二日目、三日目と続く文章と
添えられた複数枚の写真。複数枚あるため、どうし
ても1枚は写り込んでしまっているまろ。モザイクは
かかっているけれどもう5年も見てきた。
見間違えるわけがない。その横に必ずと言ってもい
いほどポニーテールの女性がいた。初日は隣の席に
座るぐらいだったが、日が立つにつれどんどん距離
が近くなっている気がする。昨日投稿されたブログ
は、女性がまろに腕を組んでいた。歌い手としても
モザイクは必須だが、今はそのモザイクがまろの
表情を隠していて、とてもうざったい。
表情が分からないからこそもやもやとした気持ちは
より一層広がっていく。仕事だと分かっていたとし
ても、まろの横は俺だ。なんて言えるわけない。
もし、親密になっていたら?そんな不安がぐるぐる
と渦巻く。そんなわけないと思っても、
人がいつ心変わりするかなんて分からない。
そのあと、どれだけタスクをこなそうとパソコンを
見ても、あの写真がちらついて手につくことはなく
今日は早く帰って気分を変えて、残りは明日の自分
に任せようと仕方なく会社をあとにした。
外に出て雪が降っていたことに気づいた。
なおさらいむとりうらがイルミネーションを
見に行ったことに感心する。
手袋はつけるか迷ったが、
今はなんとなくつけたくなくて鞄の中。
おかげで指先はいつもより早く冷えていく。
白い息で指先をほんのり温めながら歩く。
イルミネーションが近くにある通りは
周りがカップルだらけで1人の自分が浮いて見える。
それに彼氏が自分を好いてくれているかわかりませ
んとかそういう状況自分でも笑えてくる。
そんな自分が馬鹿馬鹿しくなって、パチンッと頬を
叩いた。――その瞬間、あれ?なんでだろ、
視界が滲んで見える。頬を触ると濡れていて、
あぁ、俺泣いてるんだって理解した。
きっと心の何処かで気づかないふりをしていたんだ
寂しいという感情を。
話したい、会いたいという欲望を。
完全に認めてしまったから、涙がとまることはなく
て。冷たい手で顔を覆っても涙は指の隙間から
ぽろぽろとこぼれ落ちていく。
あぁ、もう止まれって。そう願って
コートで擦っても、とめどなく溢れ出す涙。
「……ないこ?」
不意に背中から聞き馴染みのある声が聞こえて、
肩がビクッと跳ねた。
今、1番会いたくなかった人。
この顔を見られたくなくて、反射的に走り出した。
「っ、ちょ!?どこ行くん!?」
追いかけてくる声が背中を刺す。
がむしゃらに走って着いたのは人通りの少ない通り
だった。肩で息をしながら立ち止まると、
少し後ろで足音が止まった。
「ねぇ、ないこ。どうしたん?俺なんかした?」
そう聞いてくるまろの声はいつも俺に掛けてくれる
優しい声のまま。何をやったかなんて自分が1番分か
ってるだろ。そう思って振り返ると、まろの肩や髪
には雪が降りかかっていて、少し乱れていた。
まろは口元をギュッと結び、戸惑いの表情を浮かべ
ている。
「まろは、まろはさ、俺と付き合ったままでも
いいの…?」
ほとんど聞こえないくらい小さな声で呟いたが、
まろには聞こえたようだ。
その瞬間、はぁ、とため息が聞こえた。
どうしよう。あきられてしまった…?
思わず視線が落ちてしまう。
「ないこ」
パッと顔を上げると、まろは心配そうに微笑み、
大きく両手を広げて迎え入れるように立っていた。
そのまま、まろはためらうことなく俺を引き寄せ、
そっと抱きしめた。
「なぁ、実は出張明日なくなったんよ」
唐突に言われた事実。確かに、本来ならまろは
ここにいないはずだ。頭がいっぱいですっかりその
ことを忘れていた。
「それで、1秒でも早くないこに会いたくて、
新幹線取って帰ってきちゃった」
あはっ、といたずらっぽく笑う彼に目を丸くする。
寂しそうに微笑みながら、まろは言葉を続ける
「1秒でも早く会いたい相手と別れたいと思う?」
その問いかけに胸が熱くなる。
これまで心を埋め尽くしていた不安が、少しずつ
『俺は愛されてるんだ』という実感に変わっていく。
「…変なこと言った、ごめん」
こんなに愛してくれてたのに、まろにとって失礼な
質問をしてしまった自分が情けなくて、目を伏せる
すると、まろが抱きしめている腕にさらにぎゅっと力を込めた
「何がないこをそんなに不安にさせてるか分からへ
んけど、ないこと付き合ったこと後悔してへん
し、むしろ幸せしか感じてへんで?」
その言葉に自然と息が詰まった。
「ぉれも、だし…」
そのせいで返事が小さくなってしまったのは
許してほしい。
「っくしゅ」
抱きしめ合ってるとはいえ、長時間外にいるのは寒
い。それに気づいたまろは腕をほどき、
帰ろうかと手を伸ばすと、驚いた顔をした。
「あれ、ないこ。手袋どうしたん」
手を見ると指先が少し赤くなっている。
あぁ、と返事を返した。
「誰かさんが浮気してるみたいだったから、
つけたくなかっただけ」
「は!?浮気!?」
まろは唖然としている様子だった。
俺は、ん、と先程まで出張に行ってたであろう会社
のブログから、写真を見せながら指を差すと
「…あ、あぁ〜!!!」
と、まろは大きな声を出した。
「モザイク掛かってたのによく分かったな!?
しかも、なんでこんな全部タイミング悪いねん
これ全部従兄弟だし、それに既婚者!!」
紡がれる言葉に目を見張る。
俺、もしかして勘違いしてた…??
「毎日毎日、旦那さんの惚気聞かされるわ、
『あんたいい人いないの?』なんて言われるわ…
ってことは、ないこたん、もしかして、
勘違いして、嫉妬したってこと〜?」
「うっさい!紛らわしいことすんな、ばか!!」
まろがぽえぽえするから、
こっちは余計に恥ずかしくなる。
わなわな震えていると、
まろは、でも、と声をかける。
「ないこが嫉妬してくれてんの嬉しい」
そうふわっと笑って言って、するりと手をつないで
くるもんだから、俺は簡単に許しちゃって。
冷たい手は今日も、まろの手に温められるんだ。
end
おまけ1(いふさんのいない会議のあと)
L.side
会議が終わって、ないくんはこのあとすぐに打ち合
わせがあるからと出ていき、会議室には、ないふ以
外が揃っている。もちろん話題になったのは、
会議中ないくんがポロっと話してくれた、
『まろと出張中一度もまともな連絡をしていない』
ということ。まろがないくん溺愛家なのは、
メンバーと言わず社内全体認識だから、
正直ビックリした。まぁ、本人は気づいてないけど
「まろちゃんが連絡してこないって、なんか
あったんかな」
「初兎ちゃん、あのいふくんだよ!?あの!?
ないちゃん第1!!みたいな人がだよ!?
なんかあったとか言うレベルじゃないでしょ!」
「まぁまぁほとけ、ちょっと落ち着こな、
まろにもなんかあったんやろ」
「そうだけどさ、あにきは心配じゃないの!?」
「心配って言うたら心配やで?でも、まろは
絶対ないこのこと裏切らんからなぁ…」
「ほんとまろは何考えてるんだろうねぇ…」
と、まぁこんな感じでお開きに。
ないくん大丈夫かなぁ、寂しそうな顔してたけど。
溜め込んでなきゃいいな。
おまけ2(社長室での天才組)
H.side
仕事でわからないところがあったけど、
いふくんに聞くわけにもいかなくて、ないちゃんに
聞くことにした。寒い中外には出たくなかったけど
この間の会議の件も気になるし、愛しのりうちゃん
も今日は出社する日だし、会社に向かった。
わからないところが解決して、ないちゃんに
会議の件を質問してみる。やっぱり一度も連絡が
ないみたい。ほんとに何考えてるの、いふくんは。
僕なんかりうちゃんに1日でも連絡取れなきゃ、
りうちゃん不足で死んじゃいそうになっちゃうのに
そんな時にりうちゃんがいふくんと知らない女性が
話してる写真を見せてくるから僕はもうびっくりす
るしかないよね。いふくんが、浮気するなんて
想像できなくて、社長室を出た後りうちゃんと
え!?どういうこと!?ってパニック。
「え、ほんとにどういうこと!?」
「りうらだってわかんないってば!
まろが出張に行ってる会社のブログの写真に
載ってたんだもん!!」
「ちょ、1回いふくん帰ってきたら殴っていい?」
「いいよ、りうらも参戦する」
ということで、いふくん帰ってきたら覚悟しててね
ないちゃんを悲しませた分ボコボコにするから。
おまけ3(いふさんが帰ってきた)
S.side
夕方、いつも通りボイシングでみんなとわいわいし
てた。外は雪も降っているようで、りうちゃんと
いむくんカップルは帰るついでに、駅前のイルミネ
ーションを見にデートに行ったようだ。
ガチャと扉が開くとここにはいないはずの人物がい
た。
「あれ、まろちゃん。出張は?」
「お、しょにだ、お疲れ様。出張ね、なんか
講師の先生が体調不良で来られへんくなった
みたいで、中止になったんよ」
どうやら、出張が1日早く終わって、一刻も早く
ないちゃんに会いに来たらしい。まぁなんとも
まろちゃんらしい。でも、その肝心のないちゃんは
「ないこくんならさっき帰ってましたよ?」
くにおがまろちゃんにそう言う。
ないちゃんはさっき傷ついた顔して、帰っていった
ここ最近つけていた手袋もつけずに。
「あちゃ〜、すれ違っちゃったか。おけ、
追いかけるわ。ありがとな、くにお、しょにだ」
「全然、寒いので気を付けてくださいね」
くにおがそう言うと、まろちゃんは足早に去ってい
った。会議の時に言ってた話もきっとなんか理由が
あったんやろなぁ。あ、その理由聞きそびれた。
ま、次会ったときでええか。
おまけ4(いふさんのいないないこさんの1日)
N.side
AM8時 起床
「くぁ〜、ほら、まろ起き…、あ、そっか
まろいないんだった…」
AM9時 出勤
「おはようございます、
今日1日頑張っていきましょうね!」
PM7時 退勤
「今日も1日お疲れ様でした!
寒いので体調管理気を付けてくださいね!」
PM8時 夜ご飯とかその他全て
「まろがいないと、片付けとか家事が早く終わる」
PM9時 自分との戦い
「…メールするか?いや、でも忙しいだろうし…」
PM10時 夜の作業開始
「えーっと?これが間違ってるやつだっけ?」
AM3時
「ふぁ、おやふみなさ〜い…
明日こそ、明日こそまろに連絡しょ…」
おまけ5(出張中のいふさんの1日)
I.side
AM7時 従兄弟に起こされる(電話で)
「『起きて〜!!!ほら!!私の旦那なんて、
もうとっくに起きてるわよ!?』」
「うっさいわ、頭に響く…、じゃ、また後で」
「『あっ、ちょっと待ちな』ブチッ」
「…まだ7時やんけ…、寝よ…」
AM9時 研修(+従兄弟の惚気)
「今回は、こちらの件を講師の方に説明して
いただこうと思っております」
「(はよ終わらんかな…)」
「それでね、旦那がね」
「あー、はいはい」
「高い鞄をボーナスで買ってきてくれたのよ〜」
「へー、そーなんや、よかったなー」
「なによ、その棒読みは」
「いや、くだら」
「今、くだらないとか言おうとした?」
「いえ、言っておりません」
「そうよね?でね〜」
「(うぅ、ないこたーん!!助けて〜!!!)」
PM5時 研修終了
「今日も終わった…、
今日こそないこたんに連絡を…」
「いふー!今日も行くわよ〜!」
「げっ、今日も…?」
「いいでしょ、あんたお酒好きでしょ?」
「好きやけど…」
「それならいいじゃない、よし、今日は
3軒ハシゴするわよ〜!!」
「今から!?まだ17時やで!?」
PM9時 ホテル帰還
「やっと…、やっと終わった…(酔いすぎ眠い)
ないこたんにれんらく…」
PM10時 寝落ち
「すやぁ〜(お風呂に入って着替え、
ないことのトーク画面を開いた状態)
なぁこたぁ…(寝言)」
おまけ6 (殴られるいふさん)
Y.side
昨日の夕方頃、初兎によるとまろが出張から帰って
きたらしい。1日早いのは講師が体調不良なんだと。
まろにとっては、嬉しかったやろな。
1日ないこと会える日が早くなったんやから。
でも、でもな?この展開は予想してなかったわ。
「あー!!いふくん、帰ってきてる!!」
「え、お、おぉ、昨日帰ってきたんやけど」
「よしじゃあ、りうちゃんいくよ!」
「おっけ、いむ、りうらいつでも準備できてる」
ちょっと待てりうら、お前なにピコピコハンマー
持ってるんや??そして、いむは殴る体勢に入って
いる?殴るならもっと腰を落として…ってちゃう
「ちょ、りうら!?ほとけ!?何しとるん!?」
慌てて2人を止める。
「「だって、まろ/いふくんが浮気なんかしてるから!!」」
2人は声を揃えて言った。
「「は?」」
今度は俺とまろが声を揃えた。
なるほど、この出張中にまろは浮気してたから、
ないこに連絡ができなかったっちゅうわけやな?
ボキボキと指の関節を鳴らす。
「分かったわ、りうら、ほとけ。俺も加勢するで」
メンバーを、ないこを悲しませるやつは、
一旦片付けないと気がすまない。ごめんな、まろ。
1回殴られてくれ。
「は!?ちょ、何アニキまで誤解してるん!?」
まろは俺が味方だと思っていたのか敵となった瞬間
慌て始めた。
「誤解ってなんや、説明してみろや」
「ないこにも言ったけど、あれ従兄弟やって!?
俺がないこしか興味ないの知っとるやろ!?」
「「「…え?」」」
その言葉にりうらはピコピコハンマーを、
俺とほとけは拳を下ろす。
どうやら出張中にないこに連絡ができなかったのは
従兄弟がしつこく絡んでいるせいだったらしい。
それにしても、まろは災難やったな、としか、
言いようがない。それでも、ないこを悲しませたの
は許せんけどな。
ガチャと扉が開いた。この部屋では今からいれいす
の会議が始まる予定だったから、初兎とないこが
入ってきた。
「「え…?何してんの…?」」
なんか今日みんなやたらと声が揃う日やな。
やなくて、周りを見ると
ピコピコハンマー持ってるりうら、
少し引いた顔でまろをみているほとけ、
唖然とした顔でまろを見つめる俺、
両手を前に体を守るようにしているまろ。
…うん、カオスやな。そりゃその言葉になる。
事情を説明するとないこは納得していたが、
初兎は驚いていた。初兎、気持ちは分かるで。
まぁ、なんやかんやあったが会議が始まったし、
誤解も解けたんやから、
終わりよければ全て良しやろ。
「え、俺、理不尽すぎん…??」
「どんまい、まろ。紛らわしいことすんのが悪い」
「えぇ、そんなことある…?ねぇ、ないこたーん」
Fin
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はぁぁぁぁぁど肝抜かれました 、、、、 もうほまに桃さんの嫉妬の仕方と青さんの災難具合がもうめちゃくちゃ好きすぎて 🤦🏻♀💖 ぽにての女性を見て最初は自覚してなかったけど後々に気づいていく嫉妬の気持ち 、、、、、 はぁぁぁ好きです。 イルミネーションはカップルで賑わっている中1人で行って泣いちゃうのもすごいすきだし、青さんが居るのも好きだし、「 浮気相手 」って言って貰った手袋をつけないのも好きだし。そもそも最初の始まり方も好きだし。で好きしか無いんですけど 🙄💭 長文苦手で有名な私でもスラスラ読めて本当に天才ですね(( 誰 おまけもこんなにかけるなんて天才すぎてえぐいですって 🫵🏻💫 赤水さん ? 水赤さん ? がカップルなのすごい好きすぎますし、青さんに対してあたりが冷たいのも公式 ‼️ って感じがしてもう、なんか本当にいいですね 。。。。 もう言いたいことが多すぎて語りきれないのですがコンテスト参加ありがとうございました 🙌🏻💫