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あの連日取材の件から約半年が経った。
今では俺たちは仲のいい友人となり、月一くらいの頻度で互いの家を行き来して飲み交わす仲だ。
弘呂くんはきっと俺のことを友達だと思っている。
だから、言えない。もうそのときは過ぎてしまったのだろう。
今言って関係を壊すよりだったら、そうやってずっと逃げてきた。
でもあいつが俺のことを”友達”というたびに胸がじくじくとえぐられるのだ。このままではダメなのか、と。
だから、今日賭けに出る。
今日は弘呂の家で一緒に飲む約束をした日だ。
「えぇっと~401、401…」
何度来ても慣れないものだ。郊外にある俺の家にくらべてこの弘呂の住むマンションは中々高級感があって、入りずらい。
プルプルと震える手でチャイムを押す。
少し経った頃、ガチャガチャと慌ただしく扉が開いた。
「はーい。瓜李、中に入っていーよ、、って…」
弘呂くんは途中で言葉を切って俺の手元をまじまじと見つめる。
「そ、れは花、かな?」
「これまで何回も見てきてんだろ」
止まりそうになる言葉の数々を必死に喉奥から引っ張り出す。握った拳の先は白くかじかんでいた。
「これ、、やるよ」
彼にずいっと花を差し出す。
「これはベゴニア、だよね」
言葉で伝えるのは、何度も何度も考えたけど、無理だと思った。
きっと土壇場で逃げてしまうのが俺だから。
でも__それなら俺なりの方法で、伝えるんだ。
ベゴニアの花言葉は__愛の告白
目を合わせるのが怖かった。
そもそも俺たちは男同士で、しかも友達なんだ。こんな想い、引かれて当然なんだから。
「はぁ~…」
その声にビクリと肩が震える。やっぱり、駄目だったか。視界がやけにぼんやりと霞んでいる。
「先越されちゃうなんて、なぁ」
噓のように涙が引っ込んだ。バッと勢い良く顔を上げる。
視線の先では彼が気恥ずかしそうに頬をかいていた。
「俺から言いたかったな」
「は、?そ、れって…」
少しの間視線をうろうろとさせて彼は言った。
「俺も、同じ気持ちだったんだよ」
その日、俺たちの関係は終わって、始まった。
どうでしょうか。ちゃんと終われてすごくよかったです。
長いことありがとうございました。この作品で私のテラーでの小説投稿は終わりにすることにします。
ここまで私の作品を読んでくれた皆様、ありがとうございました!
楽しかったです!
#契約結婚
ぱくちーですん🌿