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ナムギュはメニューを手に取りながら、無表情で言った。
「何飲むの?」
サノスは少しだけ迷って、軽く笑って答えた。
「俺が好きなやつ、頼むよ」
ナムギュは「はい」とだけ返し、カウンターの奥に戻った。
しばらくして、サノスが声を低くかける。
「ナムギュ……元気だったか?」
ナムギュは動きを止めて、ちらりと振り返った。
「別に。あなたと違って、普通に暮らしてる」
サノスは少し肩を落としたが、すぐに持ち直した。
「そうか、まあ、俺も変わってねぇよ」
ナムギュは目を細めて言った。
「変わってないのはお互い様だな」
二人の間に、ぎこちない沈黙が訪れる。
「また、話せる日が来るかな」
サノスがそっと呟くと、ナムギュは少しだけため息をついた。
「それは…わからない」
サノスは微かな笑みを浮かべて、手を少しだけ震わせながら、言った。
「待ってるぞ、ナムギュ」
ナムギュはその言葉を聞きながら、心の奥で揺れていた。