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IRIS防衛学園の定期試験は、
単なる成績付けではない。
それは、生徒の「生存価値」を測る残酷な選別だ。
第2訓練場。
今日の試験科目は「隠密行動および精密射撃」。
試験官として教壇に立っていたのは、いつもは飄々としている初兎さんだった。
白.彡「はい、次。ほとけくん、前出よか」
初兎さんが、タブレットを片手に名前を呼ぶ。
その柔らかな関西弁が、
今の僕には死刑宣告のように聞こえた。
試験の内容は、複雑に配置された障害物を潜り抜け、
最奥にある標的を撃ち抜くというもの。
僕は「平均より少し下」の成績を維持するため、
わざと足音を立て、射撃のタイミングをコンマ数秒遅らせる計算を脳内で行う。
(……よし、ここで一度躓いて、射撃は中心から3センチ外す)
僕は訓練通り、不器用に障害物を越え、
標的に向かって引き金を引いた。
銃声が響き、弾丸は標的の肩あたりを貫く。
水.彡「……終わりました、初兎さん、。」
白.彡 「んー、お疲れさん。……なぁ、ほとけくん。」
初兎さんが、眼鏡を指で押し上げながら歩み寄ってくる。
その瞳は、笑っていない。
白.彡「もしかしてやけど、今の射撃……わざと外したやろ?」
水.彡「えっ……? い、いえ、そんなこと……」
白.彡「嘘つかんでええよ。弾道計算したらわかる。君、引き金引く直前に、銃口をわざと左に0.5ミリ動かしとる。」
初兎さんの言葉に、僕の心臓が凍りついた。
この人は、りうらさんとは別の意味で「視えすぎている」。
白.彡「…自分、何者なん? まぁ、俺がここで騒いでもしゃあないけど。あんまり俺を舐めんといてな」
初兎さんはそれだけ言うと、次の生徒の名前を呼んだ。
僕は震える手で銃を置き、逃げるように訓練場を後にした。
試験のショックから立ち直れないまま廊下を歩いていると、背後から声をかけられた。
桃.彡「ほとけくん、探したよ」
振り返ると、そこには生徒会長のないこさんが立っていた。
いつもの完璧な、誰もが安心するような笑顔。
けれど、その背後には逆らえない威圧感が漂っている。
水.彡「ないこさん……。何か、御用でしょうか?」
桃.彡「うん。ちょっとお話があってね。…生徒会長室まで、来てくれるかな?」
断る選択肢などなかった。
重厚な扉の向こう側、生徒会長室は驚くほど静かだった。
ないこさんはソファに座るよう促すと、自ら紅茶を淹れてくれた。
桃.彡「学園生活には慣れたかな? 悠佑や初兎、それにりうらとも仲良くやってるみたいで、俺は嬉しいよ」
水.彡「はい……皆さん、とても良くしてくださって、。」
桃「そう。でもね、ほとけくん。この学園には『調和』が必要なんだ。」
桃.彡「不自然な動きをするピースがあると、全体の絵が崩れてしまう。」
ないこさんが、ティーカップを置く。
カチャリ、という小さな音が、静かな部屋に鋭く響いた。
桃.彡「りうらが君に興味を持ってる。初兎も君を注視してる。そして、まろが君を庇ってる。…君は、彼らにとって毒になるのかな? それとも薬になるのかな?」
ないこさんの瞳が、射抜くように僕を見つめる。
その笑顔の奥にある深淵に、僕は息をすることさえ忘れてしまった。
桃.彡「俺は、この学園を守るためなら、どんな不純物も排除するよ。君が『普通』の生徒であることを、心から願ってる」
それは、明確な警告だった。
見てくれている人たちのお陰で、いれいす人気ランキング3位にランクインできました…!
嬉しかったので1日に2回更新というね()
…もっともっと頑張って、1位とれるよう努力するので、応援よろしくです、!
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