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「お前が我慢してるの、俺が嬉しいと思うの」
勇斗の語気が少し強まった
「俺だってお前の事大事にしたい、 してるつもりだけど」
強まった語気が少しずつ柔らかくなる
「…多分、2人で住むって事がまだ慣れないからさ、色々出来てない事があるんだよ」
「そんなこと…」
無い、と言いかけて
「そんなことあるから仁人がこうなってるんだろ」
「ちが…」
またも否定しようと口を開くと
「1回聞いて」
と止められる
「仁人と一緒に居れたら幸せだと思ってたし、今も思ってる。 でもさ、無理をするのは違うじゃん」
目を合わせて勇斗は言う
「仁人は無理してないって言うかもしれないけど、俺にとっては無理してんのと一緒だよ。わけわかんなくなる位、なんかが負担になってるんだよ」
頭に置いた手が何度も滑る
「俺にはそれが何かわかんないから憶測でしゃべった、嫌な気持ちにさせてたらごめん」
小さい子どもに話すみたいに声も、手のひらもなんだか優しかった
「仁人が俺を大切にしようとしてくれて、でもなんとなく上手くいかないと思ってるのもわかった」
仁人にとっても、俺にとってもいい感じになるようにさ、と前置きして
「親しき仲にも礼儀ありだから、そりゃ甘えすぎてもダメだし、ある程度気を遣う必要はあるんだろうけど、お互い頑張りすぎないで自然体で居られるように、 擦り合わせていくのが、一緒に住むって事じゃないか?」
本当に、一緒に居られることは嬉しいんだ
大事にしたいって強く思ってる
それを疲れてる、なんて思いたくはないけど
色々と、キャパオーバーだったのかもしれない
「…俺で、いい?」
「…お前がよくて、一緒にいるんだけど?」
「…こんな変なのに」
「お前が変なのは今にはじまったことじゃないだろ 」
「ひど…」
少し笑えた
「変だろうがなんだろうが俺がお前を手放すことはないから覚悟しとけ」
「勇斗」
正座をして勇斗の方を見た
「ふつつかものですが、末永く、よろしくお願いします」
頭を下げると、勇斗も正座をしてこちらを向き
「こちらこそ至らぬ点があると思いますが、末永く、よろしくお願いします」
と頭を下げた
お互いに頭を下げあっている状態に 思わず笑ってしまったら
勇斗もまた同じように笑った
ひとつピースがはまった
まだぐちゃぐちゃのパズルだけど
一つひとつのピースを大切にして
一つひとつはめてって
俺たちなりの絵が見えてくるといいな
fin.
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