コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「その女の子ってどんな子達だったの?莉犬」
「えーーっとね、多分陽キャだった気がする。一人はおしゃれな子でもう一人はぐいぐい引っ張ってってくれる感じだった!」
「莉犬のモテ期…!」
「もう終了したみたいに言わないでまだ続いてるから」
談笑しながら実家へと向かう赤羽と黄星。しっかり手土産も持ち、準備は万端あわよくば……だったはずなのだが。
「おー、おかえり」
「どうだった?可愛かった?」
「…あれ、莉犬くん、るぅとくん、どしたの?」
「……わけがわからない」
「え?」
「なんで、どういう」
「ちょ、何があったん?」
明るい声で迎える四人と対照的に、戻ってきた二人の顔は暗く、青ざめていた。どうしたのか、そう聞くと、信じられない答えが飛び出してきた。
「……あの子、亡くなってた」
一瞬、沈黙が場を包む。信じられないような顔をしながら、説明を求められ、二人はぽつぽつと語り始めた。お互いの手をしっかり握りながら。
「まず最初に、はるちゃんっていう子の家に行ったんだけど、インターホンを鳴らしたらお母さんが出てきて」
「はるちゃんいますかって聞いてみたら数週間前に交通事故で亡くなったって」
「びっくりして、でもネックレスのことだけでもって聞いてみたら」
はるちゃんの家にも全く同じものが数週間前に送られてきた。
「送り主は書かれてなくて気味が悪いっていってたらしい」
凍りつく空気。全員が、赤羽の片手にあるネックレスを、何か得体の知れないものでも見るような気分で凝視していた。彼等は、次に「美羽ちゃん」のところへ行った話を始める。
「次に美羽ちゃんの実家にも行って、美羽ちゃんのおばあちゃんにあいました。名前を言ったら、莉犬のこと覚えててくれたみたいでびっくりしてました」
「美羽ちゃんいますかって聞いてみたら、『実は、急にいなくなっちゃって』って言われて」
「いなくなったってどう言う事ですか?って聞いたら、二週間くらい前から行方不明で連絡もつかないらしくて、警察にも捜索してもらってるけど見つからないらしいです」
「はるちゃんとおんなじかんじでネックレス見せたら、美羽ちゃんのところにもこれと同じネックレスが郵送されてきたらしくて、わざわざ持ってきてくれたんだけど」
俺が持ってるのと同じ指輪だった。
「これって偶然…じゃないよね」
語り終えた瞬間、今まで理由もなく立っていた全員が、力が抜けたように椅子へ崩れ落ちた。無気力の中にある恐怖からなのか、「呪いのネックレス」とうわごとのように呟く者もいる。
「これ、送られてきた時はまだ二人は生きてたって事だよね」
「事故って……本当にこれは事故なのか?」
うわごとではなく、これは本当に送られてきたものを死に至らしめる「呪いのネックレス」なのではないか、という確信に近い沈黙が流れる。そして、それはもう一段階先へと昇華され、「そのネックレスを持っている赤羽も危ないのではないか」という思考が全員の脳を支配する。なにとなしに、無気力に注がれたすべての目線が、ネックレスの方を向いていた。
いきなり、部屋に着信音が鳴り響く。皆無言で飛び上がり、お互いに顔を見合わせて少し笑った。緊張がほぐれ、多少なりとも明るい気持ちで着信音の主、赤羽はLINEを開く。
『今日、入院生活で足りないものを持ってきてもらおうと実家に電話したら、なんか小包来てたらしい。送り主も不明だって言うから病院に持ってきてもらったら、なんか変な黒いネックレス入ってたんだよな〜ww何これww』
『てかこれ届いたの俺が入院する前じゃん!一人暮らしだから気付かなかったわ、呪いのネックレスだったりしてww』
「は……?」