残った男…健斗のところにも、入院前に黒いネックレスが届いていたというLINEが来て、再び現場は騒然とした。今まで、二人の元にネックレスが来たすぐ後に不幸が起こっている。これは、健斗が三人目の被害者になるということを示しているようだった。
「…これ、さ……ひき逃げにあったのってもしかして…」
「………いやいや、まさかね」
呪いのネックレスなんて子供っぽい。その言葉はついぞ口から出てくることはなかった。笑おうとしても、口がひくついて動かない。もし、ひき逃げが計画のうちだとしたら。入院させることが目的だったとしたら。
「俺、ちょっと電話してみる」
「うん」
「無事だといいけど」
「……あ、もしもしー、元気ー?」
どうやらまだ健斗は無事だったようで、スマホに込められていた力が抜ける。赤羽は何でもないことのように同級生二人について触れ、ネックレスのことについて触れ、起きた事について話した。電話口の彼は予想外に平常心で、『俺らに恨みを持つ奴の犯行か』と分析していた。最後に、何かわかったことがあればまた連絡すると言い、赤羽は電話を切った。とりあえず最悪の事態だけは免れたようだ。
「無事だった?」
「全然元気だった…なんであんなに元気なんだ…」
「元気なことはいいことだよ!」
「まあそうだけど」
「それにしても、なんでタイムカプセルの中にネックレスが入ってたんだろうな」
「二十年越しの復讐…」
「じゃあなんで今ネックレスが届いてんだよ」
「確かに」
「でも、三人の命を狙ってる奴が二十年前、タイムカプセルにネックレスを入れたとしか考えられませんよ?」
「うーーーん…?」
「……もしかして」
「どしたジェル」
「莉犬、タイムカプセルは二十年後明開ける約束やったん?」
「そうだけど」
「じゃあさ、二十年後三人を殺す、みたいな犯行予告だったって説は?」
「そんなコナンみたいな展開ある?」
「でもそう考えると、小学校の同級生が犯人って仮定できるしつじつまもあうよ」
「そうだけど…」
「一回、調べるだけでもやってみよ!」
「そうですね!」
「なんか探偵ごっこみたいだなぁ」
「何それ」
「昔三人とよく遊んでたゲーム、リアルケイドロもそうだけど」
「なんかマイナーなやつばっかやってんな、ドッジボールとかは?」
「……」
「マジかよ」
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