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「いでで……てめぇやんのかこら」
「黙れゴミクズ共がぁッ!」
看守がやってきた。
「処刑の日時を早めようか!?」
「申し訳ございません!」
イボンは土下座で謝った。
「……今後は許さないからな」
看守は身を翻して去っていく。お尻は丸見えだった。
「おいキレル。処刑されるの早めたくねーならわめくのはやめろよ」
「イボン。てめぇこのまま死ぬ気か? お前ほどの奴が? ジーザスの墓参りどうすんだよ」
「ジーザスは良いもん持っていた。俺だって嫌さ。だがジナオール監獄は未だ誰も脱獄した者がいない鉄壁の要塞。そのうえ言霊を拒絶するダメヨーンフィルターまでかかってやがる。
痔士団はジセキを推奨するため街のあちこちにダメヨーンフィルターを展開している。言霊は痔神を冒涜しているという理由だ。言霊は痔神が指定した言葉で作られているので全くもって問題ないのだが、彼らは認めたくないらしい。
「お前嫌かもしれんが、イグナ・パイロマウンド使えよ。あれなら看守全員皆殺しにできるだろ」
不謹慎なことばを放つキレル。だがイボンは彼ぐらいしか使えない強力なジセキを保有している。今使わずにいつ使うというのか。だがイボンは首を横に振る。
「無理だ。イグナ・パイロマウンドは極限にまででかくしたイボ痔が必要。俺のチャームポイントは俺が意識失ってる間に全部治療されたようでな、使えるようになるには時間がかかる。その前に処刑だ」
淡々と怖い事を言いのけるイボンに、キレルは涙が止まらない。
「マジかよ……」
「お前はなんかねぇのか? 使える言霊の数はかなり多いと記憶していたが、なんかいいジセキ持ってたり」
期待の眼差しを向けるイボン。キレルはすぐに否定する。
「俺はずっと言霊一本だ。ジセキには選ばれなかった」
「ならこのまま死ぬとしようか」
「え、やだ」
「じゃあどうすんだ」
イボンは大分諦めモードのようで、どうやらキレルが考えないと協力もしてくれなさそうだった。
「牢屋から出るタイミングは」
大抵は牢屋から出る時間がある筈だ。人権無視であるなら無いが。
「刑務作業の時だけだな」
「何するんだ」
有難いことにこの空間にも可能性は残っているようだ。
「俺のチームがやってるのは彫刻づくりだ。聖母ジリアの像。教会に寄贈するんだってよ」
「そうか。なら俺もそこに配属か?」
「だろうな。だが監視員がいるから無理だぞ。奴らは全員では無いものの一人はジセキの使える奴が混じってる。まぁ仮に監視員がジセキ使えなくても、言霊が使えねぇ俺達が勝てる相手ではねぇ」
「お前その身体で肉弾戦雑魚なのか?」
「まぁな。常に言霊とジセキで生き抜いてきた」
「……」
その身体で肉弾戦雑魚とは一体どういうことなのだろうか。キレルは顔を引きつらせただただ空笑いした。