〜冬美視点〜
ふらりふらりとヨコハマの街を歩く
今日は非番だ
お姉ちゃんと休みが一緒じゃ無いのが悔しいけれど
此処には色んな人が集う
裏の人間表の人間
色んな人が居る
人が波の様になっている
路地裏から血の匂いがした
僕は好奇心を唆られて路地裏に足を運ぶ
奥に奥に進む
ソッと除くと真っ黒な男が人を殺していた
ゾッとして,胃から酸っぱいものが込み上げてきて口に手を当てる
腰を抜かしてしまい地面にへたり込んだ
そのまま後ろに下がる
ガタッ,と音が響く
ぐるんっ!と男が此方を向いた
如何しよう,と思っていると僕が入っても余裕がある箱が目に入った
なるべく音を立てずに素早く箱に隠れる
体を丸めて息を殺す
??「此処か」
真横に黒い何かが突き刺さる
髪がはらりと切れた
黒い何かが引き抜かれる
??「…此処には居らぬか」
僕は其の言葉を聞くと安心して肩の力を抜く
ガチャッ
『?!』
箱が軽く開かれて光が差し込む
…其処に居たのは
『芥川…龍之介…』
指名手配犯だった
僕は思い切り箱を開けて芥川の顎を強打させる
芥川「グハッ?!」
相手が顎を押さえよろけて怯んだ隙に箱から出て無我夢中で走る
気付いたら鶴見川に居た
お姉ちゃん,国木田さん,太宰さん,ボロボロの服を着た男の人が居た
遥華「冬美!
どうしたの?そんな顔を真っ青にさせて」
『おね,えちゃ…』
お姉ちゃんを見ると安心して抱き着き涙を流した
先程の出来事を異能を使って伝えた
暫くすれば落ち着いてきて涙を拭う
初対面の人の前で泣いたのは失礼だ
僕はスケッチブックでボロボロの服を着た男の人に自己紹介をする
男の人は驚いて狼狽えていたけど,名前を名乗ってくれた
彼は中島敦と云うらしい
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