黄赤
言葉では難しい
黄side
「うわぁー!雪だ!!」
「雪だよ黄ちゃん!!起きて!早くー!」
そんな可愛らしい声が聞こえてきて、僕は眠たい目を擦りながら体を起こす。
「朝からなんですか……」
赤の方を見てみると、
赤がカーテンを開けてうさぎのようにぴょんぴょん跳ねていた。
その様子はどうも3歳児のようで。
気づいた頃には僕の口角が上がってしまっていた
「見て!!雪だよ!」
赤しか見ておらず、雪がたくさん積もっていたのにも関わらず気づけなかった。
改めて自分が少し怖くなったが、今はそんなこと、どうだっていい。
「…久しぶりの雪だね!」
僕はそう言って2度寝をしようと、
また布団に入る。
「なんでまた寝ようとするの!!」
「久しぶりの雪なんだよ?雪だるま一緒に作ろ?」
………なんとなくそんな気がしてた。
「……外寒いじゃん。風邪ひいたらどうするの」
「バカは風邪ひきませーん!」
そう言いながら僕の腕を強引に引っ張って、体を起こされた。
「ちょっと!僕のことバカって言いました!?」
僕のツッコミに、赤が大きな口を開けて笑った。
この赤の笑顔が大好きで
いつまでも君を1番近くで支えていきたいなと
この変なタイミングで思ってしまった。
「ほら!行こ?」
毎度恒例の上目遣い。
これに僕は毎回やられている。
「……」
「顔とか洗ってからね……」
僕は洗面所に向かう。
「やったー!ありがと〜〜!」
後ろから赤の嬉しそうな声が聞こえてきて
今日くらいはいいかなと思った。
「見て!出来た!」
赤がひとりで作った雪だるまはとても小さくて
僕が思っていた雪だるまとは全く違っていた。
「…可愛いね!」
「うん!」
「………」
「もう、中入ろっか、」
「付き合ってくれて、ありがとね。」
実際僕が外にいた時間はおよそ5分。
こんなの、付き合ったなんて言えないよ。
「もっと大きいの作らないの?」
「俺はこれがいいんだ。」
「俺みたい…だから。」
赤の表情は、微笑みながらも
けれど少しだけ、
悲しそうだった。
僕はなんて言葉を返したらいいのか分からず
しばらく沈黙になってしまった。
「………」
「………ごめんねッ…せっかく黄くんが付き合ってくれてるのに、…」
「俺ッ……」
「何言ってるんだろ…」
やめて
やめてよ
そんなに自分を責めないでよ、
心の中では思っている言葉を口に出すことは、とても難しいこと。
とても勇気のいること。
言葉に出せなくて、
僕は赤を思いっきり強く抱きしめる。
「ッ……!」
「黄……ちゃん…?」
「……」
「…しばらく………」
「このままがいい…」
僕は、言葉を返すのが苦手だ。
自分の返した言葉で、相手を傷つけてしまったことが何回もあったから。
せめて、行動で示したかった。
僕のこと精一杯の力で
僕が思ってること、伝わって欲しかった。
「……黄ちゃんッ…苦しいよ…」
「あッ…ごめんッ……」
伝わって欲しいという思いが強すぎたせいか
抱きしめる力まで強くしてしまい、急いで赤を抱きしめるのをやめる。
「僕、まだ全然赤のこと知ってないし、言葉を伝えるのが苦手だし、めんどくさいかもしれないけど、」
「僕、赤のことしか見えないから。」
「赤のこと、1番近くで支えたいから。」
「嬉しいことも、悲しいことも、」
「悩んでいることも、悔しいことも。」
「たくさん話していきたい。」
僕が今思っていることを素直に言ったつもりだ。
赤の方を見ると、涙目になっている気がした。
「……ありがとねッ…?」
「また……話…聞いてくれる?」
「もちろん。」
そう言って、2人で雪だるまを作った。
お互いのことを話し合えるときは
そう遠くではないようです。
end
私今日入試があったんですよ!
滑り止めのところですけど、w
頑張ったので、今日は勉強しない!って決めました。
多分しなきゃまずいですけど…w
志望校の入試まで、あと1ヶ月ちょっとくらいですかね?
明日から、まじで本気で頑張りたいと思います!
これを見ている人の中にも、受験生の方がいらっしゃるかもしれません。
一緒に頑張りましょう!!
最後までご覧頂きありがとうございました!
コメント
6件
素敵です 。 陰ながら応援して毎回(?)見てましたが、とっても素敵です!(