じめっしい空気
感動の涙か知らないが不愉快だ
あの時の目が忘れられない
俺を足止めする程度の能力があったはずの
彼女が自らの命を諦め、絶望に溢れていた目
いつの日か雨に撃たれこの世界に希望を
見出さなかった俺のような目
「はっくだらないな」
感動を噛み締めていたキルア達
追手として来ていたはずの使用人が2人に手を出そうとしていないところを見るに
スコープ越しにいるゾルディックのヤツらも
感動に浸っているのだろう
「お前何者だ?!!」
彼女とお揃いの白髪が憎い
こいつらごときに彼女は悩まされていたのか
彼女の方が圧倒的に強いではないか
ぶわっとルシフェルの念に包まれる
ルシフェルの念はとても痛くて赤黒い
息を吸うこともままならない
「旦那様ッ」
アンナとララシアは
全力でキルアとアルカを 守る。
しかし念を防ぐことでせいっぱいで
声をかけることもアルアを呼ぶこともできない
キルアは手に力を込める
しかしルシフェル威圧感には勝てない
「お前はそいつが弱いから守るのか?」
「なにいっ」
「アルアは強いから気にしないのか」
アルアは
愛されるためにどんなことも厭わない
だからこそ実力主義のゾルディックで
見てもらうために強くなるために
血のにじむ努力をしていた。
強くなると見て貰えはしたのだろう。
しかしいつも無数の壁に苛まれる。
そしてアルアは
才能がないのかいちばん強いにはなれない
そして中途半端な位置にいて
見て貰うことも望むほど貰えず
守ってもらうこともできない
俺はアルアの強者のようなギラギラしている瞳が頭に残って離れない
しかしその瞳を作り上げたのは
報われない血のにじむ努力だとしたなら
俺は彼女にどんな目を向けるべきなのだろう
そしてこいつらはどのような目でアルアをみていたのだろう
ぶわっと再び念に包まれる
そして皆その念に抗えない
しかしその中で抗う美しい1人の淑女がいた
「あなたは
ほんとにアルア様のことを理解していません」
そう言ってララシアの手首は整えられ美しい爪が突き刺さる
血薔薇の庭=クリムゾンガーデン
• 敵の念を“棘”として吸収しながら、
自分の念を大幅強化
• 相手の攻撃が全て“遅く”見える(知覚操作)
• 空間内では自身の出血が止まらず固定量で 流れ続ける(リスク)
先までは殺伐とした戦場の様だった場所が
薔薇園でお茶会をしているような雰囲気に
包まれるそしてララシアは足を踏み出す
ルシフェルの動きより
ララシアの動きが上回った瞬間
ララシアの拳はルシフェルの右頬に触れていた
そしてルシフェルは自らの頬を触り
ジーンとした痛みを噛み締めている
「アルア様はまだ11歳です!
どんなに淑女のように
演じていても子供ですわ」
「寝る時はぬいぐるみを抱いていますし
夜中お腹がすいたと
食倉庫に侵入して盗み食いをしていますし
毒は飲めるにもかかわらず
砂糖の入っていない
紅茶は苦いと飲めないし」
「アルア様はとても愛らしい子供だということは旦那様もわかっているでしょう!」
「確かに社交界に出ている姿は11歳には到底見えません!しかしそれだけなのです! 」
「見えないように血のにじむ努力をしているだけなのです 」
さっきまで生き生きしていた
棘が少しづつ枯れていく
ララシアの白く細い手から血が止まらない
しかしララシアの手の力は止められない
そんな中
アンナもまた言いたいことがあったのか
口を開く
「家族というものはきっと安定なんてしないものだと家族を持つ身として思います」
「ある日は 大っ嫌いでも次の日は好きだったりするんです」
「あの日確かにアルア様の瞳にはキルア様が発端としてある劣等感が感じられました」
「きっとキルア様アルカ様をトラウマとし目を背け嫌いな日もあったのでしょう」
「でも大好きでたまらない日の方が多いからこそいまこのように暗殺部隊を全て動かし戦っているです」
その言葉はルシフェルの胸に突き刺す
ルシフェルは家族という存在をあまり理解していない突然亡くなった親に何も思わないほどに
ルシフェルは強者だからこそ孤独だった
アルアもまたそうだとおもっていた
しかしアルアは絶対に孤独でなかった
愛に溢れている愛らしい女の子である
「アルアお前には分かるだろう何をすべきか」
アルアもまたルシフェルの様に周りが当然としているレールを歩き孤独だと生きてる時期もきっとあったのだろう
アルアとルシフェルの大きな差は
他人を見下し自分は特別だと目を逸らさなかったこと、そして家族を心の底では愛していた事
ふわっと薔薇が飛びルルシアの念能力が弱まっていく1人の愛らしい女の子を中心に
そしてルシフェルの目がまるまる
「私の蹴りは軽いかもしれないけど
男の人の弱点だと話は違うでしょ!」
アルアはララシアの念能力を分析し解除そして
ルシフェルの念能力も分析してルシフェルの間合いに入り男の人の弱点である足と足の間に蹴りを入れたのだ
未来断章=フィーチャーフラグメント
予知能力。
東ゴルドー王国が滅亡のような大きな予知や
戦闘中攻撃の予知をして攻撃を避けることができるなど様々な応用が可能
これがルシフェルの念能力
アルアは予知能力と仮説を立て分析し
そして一時的に予知能力を阻止し
アルアが蹴りを入れる予知を止めたのであった
そしてアルアはララシアとアンナに念を流し込み回復を誘導する
「何のつもり?
私の部下と家族をいじめないで!」
小さくて少し震えているアルア
その姿はライオンに立ち向かっている猫
しかしそのアルアの目は
絶望していたときにルシフェルに光を与えた
瞳の輝きそのもので
自信に溢れていた
「んぎゃッ」
そしてルシフェルは痛みにイラつきを覚え
アルアにゲンコツを決め込む
「ちょっとなにするんですか!」
「旦那に蹴りを入れる嫁に折檻だ」
「はあ?先に手を出したのはそちらでしょ!」
「旦那に歯向かうのか?」
「えぇ私はそんなやわな女ではないので!」
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