「どうも〜玲夏アヤメでーす!」
ポップなBGMに、アヤメの美しい声。
2年ぶりのアヤメの配信に、コメント欄は湧いている?
:アヤメ!?
:久しぶり!
:声が大人っぽくなってる!
:アヤメ!また声聞けて嬉しすぎる!
アヤメはにこりと微笑んだ。
白とピンクの淡いアバターの髪の毛が揺れる。
「みんな、待っててくれてありがとう!」
:今日誕生日です、すごい幸せです
「今日誕生日の人いる!おめでとう〜!」
:コメント読まれた!?死にそう、、、 ¥ 1000
「スパチャありがと〜」
〜
「そろそろ配信終わるね」
コメント欄は、寂しい、ありがとうなどのコメントで埋め尽くされている。
それらを一瞥し、アヤメは、優しげに微笑んだ。
「私、玲夏アヤメは、無期限休止をしていました。そして、これからもそうなるかもしれない。でも、また会えるかもしれない。それを信じて祈ってて!」
:祈る
:復帰、してほしかった、
「ばいアメ!」
配信終了
花梅「これで良かったんですよね?」
花梅は、パソコンを閉じると、扉の前でイヤホンと携帯をもって立つ二人を見た。
花梅「尾崎紅葉、中原中也」
紅葉は、赤みが濃い瞳で、花梅を見て、そのつややかな唇を動かした。
紅葉「嗚呼。」
眩しいほどのカリスマ性をもつアヤメの声を、また聞けて、紅葉は、暖かい微笑みを浮かべた。
花梅「、、、ファンの為に動くのも悪くないですね。」
その言葉には、じんわりと人間の温かみが含まれていた。
花梅「中原中也。」
花梅は、軽く彼の名を呼んだ。
花梅「悪くなかった」
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