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派手な赤色の髪をした青年
歳は20から22くらいだろうか
彼の手に握られているのはさっきの刃物
彼の服に付着しているのはあいつの返り血
彼はこんなに平気そうな顔をして人を殺した
俺が殺されない確率は極めて低いだろう
結局は殺される運命
彼が此方を向いた時、殺される事を覚悟して
さっきと同じようにそぅっと目を瞑った
「ごめんね、怖い?」
そんな優しい声が聞こえる
幻聴かな、それとも走馬灯なのだろうか
でも、俺はこんな声を知らない
「あれ、聞こえてない?大丈夫?」
「もしかして目、開けられない?」
「おーい」
肩をとんとん、と軽く叩かれる感覚がした
もしかして…
そう思い、ぎゅっと閉じていた目を開ける
「あ、目、開いたね。良かった」
そう言ってにこりと笑みを浮かべる赤髪の彼
やっぱり俺は今、彼に話しかけられていた
「突然でごめんなんだけどさ」
「幾つか質問あって、答えてくれる?」
答えなかったらきっと殴られるだろう
蹴られるだろう、殺されるだろう
どれにせよ、答えておいた方が身のためだ
そう考えた俺はこくりと小さく頷いた
「ありがとう、まず1個目ね」
「この人は君のお父さん?それとも他人?」
『ぉ、お父…さん、…』
恐怖と緊張で声が震えて、か細くなる
それを察したんだろう
緊張してる?と彼が聞いてきた
俺は小さく頷く
そしたら
緊張しなくて大丈夫だよ
って優しくて大きな手で頭を撫でてくれた
「ええっ!?ちょ、大丈夫!?」
彼は何をそんなに焦ってるんだろうか
頭の中がハテナでいっぱいになる
自分の目頭が熱くなっているのも気づかずに
第2話「喜」完結
どんなのでもいいんでコメントください。
モチベ…ほしい…