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「 顔面大失敗 」
桃女体化
私は鏡の前から離れられなかった。
今日も新しい顔になった。
まだ腫れは引いてないけど鏡にううる自分は前よりずっと可愛い気がした。
桃 : ねぇ。これでまた可愛くなったよね。
鏡の中の自分に問いかける。
誰も答えてくれないから自分で答えるしかない。
___うん。世界で1番可愛い。
スマホで自撮りをし、SNSに上げる。
「かわいい」
「最高」
「前よりずっと可愛くなってる」
コメントが並ぶたび私の胸は甘く満たされていった。
だけど現実の人間は違う。
学校に行けば友達は笑顔を作りながら視線を逸らす。
廊下で後ろから聞こえる小声が耳に刺さった。
「もう顔動いてなくない … ?」
「なんか人形みたいで怖い ….」
私は笑顔を作ったつもりだった。
でも頬が引きつり、唇は避けそうなほど吊り上がった。
笑うほど周囲が怯える。
夜、鏡を覗き込む。
そこには目を開いたまま瞬きもしない何かが映っていた。
でも私は思う。
__やっぱり可愛い
__もっと可愛くなれる
次の手術。
次の手術。
次の手術。
切って、縫って、削って、入れて。
何度も繰り返すうちに皮膚は突っ張って動かなくなり、目は閉じなくなった。
血走った眼球がこちらを睨んでいるように見える。
ある日、街で小さな子供が泣き始めた。
「ままあのひとこわい!」
母親が慌てて子供を抱きしめて遠ざかっていく。
私は首をかしげて笑った。
裂けた口から血がじわりと滲む。
桃 : 何で泣くの?こんなに可愛いのに。
帰宅して鏡を見つめる。
そこに映っている自分はもう、頬も唇も感触がない。
でも笑っている。
ずっと。
ずっと。
ずっと笑っている。
私は鏡に顔を押し付けてうっとりと囁いた。
桃 : ねぇ。
桃 : もっと。もっと可愛くならなきゃね。
鏡の向こうの自分が同じ笑顔で頷いた気がした。
𝑒𝑛𝑑 .
駄作ですね