ワンクッション
完全創作です。
この小説は織田作が「いい人になれ」と伝えなかった世界線(?)です。
口調迷子、誤字脱字、キャラ崩壊。
それでも大丈夫な方はどうぞ!!
夜、月光がビルの縦並ぶ街を照らす時間。今作の主役の2人が、barLupinで硝子の洋盃をカランと鳴らし、言葉を交わしていた。
✣✣✣✣
「やァ織田作。来ていたのだね。」
真っ黒な外套と焦茶色の癖の着いた髪の毛。その色達とは真逆で、目立つように巻かれた白い包帯を身につけた青年が階段を降りながら織田作。と呼ばれる人に話しかける。
「今日は遅かったな。」
織田作は自分の目の前に置いてある洋盃を見つめながら言う。声だけで友人とわかるのだろうか。barのマスターは青年が来た為か麦溜の準備を始めた。透明な洋盃に丸い氷と橙色の麦溜を注ぎ、織田作の右にコトンと優しく置く。青年は御礼をいい、真っ黒な外套を脱いで少し高い椅子に腰をかける。そこから2人は2人にしか分からないような、仕事での話、趣味の話、少し物騒な話、少し哀しい話、等沢山の話をする。何時の間にかbarの閉店時間になっていて、マスターは2人の話に割って入ることも無く入口の扉に掛かっている小さい看板をcloseにして、裏へと戻って行った。それでもまだ2人は話が尽きないのか話し続けている。ふと、青年の携帯から着信音が鳴る。もう閉店時間も過ぎていて、2人以外誰もいないためその場で電話に出る。暫くして通話が終わったのか、青年は織田作の方を向く。
「仕事が入ってしまったよ。」
もっと話したかったのだけどね。
と哀しそうな顔で青年が言う。すると織田作は、そうか。とだけ返事をした。周りからは冷たくて酷い。だなんて言葉を貰う程短い言葉だろう。だけど青年には其の返答が良いのか、少し微笑み残っていた少量の麦溜を飲み干す。お金を机の上に置き、外套を持ち階段へ向かう。青年が1段目に足を掛けた時に青年の後ろから、行ってらっしゃい。気をつけろ。と織田作の声がする。青年は、行ってきます。と笑い、その場を後にした。
✣✣✣✣
「行くな!!織田作っ!!」
✣✣✣✣
あれから約1ヶ月後、暫く姿を現していなかった青年がbarへやってくる。青年はいつも通り机の上に置かれた麦溜をチビチビと飲み始める。だが、いつもとひとつ違うのは織田作が居ないことだ。少し仕事が長引いているのだろうか。だが、1時間経っても来なかった。其の時、また青年の携帯の着信が鳴った。周りに客が居ないことを確認し、その場で電話にでる。暫く電話をし、携帯を閉じた。あぁ織田作。また仕事が入ってしまったよ。誰もいない椅子に向かって言う。青年は直ぐに身支度をして階段まで歩く。すると進めていた足を止めて1ヶ月前、織田作が座っていた椅子を見る。
「ねぇ織田作……お願いだよ。」
今にも泣きそうな、苦しそうな、…まるで子供のような顔を誰もいない椅子に向ける。すると、少し口をパクパクとさせて、口を開いた。
「──────────。」
コメント
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お久しぶり! めっちゃおもしろい予感!予感ってか絶対おもしろい! 楽しみ!