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今年で30歳、もう少しで彼女も居ないまま三十路を迎える、なんというまぁ”鬼畜”な世界なのだろう。
いっそ、異世界に行って勇者扱いされて…ムフフ、って今のはキモかったな‼…いや、元からキモイことに気付く。
「異世界に行って、イケメン勇者になりてええぇぇ‼」な~んて夢物語をする俺は今年で30歳ニートの”武佐本撫詫男(ぶさもとぶさお)”この名前と顔故に昔からいじめられてきた。『親は絶対に許さねぇ』とは言いつつも親孝行したい自分、だがそんな事は到底無理な話なのである。
「だって俺、ニートだし‼☆」
ぶさおの声が、一人しか居ないの子供部屋に響き渡る…なんとも寂しい。
”ギュルルゥゥ…”
とまぁ、一人で喋っていると小腹がすくもんだ。今はBBA(母親の呼び方だが良い子はマネしないでネ)も居ないし…はぁ、仕方ない自分でコンビニに行くか…
「ふぅ、久しぶりのシャバの空気は旨いな…やはり外の空気はいいねぇ」
(ただ部屋に出るのが怖くて3分くらい足ブルブルして外に出られなかったけどな)えっと、コンビニは確かこっちだったかな…横断歩道を渡る、これまた緊張感…まぁ久しぶりに外に出たもんだ、温かい目で見守ってくれ。と言ってる間にもうコンビニはすぐそこだ。
するとあるものが目に入った、それは子供だった、それもこんな夜中に。
「…ん?あれは…子供か?こんな夜中に子供一人で歩かせるとは、実にけしからん‼って、向こうからトラック…」
ボー…
「トラックだああぁぁぁ‼やばい…あのままだと子供が”タヒんでしまう”どうする…どうする……俺が、助ける…?そうだ、俺にはもう夢も希望もありゃしないが、あの子にはまだ夢や希望があるはずだ‼なら俺は…あの子を救う‼」
ぶたおは一人でそう言い、走り出した、いつも動いていないせいか、自分の走りが早く感じた。
「うおおおおおおおおおぉぉ‼間に合えぇっ‼」
キキィィ!バン‼
静寂な夜に、大きな物音が鳴り響く、”あぁ俺この子の事守れたんだ”…こんな俺が…ならこの人生にも悔いはない…、まぁ正直なところ、彼女くらいは欲しかったし…親孝行もしたかったけど…それはまぁ、来世に期待するか…体が熱くなってきた、と同時に、コンビニから出てきた店員が大声で叫んでいる、もう無駄だって、努力しても無駄…まるで俺だな、そう笑いながら、俺の意識は遠のいて行った。
-続く-