コメント
0件
【Attention】
・めっちゃ妄想です
・なんなら主が読みたいだけ
・なんでも許せる方向け
とある平原。晴れていて暖かく、午後の気持ちのいい光が降り注ぐ。パシリ帰りの太陽は、そこでのんびりとしていた。
「太陽ー」
荒川が来るまでは。
「うわびっくりした!いきなり何?」
座って空を眺めていた太陽の視界の上から、逆さ向けの荒川の顔がぬっと出てきたのには流石の太陽神も素で驚いた。
「この間のことなんすけど」
「この間?」
驚く太陽をよそに話し始める荒川。太陽の隣にストンと腰を下ろした。太陽は、いきなり話を振られて戸惑っている。なんのことさっぱりわかっていないようだ。
「ほら、アグハウスでざくろさんと追いかけっこしてたじゃないっすか」
「あーあれね?別に追いかけっこしてたわけじゃないからね?結局逃げられたけど」
やっとピンとくる太陽。荒川は数日前にアグハウスでおきた出来事を話しているようだった。
「あのとき、ざくろさんに『お前はお前だ』みたいなこと言ってましたけど、何か気づいてたんすか?」
「ん?あー、あいつはすぐどっか行くからな。あーやって監視してんだよ」
両手を上げ、そのまま後ろに倒れる。ふさっ、と草の音がした。
「…?」
今度は荒川が何のことかわからないという表情をする。
「監視っすか」
「そう、監視」
太陽は寝転んだまま答える。荒川は別に深く聞くつもりはないようだ。
そのまましばらく時間が過ぎる。暖かなそよ風が草を揺らしていた。周りにエネミーはおらず、その場所だけは平和そのものだった。
「…あの、たいよ…」
ふと何かに気づいたように荒川が太陽に声を掛ける。が、その言葉は最後まで発せられなかった。何故なら。
「zzz…」
「寝てるっすね…」
いつの間にか太陽が寝ていたからだ。鼻提灯を膨らませ、(こう言うと失礼だが)見ていて笑ってしまうような顔ですやすやと寝ている。
「…」
荒川は何を思ったのか、おもむろに太陽の頬に指を近づける。そして、ぷにっと指で軽く押した。
「zzz…」
「…」
太陽は起きない。両手を上げたバンザイのような格好で小さくいびきをかいている。荒川はそのまま太陽の頬をつまみ始めた。ちょっと楽しそうだ。
「意外と柔らかいっすねぇ…」
そんなことを言いながらぷにぷにしていると、いきなりパチンと音がして鼻提灯が割れた。
「わ」
「…何してんの」
額にシワを寄せる太陽。
「あー意外とぷにぷにしてたもので。嫌でしたか?」
荒川はいつもこうだ。悪意はないように見えるのだが、その分反省しているようにも見えない。いつもはそれが太陽の神経を少し逆撫でするのだが、今回は不思議なことにそうでもなかった。それを自分自身不思議に思いながらも言った。
「まあ別に良いけど」
荒川の目が少し開かれた。荒川は、太陽がいつもみたいに、もっとギャーッとなるかと思っていた。
「へー珍しいっすね」
驚いても口調を変えないのは流石といったところか。しかし荒川は、ぷにぷにで気持ちよかった太陽の頬を気に入った。これからも触れるかもと内心ワクワクしている。そんなことを微塵も感じさせない…いや、顔では分からないがオーラとして溢れ出ている、ある意味ポーカーフェイスな荒川のことは、太陽も十二分に解っている。
「もう触らせないからな」
「えーズルいっすよー」
「何がだよ!」
白い蝶が1羽、二人の側を舞っていた。