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「…ん゙ー、」
ふと目が覚める。むくりと身体を起こし寝ぼけ眼で辺りを見渡すと、見覚えのある部屋であることに気付いた。回らない頭で昨晩の記憶を辿っていると、コツンと何かが手に当たる。
「あ?………は、星導…?」
困惑する俺と対比し、隣ですやすやと寝息を立てているのは同期の星導。どうして彼が居るのだろう。というか何故添い寝…?そんな疑問もそこそこに、肌寒さを感じ身体をさすると、己が服を纏っていないことに気が付く。
ベッドの上、裸、隣には眠る彼。最悪な状況を想像するにはあまりに十分な条件だった。冷や汗と共に一気に意識が覚醒し、ゆっくりと昨日の記憶が戻ってくる。
「えーすごぉい…!こんなふわふわするのはじめて〜…」
「はいはい、気持ち悪くならなくて良かったな。いいからちゃんと歩け」
「んぇ、やだぁ…もうどっかとまろう…?」
東西ヒーロー飲み会後の帰り道、珍しく酔っている星導の介抱を押し付けられた俺は、そんな我儘野郎に振り回されていた。
「無理。ここら辺ホテルとか無い」
「えぇ〜?あるじゃんあそこぉ…」
そう言って星導が指を指したのはネオンに輝くラブホテル。阿呆、と一度頭を叩くと、わざとらしく上目遣いでうるんだ瞳を見せつけてくる。
「おねがーいこやなぎくん」
「あしつかれたんだってぇ(泣)」
遂にはめそめそと泣き出してしまった星導に大きな溜息をつき、仕方なく、嫌々、不可抗力でそのラブホテルへと重い足を運ぶ。受付を済ませ、指定の部屋番号のプレートを確認しドアを開けると、そこには白を基調とした室内がいっぱいに広がっていた。初めて来店した身としては、意外に清楚なものだな…なんて感想を持ってしまう。
未だ酔いが覚めない星導に水を飲ませ、風呂を済ませた後、各自のんびりと部屋でくつろぐ。広々としたダブルベッドへ寝転がり、フカフカ具合に少し感動したりだとか。ラブホテルと言えど少しお高い所のようで、部屋の設備はかなり充実していて居心地が良い。
…まぁ、一つ難点を挙げるとするのなら、場所が場所故にそういう声が壁越しに聞こえてきてしまう所だろう。男二人の空間でこれは中々にキツいと思いつつも、チェックインしてしまったものは仕方が無いと自分に言い聞かせる。
「おとなりさんはずいぶんとお盛んですね〜」
そんな俺の葛藤も他所に、ぶっ込んだ会話のボールを投げてくるのがこの男だ。返す言葉が見つからず、スマホを眺めるふりをして無言でしらを切っていると、視界の端でのそのそとベッドへ上がってくる姿が見えた。
「……ねー、おれたちもしてみる?」
「…は?何言って、」
急な発言に振り返れば、瞬きをする間にちゅ、と唇を奪われていた。思わず突き放し、わなわなと湯気が出そうな程に顔を熱くする俺に、星導は舌なめずりをして「もういっかい」と距離を詰めてくる。
「っおい、お前酔い過ぎだろ…!」
「んー?ふふ♡」
「ん、…っふ、♡ぁ…♡」
ギリギリの所で手を挟み唇を守るも、酔っている割には強い力ですぐに引き剥がされてしまう。深いキスを落とされ、抵抗しようにも身体中の力が抜けて上手くいかない。両手で頭を持ち上げられているせいで顔を背くことすら出来ず、星導にされるがまま、どんどん体内の酸素を奪われていく。酸欠で頭がクラクラしてきた所で、背丈とは不釣り合いなその薄い胸板をドンドンと強く叩いた。
「…っは、なにしてんだまじで、ッ」
やっとそこで唇が離れ、口内に残る甘い酒の味を誤魔化すようにして星導を睨む。が、特に効果は無く、不思議そうな顔で首を傾げたかと思えば、流れるように押し倒されてしまった。星導の表情が逆光で見えなくなり、その軽く長い髪が頬をかすめる。
「きすやだ?」
「嫌とかの前に…駄目だろ、こんなの…」
大切な同期だし、何より男同士だ。星導だってきっと、酔った勢いでおかしくなってるだけ。一線を越えてはいけない。そんな事をグルグル考えていると、面倒くさくなったのかズボンのベルトを外し、下着の上から俺の陰茎を触り始める星導。手でグリグリと刺激したり、触れるか触れないかの焦らすような触り方をされるせいで、身体はその快感に正直に答えてしまう。いつの間にか下着は大きくテントを張っていて、先端は先走りによって濃く染まっていた。
「やめ、っ…さわんな、!♡」
「でもきもちいでしょ。たってるもん」
ふふ、と小悪魔のように微笑む星導の顔を見ると、どうしてか胸がきゅっと締め付けられる。しばらくすると下着の中に手が入ってきて、上下に擦られるにつれ徐々に息が荒くなっていく。
「っふ、♡…ん♡ぁ゙…っ♡♡」
「いってもいいよ」
「ぅあ゙、♡♡やばいっ…♡あっいく、♡♡い゙…〜ッ♡♡」
激しくなる手の動きと耳元で囁かれた声に、情けなく腰を震わせ勢いよく射精する。
最悪だ。よりによって星導にこんな所を見られるなんて。感情がぐちゃぐちゃになって涙が溢れ落ち、次々にシーツへと落ちていく。
「ん、…かわい」
涙を拭うようにして目元へ軽くキスを落とされ、同時に服を脱がされる。引き返すなら今だと頭では分かっているはずなのに、抵抗もそこそこにして、少しその気になっている自分に気付いてしまった。
星導はそんな俺の様子に気付いたのか嬉しそうに目を細めた後、備え付きで置いてあるローションを取り出し、たっぷりとつけたその手で穴の周りを触り始める。
「っ…つめた、」
「我慢して。いっぱい解さないとなんだから」
しばらくすると、ぐちゅ、と音を立てて指が入ってくる感覚がした。慣れない感覚にシーツを握り締め、目を瞑りながら呼吸をする。
「痛くない?」
「ぅ…きもちわるいだけ…」
すぐに気持ちよくなるよ、と一言返し、少しずつ指を動かす星導。そのまま出し入れされていると、段々ゾワゾワとした快感が身体に広がっていくのを感じた。
「っ…♡ん…♡っふ、…♡」
「あは、声出てる(笑)」
こり、と指を曲げるようにして腹側を刺激され、一度身体がびくんと跳ねる。
「ん゙っ…?!♡や、♡それっやだ♡♡」
「あ゙っ♡♡いく♡でるっ、♡♡っん゙ん〜ッ♡♡」
続けて擦られて、あまりの快感に腰が勝手に動く。脚をかくかくと震わせながら、俺は二回目の絶頂を迎えた。射精後の疲労感にぐったりとしている俺を横目に、星導は穴にぴと、と大きくなったそれを当て、「いれてもいい?」とあざとく聞いてくる。
「はぁっ…♡すきにしろ…」
「じゃあ遠慮なく♡」
ぐぷぷ、と中をえぐられる感覚に、頭がチカチカした。幸い痛くはなかったが、内蔵が内から圧迫されてどんどん息が浅くなっていく。
「っひ♡ぅ゙…♡♡ふぅ゙っ…♡♡」
「ん…全部はいった…大丈夫?」
必死に肩で息をしていると、星導は俺が落ち着くように優しく頭を撫でてくれる。安心したのか次第に息は楽になり、その小さな気遣いが胸の高鳴りを更に助長した。
「ふ…もう、へいき…♡」
「…じゃあ動くから、」
そう言ってゆっくりと動き始める星導。ぱちゅ、ぱちゅ、と肌の擦れ合う音が行為を自覚させ、背徳感から快感の波が大きく押し寄せた。
「ん♡ん゙っ♡ぅ、♡♡はぁ゙っ♡」
「んふ♡ねぇ、俺たちせっくすしてるよ…きもちいね…?♡」
こっちは繋がっているだけで精一杯なのに、そんなことわざわざ声に出さないで欲しい。
揺れる度に吐息が漏れ、ベッドの軋む音と共に耳へ響く。正常位なため星導の顔がよく見え、その色っぽい表情に腹を疼かせてしまっている自分が嫌になった。
「ふっ゙♡♡あ゙っ♡きもちぃ、っ♡♡ん゙♡♡」
あれ、俺今何て言ったんだ。まぁどうでもいいか、と早々に思考を投げ出し、俺は襲い来る快感を受け入れていく。
「え〜素直すぎ…♡優しくできないかも、♡」
「っぅ゙あ、っ?!♡♡」
歪んだ笑みを浮かべたかと思えばごちゅんっ、と奥まで入ってきて、その急な刺激に身体を大きく仰け反らせて反応してしまう。
「奥すき?♡」
「っや゙め、!♡♡あ゙♡♡やだっ、や゙♡い゙く♡♡い゙っ…あ゙ぁぁ゙ッ♡♡」
そのまま奥をごんごんと突かれて、びゅるるっ、と勢いよく射精しても止まらない腰の動きに、ずっと甘イキしている。頭が真っ白になって、快楽のこと以外何も考えられない。
きもちい。もっと、もっとほしるべがほしい。
壊れてしまった思考回路に脳を焼かれ、視界がぼんやりと揺らぐ中、俺は意識を手放した。
「んー…ん、?あれ、もう起きてる…。おはようございます」
もぞ、と布団が動いたかと思えば星導が目を覚まし、小さく欠伸をしながらそう声を掛けられる。
「あ…お、はよ……」
こちらは丁度記憶を思い出したタイミングだ。まともに顔なんか見れるはずもなくて、未だ赤い顔を俯いて隠す。
「…」
「昨晩は可愛かったですね♡」
どうやら星導の方も記憶はしっかりと残っているらしく、布団の中から悪戯に見上げてくる。…さて、どうしたものか。自分が置かれている状況の深刻さを改めて感じ、背中に一筋冷や汗が垂れていくのを感じた。
「…酒の勢いってことにして、お互い忘れよう。それが一番良いだろ」
手を固く握り締めながら一息付き、俺は俯いたままの体勢で静かにそうこぼす。そうだ。きっとこれが最適な行動なはず。そう自分に言い聞かせるように思考を巡らせるも、それは星導の一言で遮られる。
「嫌だ」
「はぁ…?」
必死に頭を捻って出した考えを、まるで子供の我儘みたく突っぱねる声の方を見た。既に上半身を起こしていて、顔までもを不機嫌そうにしていたから余計に子供らしく目に映る。
「それに小柳くんも結構乗り気だったでしょ?」
「そっ…れは、お前に流されて、…」
否定しようと口を開くが、次の言葉に詰まったタイミングで優しく押し倒される。
「流されて、何?」
吸い込まれそうなその瞳にジッと見つめられて、何も言えなくなってしまった。ふいに顔が近付き、ちゅ、と軽いキスを落とされる。夜に何度も重ねた柔らかい唇の感触が伝わり、同時に胸がきゅっと痛む。
「…ほら。抵抗しない」
「っ…」
星導はそう言い、目を細めて嬉しそうに微笑む。全てがお見通しだ。きっと俺の本当の気持ちも、全部分かっている上で弄んでいるのだろう。
「小柳くん、付き合おうよ俺たち」
身体の相性も悪くないし、と余計な一言を添えてそう提案される。目を見開いて驚く俺の髪を手に取り、サラサラと弄りながらこちらの返事を待っているようだ。どう返せばいいのかすぐに結論が出なくて、口を噤んだまま時間だけが過ぎていく。
「…俺のこと嫌い?」
ふとそんな事を聞く星導。首を横に振って否定を示すと、強ばった表情が柔らかく緩んだ。
「ぁ…良かった…流石に強引すぎたし、昨日ので嫌われたかなって思って…」
そうやって心底安心したような顔でへらっと笑ってみせる星導を見て思う。ああ、やっぱり好きだ、と。今までずっと見て見ぬ振りを続けてきたこの気持ちは、気付けば自分じゃどうしようもない程大きくなっていて。その気持ちが目から溢れて、じわりとシーツへ滲んでいく。
「え、泣っ…泣かないで下さいよ〜…」
起き上がるとふわっと包み込まれて背中を優しくさすられる。肯定の気持ちを込めて力いっぱいに抱き締め返すと、耳元でいたい、と笑う声が聞こえた。
「じゃあ…これからよろしくお願いします、小柳くん」
「……ん」
優しいキスを交わして、その日は二人の特別な記念日になった。