お久しぶりです一ノ瀬。です。しばらく開いてませんでした…なんか単純に忙しかったのと飽きたっていうのがありますね…でも取り敢えずこの話だけは終わらすか〜っていうので頑張ってちょっとだけ書きました…笑 多分これの続きも結構時間かかると思います。人によっては気になる(?)ところで終わってるし、あんまり進展ないですけど許してくださいm(_ _)m
いいねコメントしてくれた方ありがとうございました!!
あと、この話の設定で青鬼は耳が悪いっていうことにしといてください!!それでは続きをどうぞ!!
タッタッタッ…
控えめに走る音が廊下に響く。頬を流れる雫は音もたてずに床に落ちた。もう後戻りは出来ない。再開出来るかもわからない。でも、彼を信じて三人は図書館を目指すのだった。
ガチャ…
類の予想通り、図書館にはもう青鬼はいなかった。三人は取り敢えず図書館の奥の方へ隠れた。何かの物音もしない。気休め程度だが、少し隠れるには問題ないだろう。ここが一旦安全だと分かると、えむが声を押し殺して泣き出した。
「うっ…うぅっ泣 つかさ…くんっ…」
お風呂場を出る時に泣くのを我慢していた分、えむの目からは涙がぼろぼろと溢れていた。いくら彼を信じるとしても、最悪のことを考えると涙が止まらないのだった。
「えむくん…」
「なんで…っあたし達がこんな目に…遭わなきゃいけなかったのっ…酷いよっ…泣」
いつまでも泣き続けるえむに、寧々は優しく諭した。
「えむ、大丈夫だよ。アイツはきっと生きて帰ってくるから。だって、あの司だよ?どんな化け物でもスターの力で倒してみせる!とか言ってそうじゃない?ふふ、想像したら馬鹿らしいけど。」
「……っ」
きっと寧々だってつらい。でも、いくら嘆いても司が今戻ってくることはないのだ。前向きに考えるようになった寧々に、類は微笑んだ。
「そうだね、寧々の言う通りさ、えむくん。あの司くんは約束を破るような人ではないと思うよ。だって、僕らのスターだからね。」
二人の言葉を聞いて少しの沈黙の後、えむは俯かせていた顔を上げた。そこには涙は流れていなかった。
「うん…っそうだね…!!あたし達がこんな顔してたら司くん怒っちゃうよね!!よぉし、絶対…絶対にみんなで生き残って、またショーを…するんだ…っ!!」
「ふふ、いつものえむだ。」
「そのためにもここから出る方法を考えようか。」
えむが落ち着いたため、三人はここから脱出する策を考え始めた。
「青鬼がいるから動くのは危ないんじゃない?」
「それはそうだろうね。でも、動かないと僕達はここに閉じ込められたままだ。それに、この鍵も形的にピアノ部屋の鍵だと思うから、そこにいけば何か手がかりが掴めるかもしれない。」
「でもピアノ部屋がどこかわからないんじゃない?」
「むむむ〜…地図があったらいいんだけど〜…ってあぁぁ!!」
「ちょっとえむ!しーっ!」
「あ、ごめんね…でも!あそこに地図があるよ!」
そう言ってえむが指さした壁には確かに地図が張り付いていた。
「あ、ほんとだ…」
「よく見つけたね、えむくん。」
「えへへ〜」
「あの地図を見たらどうやらピアノ部屋は二階らしいね…」
「二階って…まだあの化け物がいるじゃん…」
「そうだね…」
そのとき、廊下の階段の方からドスンッという足音が聞こえてきた。
「ひっ…」
「も、もしかして…あの化け物が下りてきたってこと…?」
「かもしれないね…」
類は険しい顔をして考え込んだ。
「このまま階段へ向かうと鉢合わせてしまう可能性が高い。だからと言ってここで待っていてもいずれ化け物はこちらへくるだろう。」
「ど、どうしよう…」
二人が悩んでいると、寧々は突然しーっと指を立てて廊下へ耳を傾けた。
「どうしたんだい?寧々」
「静かに…!……どうやら足音が遠ざかってるみたい。行き先は多分私たちがさっき居たところくらいの場所だと思う。」
「本当かい?なら、今がチャンスだ…みんな、急いで階段に…「……っ」…えむくん?」
「……あの化け物が向かってるのって…っ」
「司くんが…っ司くんがいるところでしょ…っ?」
「「……」」
少し沈黙が続いた。
「……でもっ」
最初に口を開いたのはえむだった。
「……だからこそ、早く助けにいけるように…!!あたし達は、行動しなきゃだよね!!」
二人は驚いて顔をあげた。えむは決意に満ちた表情をしていた。
「行こう…二人ともっ!」
類と寧々は顔を見合わせて頷いた。
「うんっ…当たり前でしょ」
「そうだね、行こうか」
三人は図書館を出て二階へ上がった。運のいいことに途中で化け物とは遭遇しなかった。
「ここかな…」
ピアノ部屋らしき部屋の前まで来たため、鍵を差し込むとドアがガチャリと開いた。三人は中の様子を観察した。
「ただピアノが真ん中にあるだけだね、この部屋……。特に変わったところはないかな…。」
「うん…クローゼットとピアノ以外しかない…。クローゼットに関してはドア空いてるけど中には何も無いし…。でも念の為ピアノも調べといた方がいいよね…。」
そういって寧々はピアノに近づいた。
「じゃあ開けてみるね…」
寧々がおそるおそるピアノの蓋を上げると…
「ひゃっ…!?」
「どうしたんだい!?寧々!?」
「寧々ちゃん大丈夫〜!?」
「ち…血が…っ」
ピアノの鍵盤にべっとりと血が付着していた。
「ひぇっ…」
「……っ」
「……これは、血が着いてからあまり時間が経ってなさそうだね。」
そう言って類は真剣にピアノを観察する。
「一体これは…誰の血なんだろ───」
類はそう言いかけて途中で言うのをやめた。二人が今にも泣きそうな表情をしていたからだ。
「…すまないね…っでも…大丈夫さ。これは司くんのものではないと思うよ。」
「本当に…?」
「あぁ、僕が言ってるんだからそうさ。」
取り敢えず落ち着かせるために、類は何の根拠もないことを口にした。
「う…っあたし……ダメだなっ」
突然、えむが呟いた。
「司くんのこと信じるって決意したのに…っいざ想像しちゃうと何も出来ないや…っ」
「えむ…」
「ごめん!あたしのせいで雰囲気悪くなっちゃったよね!探索の続きをしよう!」
取り繕った笑顔に二人は何も声をかける事が出来なかった。
「えーっと…何すればいいんだろう」
えむは恐る恐る血の着いたピアノの鍵盤を覗く。
「この血…なんか変じゃない?なんていうか……何かを血で隠したみたいな…」
寧々は眉間に皺を寄せながら顎に手を当てた。
「ふむ…だとすれば、この血の下に何か書かれてありそうだね。」
「何か、拭き取るものがあると良いんだけれど」
「う〜…今日はハンカチもってないや…」
「私も…」
「だよねぇ…」
予想はしていたが、やはり少しは期待していた類は残念そうに息を吐いた。
「この部屋にあったりしないかな〜…?」
「見た感じない…と思う。でも服は絶対使いたくないし…」
「そうだね…仲間の血ならまだしも、誰の血かも分からないから気味が悪いよ。」
「うーん…じゃあ他の部屋に行ってハンカチを探してみる…?」
「危ないけど、そうするしかないね…。それに化け物が2階にいない今がチャンスだよ。」
そうして三人は他の部屋を探索してみることにした。
ガチャ…
類がドアからそっと顔を出して周りを確かめた。すると、案外廊下が狭いということに気がついた。一度類は部屋の中に戻った。
「どうしたの?類。もしかして…化け物いた…?」
「いや、そういうわけではないよ。ただ、さっき急いできたから見ていなかったけど、廊下が狭いということに気づいてね。三人で行動すると上手く逃げれないかもしれない。」
「えっ…てことは誰かが単独行動するってこと…っ!?」
「そ、そうなの…?類くんっ」
「……あまり、したくないとは思っていたけど…」
「……っ!!」
二人は顔をくしゃりと歪ませた。
そんな二人に類は落ち着いて言った。
「大丈夫さ。二人はこの部屋で待ってくれたらいい。クローゼットに隠れておいてもらうから歩き回るよりかはかなり安全だと思うよ。」
「で、でも類が…っ!!」
「僕が行かなくて誰が行くんだい?これで二人に行かせたら僕は後で司くんに怒られてしまうよ。」
「でも…っ類くんに死んでほしくないよっ…!」
「僕だって同じ気持ちさ。それにここで全滅するよりかはマシだろう?」
「そんなの……っ泣」
「…いや…だっ…いかないでよ…っ類」
寧々は涙を流しながら類の胸元に顔をうずめた。そんな寧々の背中を優しく撫でながら、類は諭した。
「死なないよ。死んでたまるか。僕はまだやりたい演出がたくさんあるからねぇ。それに、司くんとの約束も破ってしまうことにもなる。僕が約束を破ったことはあるかい?」
「………ある」
「……」
「そこはないって言って欲しかったんだけれど。」
「……………………ない。」
「だろう?だから、僕のことを信じてくれないかい?」
「言いたかっただけでしょ…(ボソッ)」
「寧々。そこはつっこまないでほしいかな。」
「あはは!二人とも芸人さんみたいだね!」
「違う!」
「せっかく感動のシーンだったのに…台無しだよ…よよよ…」
「……私のセリフ。類のせいで涙引っ込んだんだけど…」
「ふふ、それはよかった。───それじゃあ本題に入るね。」
「……うん」
「僕が行ってくるから、二人でこの部屋にいて欲しいんだ。」
「………類」
「寧々ちゃん!ここは類くんに任せよ!あたしだって類くんに危険な目にあってほしくないの。でも、類くんなら絶対戻ってきてくれるって信じてるから!!」
そう言ってにっこりと笑った。
「そうだよ、必ず戻ってくる。もちろん、司くんもね。」
しばらくして、寧々は俯かせていた顔をあげた。
「……うん、わか…った。類、絶対嘘つかないでよね…っ」
「僕はそんな嘘つくやつに思われてたのかい?酷いよ…よよよ…」
「…さっきからよよよよよよってうるさい」
「おや、すまないね。」
「よかったぁ〜…いつもの寧々ちゃんだ!!」
「なにそれ…」
「早くしないと化け物が上がってきてしまうかもしれないから、そろそろいくとしようかな。」
少しして、類が言った。
「分かった…ほんと、気をつけてね…」
「あぁ、寧々とえむくんも部屋から出てはダメだよ?」
「うん!分かってるよ!」
「それじゃあ、何か拭き取れるものを探しに行ってくるね。また後で会おう。」
「うん……絶対」
「気をつけてね!!」
類side
そっと慎重に廊下を覗いた。どうやら化け物はまだ1階みたいだ。
(……1階…司くんは無事かな…)
隠してはいたが、さっきから司のことが心配で仕方なかった。
あの怪我だ。もし見つかれば命はないだろう。
(……今は自分に託されたことをやり遂げるしかないね。)
僕は考えることをやめて、一歩ずつ慎重に進んでいった。
先程のピアノ部屋から少し離れたところにドアが見えた。何の部屋だろうか。
ガチャリ…
どうやら、鍵はついていないみたいだ。僕は中を確認した。
(ここは…寝室かな?)
そこにはベッドが並べられていた。それ以外は特に何も無かった。
(この館はあまりにも手がかりがなさすぎて困るね…取り敢えずベッドの中を確認してみようか…。)
少し膨らみのあったベッドを調べようと、僕は布団をめくった。
ペラ…
「───ッ!?」
そこには、血まみれで上半身がない死体があった。それはあまりにも血なまぐさくて、無惨で…僕は布団を掛け直した。
今の瞬間だけで冷や汗が止まらない。ほぼ全身がぐちゃぐちゃ過ぎて、誰かは判別することが出来なかった。だからこそ、とある可能性が捨て切れないのだ。
(司くん…っ君は本当に……無事なんだろうね)
考えたくもないことだ。彼が…生きているか、殺されたか…なんて。もちろん、彼が約束を破ることなんてないだろうけど…。それでも…僕は、心配で、不安で…仕方がないよ。
僕はこの部屋を見ることはやめて、違う部屋を調べることにした。死体を調べるなんてこと、今の僕には到底出来なかった。
(ここは…何だろう…。まるで、牢屋みたいだな)
寝室から大分離れていたこの部屋は、どうやら牢屋のようだった。
(牢屋の中に何かある。箱のようだけど…)
「中に入ると何か嫌な予感がするんだよねぇ…。」
思わず溜息といっしょに言葉まで出てきた。
それでも入らないことには何も始まらない。僕は一度大きな深呼吸をして牢屋へと足を踏み入れた。
中に入っただけでは何も起こらなかった。僕は警戒しながらも一先ず何もなかったことに安堵した。
そこで、少し油断してしまったのかもしれない。
僕は何の躊躇いもなく箱を開けてしまった。箱を開けた瞬間、ガシャンッ!!と大きな音を立てて、牢屋のドアが閉じた。
(───しまったッ!!)
僕は慌ててドアへ近づいて開けようとする。が、当然開くはずはなく。いくら力ずくで開けようとしてもガチャガチャと音が鳴るだけでドアが開くことはなかった。
(どうしよう…困ったな。)
案外自分は冷静だった。今の音で青鬼が駆けつけてこなかったこともあり、そうしていられるのだろう。だがこの後もずっとここに化け物が来ないとは言い切れない。
(僕としては早めにここを出たいのだけれど…)
周りには箱しかなく、現状はドアを開ける術がなかった。そのため取り敢えず箱の中身を確認することにした。
(これは…)
箱の中身は何かの装置だった。その装置の隣には紙が置かれている。
(青鬼捕獲装置(一体専用)……?)
青鬼とはきっとあの化け物のことだろうが、あんな速く動く化け物をこんな小さい装置でどう捕獲するというのだろう。
機械をいじっている僕だからこそ疑問に思う点だった。でも使えそうなことには変わりない。
(問題はこれを持っていくかどうかだけれど…)
これを持って走るなんてことどうやっても無理だ。だからと言って置いていく訳には…
(物は試し…というやつだ。持ってみたら案外軽いかもね)
結局持っていくことにした僕は取り敢えず持ち上げてみることにした。
「よい…しっ……ん?」
箱は重い軽いの問題ではなく、びくともしなかった。
「これは困ったねぇ〜…」
持ち運べない、となるとよりこの機械の使い方が分からなくなった。一体どのようにして使うのだろうか。
「取り敢えずこの機械はまたあとで考えるとしよう。今はどうやってここから出るか、だよね。」
僕は牢屋の中を隅々まで観察した。やはり、この牢屋の中には特に何も無いようだ。ただ一つ、この機械のボタンを除いて。
「青鬼捕獲装置と書いてあるから、何かしら危険なことが起こりそうだよねぇ…見るからに怪しいし…一体どうしたらいいんだろう。」
いくら天才演出家と呼ばれていても、機械を見てこの後何が起こるかなんて分からない。
「押してみるしか、ないのかな……」
もしボタンを押すのなら、ある程度命の覚悟はしておかないといけない気がする。
「でも、僕は決して諦めていないさ。ここで死ぬ訳には…いかない。」
そう自分に言い聞かせて、僕はボタンを押した。
ガチャリ、とドアが開いた。
「……えっ」
これは罠なのか?と思うほど簡単に、ボタンを押しただけでドアが開いたのだ。
「こ…れだけ?」
驚いて開いた口が塞がらない。でも今出ないとまた閉じてしまうかもしれない。僕は急いでドアを出た。
「……?」
が、僕はなんとなく嫌な予感がして耳を澄ます。何かの足音がこちらに近づいてきているような…そんな音。
冷や汗が流れた。足音は段々と大きくなっていく。でも、僕は動くことは出来なかった。
この部屋のドアが開いた。
そこから入ってきたのは。
───青い化け物だった。
「……っ!!!」
もう、逃げられないな。僕は最期だと悟って、目を瞑る。
でも、聞こえてきたのは僕を喰いちぎる音ではなくて、牢屋のドアがガシャンッと閉まる音だった。
「……えっ」
あまりの予想外な展開に僕は目を開け、ぽかんと口を開けたまま牢屋を見つめた。
───まさか青い化け物がこちらを見ることも無く、牢屋に入り、そのまま閉じ込められるなんて誰が想像しただろう。
中では青い化け物が檻を揺らしたり、噛み付いたりしている。
(ふむ、青鬼にしか聞こえない超音波を出してここにおびきよせ、青鬼が牢屋に入った瞬間ドアが閉まるという仕組みかな…。)
「これは、ぜひとも次の演出で…なんて言ってる場合ではなさそうだね…。」
僕が眺めている間にも青鬼が馬鹿力で檻を揺らしているせいで、檻にヒビが入ってきていた。流石にもう僕のことは見逃してくれ無さそうだ。きっとこの装置も一時的なものなのだろう。
僕はこの部屋から出ようとして最後にもう一度青鬼を振り返った。口の中にはどす黒い色の液体が流れており、牙はナイフのように鋭い。ギョロリとした目は誰にでもトラウマを植え付けるレベルだろう。だが、そこで感じた違和感。
(なにか……違う。)
そう、先程司くんを襲った化け物と、どこか違うのだ。姿が変わった?いや、そんなことはないだろう。だが、さっきまでは確かに一体の足音しかしていなかった。これじゃまるで…
「青鬼が、増えたみたいじゃないか…」
僕がぽつりと呟いた瞬間だった。
───いやあ”ぁぁぁああ!!!
突然、甲高い悲鳴が僕の耳を貫いた。
この声は…
「…っ!!まさか……っ」
僕はドアを勢いよく開けて飛び出した。
ガチャッ!!
「はぁっはぁっ…!!寧々ッ!!」
僕はピアノ部屋のドアを思い切り開けた。
そこには……
ちょっとどういうふうにするか迷ったのでここで一旦きらせていただきます。ここまで読んでくださってありがとうございました〜!変なとこで終わるなって思うかもしれないですけどすみません…また気分が上がったら書きます…多分続き出るの50年後くらいだと思います()ちょっと今忙しいんですよね…
はい、以上一ノ瀬。でした
コメント
8件
まだかなぁ?\(❁´∀`❁)ノ𖤐´-
続き楽しみ(((o(*゚▽゚*)o)))
続きが楽しみです、!