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〈翠side〉
_『お星様にはね、願い事を叶えてくれる力があるんだよ。』
小さい頃、「お兄ちゃん」が教えてくれたたった一つの、「ひみつ」。
流れ星だけじゃなくて、お星様全てにあるんだって、笑って教えてくれた。
「じゃあ俺は、お兄ちゃんとずっと一緒にいれるように願い事する!!」
そう子供ながらに威勢よくいうと、お兄ちゃんはちょっと驚いて、すぐに笑顔になって、
「そっか、そっか」
と言ってはにかんだ。その後、急に
「俺も、す.ち.とずっと一緒にいたいなぁ」
と夜空に向かっていっていた。
_そんな貴方は、もう俺のそばにいない。
“あの日”、あの時の願い事が叶わなかったから、そんな事信じなくなりかけてるけど。本当に星に願って叶うなら。
「もう一度だけ、会いたいな。」
_俺の、たった一人の”お兄ちゃん”。
〈黈side〉
_『お星様にはね、願いを叶える力があるんだよ』
小さい頃に亡くなった母が、教えてくれた事。そして俺が昔、隣の家の小さな男の子に教えてあげた事。
その子は俺を、「お兄ちゃん」と呼んで慕ってくれた。緑色に少し黒の毛束の入ったサラサラで綺麗な髪の毛と、蘇芳色の宝石のような目をした男の子。
もし、今仮に俺が願い事をするんだったら、迷わず願うよ。
「す.ち.くんとまた会えますように。」
_そう、願った。
〈翠side〉
そのお兄ちゃんは、普通のお星様でも願いは叶うけれど、流れ星はもっともっと叶う確率が上がるんだと言っていた。
「そんなわけ、ないと思うけど」
空を見上げると、北斗七星が見えた。
「お兄ちゃんに、会えますように」
なんて、子供みたいかな、w
〈No side〉
これは、そんな願い事が起こした奇跡のお話。
「お兄ちゃん…?」
「す.ち.…?」
「ナナホシ。」 開幕