テラーノベル
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「きみはさ、物好きだよね」
吐き捨てるように、僕はそう言った。ある何でもない日の、夕刻の屋上で、どうでもいい様な夕日に染まるきみに向けて。
そんな僕に、心底不思議そうな顔で訊いてきた。
「なんで?」
「だってきみは人気者じゃん。クラスのみんなに好かれて、他クラスからの支持もある。僕と正反対じゃんか、なんで僕なんかに構うの?」
女々しいことを訊くけれど、気になることは全部訊くべきだと僕に教えたのは、紛れもない彼女だった。
クラスに馴染めない浮いた存在の僕、モブキャラと、クラスに馴染みに馴染んだ人気者のきみ、いわば主人公が、どうしてここまで構ってくるのか。不思議でしょうがなかった。
「なんでって言われても…」
最初になんでと返されたのは僕だ、僕にもその台詞を言う権利はあった。
「楽しいからだよ、瀬川と居るのが」
たぶん、この時。彼女を殺すべきだったのは。屋上なんだから、フェンスを超えた先へ突き飛ばして、僕はそのまま置いて帰ればよかったんだ。
「…へえ。」
「訊いておいてその反応って、ほんと人付き合い苦手なんだね 」
「笑わないでよ気にしてるんだから」
きみとの日々は楽しかったけど、それとこれとは別だ。
「あっはは、ごめんごめん」
今殺しても、どうにもならないから。
これだけは言わせて欲しい。
たぶん僕は、バカだった。
とっとと殺せばよかった。
それが出来なかったのは。
たぶんきみが好きだったから。
コメント
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第1話、一気に引き込まれました。冒頭の「物好きだよね」という言葉、そして夕焼けに染まる屋上の空気感が鮮やかで、瀬川くんの孤独と彼女への複雑な想いがひしひしと伝わってきました。「♡♡♡べきだった」という一文にはぞくりとさせられながら、最後の「好きだったから」で切なくて…。彼女の何気ない優しさが、かえって彼の闇を深めているようで、続きが気になります。短いながらも密度の濃い導入、素敵でした🌷
菊池川詠人
1,922
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𝒩𝑜𝒶 𑁍𓏸𓈒
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