文字の間違いや、皆さんを嫌な思いをさせるようなことが書いていましたら、すみません。
おまけがついているので、是非見てください。
一応、長いです。何話かにわけていますので、見つけられない人は私のプロフィールを開いてください。
注意 ヒロアカカップル
1 上耳
『今日、私の家来れる?』
まただ。最近、よく高校の時仲の良かった耳郎からたまに、『家に来れる?』などのメールが来る。まぁ、もちろん行くけど、ここ最近はこれが本当に多い。
『少し夕飯作りすぎちゃって……。』
そして、これだ。いつものパターン。夕飯食べちゃったんだけどなぁ……。でも、耳郎からの誘いだしっていつもいっちゃう。でも、耳郎が夕飯を多く作りすぎてしまうのには理由がある。
上はパジャマなんだけど…ま、いっか。耳郎のいえは俺の家からそこまで遠くない。だからといって、近いわけでもない。もうここの通りを通るのはもう何回目だろうか……。ん?あれは、耳郎じゃねぇか?……迎えに来るとは今日は少し酷いみたいだな。
「よっ!来たよ!」
「来たよって……遅い…」
「悪いって!」
「ん」
耳郎の家は高校時代とは変わらずロックな部屋だ。!?ちょっ……なんだこの匂い?
「なぁ……耳郎…………この匂いなんだ?」
「ん?あぁ、それは……こがしちゃって……」
耳郎がこっそりキッチンの方を指差す。そこには、丸焦げになった餃子たちが。おいおいまさか、これが食べろと言うのか?
「上鳴は、あれ食べないよ。」
「えっ?」
「こっち」
そこには山盛りになった餃子たちが。
こんな量食べられるか?……食べる‥しかないよな……。それから、席に座って箸をもらったから、食べ始めた。うん。やっぱり美味しい。でも、こんなに作るには理由があるんだ。実は耳郎は、以外と抱え込んでしまうことが所があって、唯一俺にだけ相談できる……とか、らしくてあのメールは耳郎が俺に悩みごとを聞いてほしいという意味らしい。だから、俺は二度目の夕飯を食べながら耳郎の悩みごとを聞く。
「んで?今日はどうした?今日はいつもより、多めに作ってるけど………………?ん?おい?」
「えっ?あ…………ごめん‥ボーッとしちゃって‥」
「いや、いいけど……大丈夫か?今日はどうした?」
「いや、実は……私さ…告白されちゃって」
「えっ?」
動揺した。まさか、耳郎が告白されるなんて予想もしていなかった。いつもは楽器の調子が悪い、とか、仕事先でのトラブルに巻き込まれた…とかなのに、恋愛……かぁ、はじめてだ。
「で?どう答えたの?」
「いや、断った。」
「ふーん……」
この、『ふーん……』は、興味がないからじゃない。安心したんだ。耳郎がそいつと付き合わなくて……いや、うん。そゆこと。
「でも、今思えば付き合おうかな……って」
「は?」
「いや、もう私たちも高校から十年たって、ヤオモモも、轟と結婚したし……。私もそろそろかなって……」
「そ、そっか……」
「だから、明日言うつもり」
「でも、耳郎は本当にそいつでいいのか?」
「うん……」
「そっか……」
それから、沈黙が続く。
やっぱり、耳郎は俺のこと……いや、そんなことは考えるな元々わかっていた。耳郎は俺なんかには興味ないって……。でも、今食べている耳郎の美味しいご飯も食べる気力が無くなってきた。いつの間にか手が動いていなかった……なんでよ……やっぱり…俺じゃダメなのかな…俺が一番耳郎のことを大事にしてるって思ってた。でも、やっぱり耳郎にも好きな人がいるんだ。
ポタッ
「え?ちょっ……上鳴?どうした?…おーい。ねぇ?おーい。なんで泣いてるの?ねぇ、起きてる?」
なんでだろう……どうしてなんだろう……我慢してきた思いが……なんか…苦しい。
ぇ…ぉ~ぃ……
ん?なにか聞こえる……耳郎の声だ。
ポタッ
は?なんだこの音……もしかしておれ泣いてる?うそだ……耳郎の前で…。
「………っ…ウグッ……ごめん……」
「ねぇ、大丈夫?なんかすごい泣いてるけど……そんなに不味かった?」
「ううん……色々と、考えちゃって…………」
「ねぇ、大丈夫?あんたも悩みがあるなら…相談にのるけど?」
「いや、いいよ。ごめん。今日もう帰るね。おいしかった。また、何かあったら…その‥‥まぁ、そのときはその彼氏さんかも知れないけど、連絡して……」
「え……ちょ、まって!」
耳郎が俺の袖をものすごい力でつかんでいるのがわかる。でも、今……俺の心はそれどころじゃないんだ。我慢してきた思いを今、必死に耐えて……我慢してるんだ。お願いだ。帰らせてくれ……少しでいいから……。
「ねぇ!!上……鳴‥!まって!まだ話が!ねぇって!」
「ごめん。少し……辛くて……帰る……から‥」
「だから、その悩みごとを私がいつも上鳴のお返しで!相談するから!お願い!まだ、帰らないで!」
「……ごめん‥耳郎にはわからないよ……」
「ごめん!だから……ねぇ!どうしちゃったの!?私の知ってる上鳴じゃないよ!ねぇ!どうしちゃったの!?戻ってきて!」
「……」
なんで……なんでだろう……俺だってここにいてぇよ……でも、なんか体がここから逃げようとしてる‥今、耳郎はどんな顔してる?どんな感情を持ってる?なぁ、さっきの言葉はうそだよな?嘘っていってくれ……お願いだ……じゃなきゃ俺おかしくなっちまうよ……。
「ごめん……あの話が頭から抜けなくて…また来るから…今日は帰らせてくれ…お願いだ。楽にしてくれないか?」
「……っ……どうしたの……ホントに…それだけでも…教えてよ…」
「……」
「ねぇ!どうしちゃったの?お願い……だから……ウグッ」
「!?」
耳郎を泣かせてしまった。
ズキッ
っ!?痛い…痛い…好きな人を泣かせてしまった。でも……少し、一人で考えたい。
「ごめん……。少し…自分を責めてくる…からそれだけ。」
「……そしたら、そけいに辛くなるよ?」
「いいよ……ごめん‥帰る。」
スッ
耳郎……ごめん‥俺…心が‥ここにいるともたなそうで…。
「また…来るから…」
それから、俺は耳郎の家を出ていった…。
どうしてなんだろう……上鳴が‥どうしよう‥なんだろう……大丈夫かな……辛い?どうして?…………まさか‥私のせい?告白された……こと‥じゃ、ないよね?だったら‥あれは私は‥うそをついただけなのに……。
三時間前
「あの……耳郎さんおれ、耳郎さんのことが好きです!だから……その、付き合ってください!」
「えっ……うそ、あ、ご、ごめん。」
「なんでですか?」
「うち、好きな人いて……」
「どんな人ですか?」
「え……チャラいけど‥少し抱え込んじゃうところもあって‥以外と優しくて‥‥カッコいい人かな‥」
「そうですか、おれ、応援します!」
「うん。ありがと」
それから、私は咄嗟にバカなことを考え始めた。上鳴に『今日は告白されちゃって‥』って言って、嫉妬してもらおっかなぁー。
って本当にバカだ。おかげで傷つけちゃった。今ならまだ、間に合うよね?ガチャ!
辛い‥どうしよう‥あれは、うそだよな?耐えろ俺!耐え……ろ……うっ…心がつぶれそうだ……我慢だ我慢……。
トントン!
ビクッ!!!!!!
「へ…………」
「ハァッ‥ハァッ……ねぇ、一つ言いたいことが……ある。」
「……おぅ」
お願いだ……離れてくれ……こうやって返事するのも……苦しんだ。
「あの話はうそだよ!」
「え…………」
ほんとか?ほんとなのか?夢じゃねぇよな?
「……ホントに…?」
「うん!」
耳郎は、大きく首を縦にふった。
「うそ…」
「うそじゃない……私、あんたに嫉妬してほしくて……告白されたのはほんとだけど、ふったし、付き合うつもりはない!なんだったら、上鳴と一緒に、デートしたいし!ほら!一緒に寝たいし!とにかく!あれは、私がバカで…考えたでたらめ!ほんっとうに!ごめん!」
「へ……」
「こんなこと言われて、傷付くのはわかってる!私のこと嫌いになったよね!?ね?だから、あれはうそだよ……」
ギュッ!
「え?」
あたたかい……なんで、こんなにあたたかいんだろう。走ったからか……
「ちょっ!上……鳴?」
「よかった!ほんっとに!よかった!おれ、お前のことが好きで告白しようとしても、できなくて、耐えて……だからっ!嬉しい!」
「えっ!でも、嫌いに……」
「そんなことねぇ!だいっすきだぁ!」
「……////うん……知ってる……だから、ごめん……」
「ウグッ!よかった!」
サスサス
あぁ、耳郎の、手があたたかい……
いがいだった……喜んでくれた…やっぱり私、上鳴が一番好き!
一年後
「なぁ、貝殻見せて!」
「うん!」
この日は130回目のデートだ。海にきている。
二人で貝殻を拾ってみせあうんだ。
「ほら、これうちの!」
きれいな貝殻だ…
「おれは…これだ」
「ん?箱じゃん…ねぇ、まさか…ゴミ…じゃ、ないよね?」
「開けてみて!」
「う、うん。」
「えっ…」
その中には結婚指輪が入っていたのだ。
「俺と結婚してください!」
「…うそ……私で……いいの?」
「うん!」
コメント
5件
めっちゃ面白かった!
上耳やっぱ好きだわ!主様天才
え?ってなったけど、とっても面白かったです!