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え! まさかの再会
舞が高校2年の時に別れてから、
亮と会うことは一度もなかった。
舞は、大学へ進み、4年間の大学生活を終え、
就職活動で、女性の大卒なので、すでに22歳になっていたことから、
「どうせすぐに結婚するんでしょう?」という差別的な見解で、なかなか採用されなかった。
そして、言ってしまった言葉
「辞めません!結婚しません!」
なので、結婚は諦めてしまったのだ。
そして、就職した食品製造会社の本社で、
一般事務をすることになった。
大学では理系の研究をしていたので、
本当は、父のように研究をしながら、商品開発がしたかったのだ。
しかし、研究の空きはなく、一般事務での採用。
理解力があり、早く仕事を覚えるので、事務も簡単にこなし、あっという間にベテランの域へ。
そして、2年経った頃、亮と、まさかの再会!
「新しく来られた藤堂課長です」と、
紹介された時、耳をうたがった。
本人を見て、なぜか、鳥肌が立った。
驚き過ぎたのだろう。
「嘘でしょう!」
亮は、笑顔で挨拶してくる。
「どうして? 偶然だね、驚いたよ」
『本当なの?わざと?』
最初は、疑った。
しばらくして「新田さん!」と、亮に呼び止められ、
もうすぐ終業時刻なのに、夕方から仕事を渡された。
無言の残業指令だ。
他の人なら、途中で終わらせて帰るだろう。
舞は、途中で辞めるのを嫌がる。
『きっと終わるまでやるだろう』という亮の計算だ。
思う壺…
残って仕事をこなし、亮もその間、自分の仕事をこなしている。
皆んなは、すでに帰っているから、
「お疲れ〜舞!ご飯行こう!」
最初は、断っていたが、それも面倒だから、
「良いですよ」と一緒に行くことに……
再会したことも偶然なのか?聞いて見たかったし……
「何食べたい?」
亮の車に乗せてもらった。
「何でもいいんですか?」
「いいよ〜いっぱい仕事してもらったから……」
「じゃあ、焼肉」
「おーいいね〜」
久しぶりにガッツリ食べたような気がした
「あ〜美味しかった〜」
「それは良かった」
「ご馳走さまでした」
「おー!」
車に乗って…
「あの〜1つ聞きたいことが……」
「何?」
「本当に偶然?」
「そうだよ。俺もすごく驚いて、広報を見て舞を確認したんだもの」
「そうなんだ」
「まあ、それから2年頑張って、昇進して、ここには、狙って来たけどね」
「どうして?」
「舞に会いたかったから……」
そう言って、キスをした
「……」
「何?黙り込んじゃって……」
「あ、ううん」
「舞、付き合ってる人居ないの?」
「居ないよ」
「そっか、じゃあ又俺と付き合ってよ」
「私、結婚出来ないし……」
「どうして?」
「就職する時、どの会社でも、すぐに結婚して
辞めるんだろうって落とされて……
この会社だけは、拾ってくれたから……
『結婚しない!辞めない!』って言って、
採用してもらったから……もう結婚になんて興味もないし……」
「そっかあーじゃあ、ちょうど良い、
俺も結婚に興味ないし……
じゃあ、恋人でもなく、都合のいい関係でもいいか?」
『舞に合わせて、つい嘘を……それでも一緒に居たい』
「え?それって……カラダだけ?」
「そうだなぁ〜面倒くさいのはイヤだし……」
『ホントは、恋人は欲しかった。でも、亮と会えるならいいか……』
『でも、好きになっちゃダメ恋人じゃないから……』
こうして、お互い自分の気持ちに嘘をついて、
舞は、カラダだけの関係だと思いながら、
ヘンテコな関係が始まった。
亮の内心
しかし、内心では……
『そろそろ舞とデートしたいなぁ、買い物に付き合って!って誘うか』
恋人がするように買い物デートをし、ご飯を食べ、 自然と舞が欲しくなる
『付き合ってる恋人だ』って言えれば、どんなにラクか……でも、言ってしまえば、俺は舞と結婚したくなる。だから、このまま、毎日、会社で顔を合わせ、 週末には呼び出して、抱き合う。
舞は、ただのセフレだと思っているようだ。
俺には、他にたくさんの女が居ると、思っているようだけど……
また、大学の時の女から言い寄られて、困ってる
「舞、お願いがある!」
「何?」
「しつこい女と、そろそろ別れたくて…婚約者のふりしてくれない?」
「えー?ヤダよ」
「頼むよ」
「そんなに面倒なら、あちこちの女の人と付き合うの辞めたら?」
「うん、次はそうするから……お願い!舞が俺のことを1番良く分かってるだろう?《《隅から隅まで》》」
「そんな言い方……」
「長い付き合いだし……」
そう言っては、執拗に追いかけ回す女に、
「俺、彼女と結婚するんだ!18歳からの付き合いだし……」
「え?そうなの?」
「はい」
「ふ〜ん、嘘じゃなさそうね」
「な!婚約者が居るって言っただろう?ごめんな、俺は、彼女しか愛せないから……」
これは、亮の本心だった。
舞の内心
『また、亮に呼び出された。
どうせなんの予定もなかったけど……』
自分たちがやってることは、恋人となんら変わらないのに、どうして、恋人じゃダメなんだろう?
『恋人って言ってしまったら、結婚したくなってしまうのかなぁ?なら、ダメだな、もう結婚なんて出来ないし……』
亮に、婚約者のふりをしてくれ!と頼まれた。
しつこい女と、そろそろ別れたい!って……
どうして、私に頼むのよ。
古い付き合いではあるけど、私は恋人でも婚約者でもない。
ただのセフレなのに……
でも、毎回、心まで持ってかれる。
『愛してる』言ってはいけない言葉……
引き受けてしまった。
どんな女か見たかった。
相手の女が私をじっと見る。
「ふ〜ん、嘘じゃなさそうね」
私の何を見て、そうなるの?
私が、『人の男を寝取りやがって!』という狂気の目をしてた?
それとも、亮を見る目が『愛してる♡』っていう目になってた?
それは、あるかもしれない。
だって、その話をしてる時、女の前で、
亮は、私の手を握って、ずっと繋いでいたから……
ドキドキして今すぐ
『好き♡』って言いそうな目で、亮を見ていたかもしれないから…
恋人になりたい!
やっぱり、亮を愛してる。
これが舞の本心だった。