テラーノベル
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「ご乗客の皆様へ まもなく羽田空港へ到着します。座席のお荷物のお忘れのないようお願いします。」
飛行機の中のアナウンスが機内に鳴り響く。
ついにやってきた。ここは東京。私が今日から暮らす場所だ。
「ゆな。起きてっ!空港着いたよっ!」
友達のさやの声に起こされる。
「はぁー眠たい。」
「もう、よく寝れるよ。こっちは耳痛くてたまらなかったのに。」
荷物を持って、私たち2人は飛行機から降りた。
「さや。本当に忘れ物ないよね?グッズとかスマホとか!」
「ないよ。何回確認してんのよ。早く行くよ。」
久しぶりに来た東京は色々と雰囲気も変わっていた。
羽田空港の中は人がさすがに多い…飲み込まれるほど沢山の人がいる。
国際線から出てくる外国人の人達や、私たちと同じ地方から来た人や、これから旅行に行く人たちでいっぱいだ。
「うわぁ…なんでこんなに…」
「春休みだから多いんかもね。」
2人は多くの荷物を持ち、歩く。
「お腹すいたぁ」
「あ、そうだ、カフェとか今から行かん?」
「そうしよ、…いたっ」
空港の出口で誰かとぶつかる。
手に持っていた荷物が落ちた。
いろんな物やグッズまで落ちてしまった。
「あっ、ごめんなさい。大丈夫ですか。」
「大丈夫です!お怪我はないですか?」
「はい。とりあえず、荷物拾いますね」
立ち上がって見上げてみると、そこにいたのは男の人。帽子を深くかぶってて、白いマスクで顔が隠れている。表情が読み取りにくいが、心配そうな目をうかべていたのはすぐに分かった。
「あ、ありがとうございます。」
その人は、私のグッズをじっーと見ていた。
不思議な男の人の感じがした。周りの空気とはまた違った雰囲気を感じる。
「あ、本当にすみません。じゃ、俺、行かないと行けないんで。」
「あ、はい。ありがとうございました。」
その男の人は目元を笑顔に見せて、早く走って行ってしまった。
ふと、我に返り床を見ると
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