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きっといつか僕の夢は叶うと解ってたけど。こんな早くにその夢が目の前に来るとは思ってもいなかったのだ。

きっと誰もが憧れた”ヒーロー”という職業は、超人社会によって当たり前となっていた。

只、皆にとっての”当たり前”は、僕にとっての当たり前ではなかった。

僕の幼馴染は、早い4歳にして自尊心に溢れていた。僕もそんな幼馴染の後ろ姿に密かに憧れたのを覚えている。ただ、彼の自尊心は悪い方向へと進んでいった。

僕は、超人社会では珍しい”無個性”だった。

彼はそんな僕を馬鹿にした。周りのみんなも僕を笑った。

そして、憧れのヒーローを諦めるのを勧められた。

でも、なぜか、僕は諦められなかったんだ。

幼馴染がヴィランに捕まったのを見て、周りの注意を聞き流して、一歩を踏み出していた。

幼馴染は世間から注目を集めた。

僕はプロヒーロー達に叱られるだけだった。

…けど、言ってもらったんだ。


「君もヒーローになれる」


僕は、そんな幼少期を一生忘れないだろう。


幼馴染は、僕と一緒にヒーロー活動をしている

え?馬鹿にされたのにって?

…かっちゃんは、確かに僕のこと馬鹿にしてたし、僕も彼に負けたくない一心で頑張った。

ただ、彼の個性には勝てるものではなかったし、彼の持ち合わせたセンスなどは簡単に越せるものじゃなかった。

そんな彼と活動していると時々嫌気が差す時もある。

だけど、彼の自信に満ち溢れた表情を見ると、自然と背中を押された。


そんな彼と、僕は、ヒーロー活動がしたかったんだ。


「おい、デク。早くしろ」

口が悪いのも変わらないし、僕をデク呼ばわりするのも変わらない。

「うん!かっちゃん!」


2人は足を揃えて事務所を後にした。


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