・グロあり
・K虐
・胸糞
・死ネタ
淡く輝く美しい満月の下、黒い地上を這う白い影がいた。
彼の名は国際指名手配者番号1412号、通称『怪盗キッド』。
K「今日のレディーも私が欲しているものではありませんでしたね…。」
盗んだ宝石は既に返却済みだ。
犯罪に足をつけてからかなりの月日がたったが、未だパンドラは見つかっていない。
そしていつも通り名探偵が階段を駆け上がる音が聞こえる。
コ「はあ、は、、ッキッド!」
K「遅かったですね、宝石はもう中森警部にお返ししましたよ?名探偵。」
コ「ッたく、毎度エレベーターの電源を切りやがって!」
K「ふふ、楽しんでもらえて光栄ですよ…」
コ「ふん、言ってろ。今日こそお前を巨匠にしてやるよ。」
彼は時計型麻酔銃の標準を俺に合わせる。
K「残念ですが今宵は…!?、名探偵!!!!」
鋭い殺意を感じ取り、名探偵を抱え上げスナイパーの死角に走る。
K「ぐッ…ぅッ」
名探偵を胸に抱え自ら肉壁となって護る。
コ「ッキッド!!」
すぐに走ったおかげで一発もらうだけで済んだ。
横腹の鋭い痛みと、どくどく流れ出る血、すぐに痛み止めと増血剤を喉の奥に流し込む。
コ「おい!大丈夫かよッ…!」
K「ええ、…ッ何も心配することなどありませんよ…」
コ「くそ…ッ」
名探偵は握った拳を地面に叩きつけ、怒りを露わにする。
それは銃を向けたスネイクたちに対する怒りか、それとも後先考えずお前を庇った俺に向けての怒りか。
K「名探偵、ッよく聞け…、俺はアイツらを引きつける。だからお前は愛しの蘭姉ちゃんのとこに帰れ…ッ、」
コ「バーロー!囮になる気か、手負いのお前を置いていけっか!!!」
もちろん名探偵が、はいわかりましたと素直に聞くわけがない。
K「アイツらは俺の敵だ…ッ…これは俺が名探偵を巻き込んだんだ…。わかるだろ…?
スナイパーは多分狙える位置を探して動き出す、その間に俺は名探偵を安全な場所に連れて行くから…ッ…」
コ「な、何言ってんだよ…ッ」
了承を得る前にスナイパーを見計らい彼を抱え走り出す。
K「おいキッド!!!」
名探偵が必死に叫ぶ。だが、大きな声を出したらバレちまうぜ?と言うと少し大人しくなった。
K「ここでさよならだぜ名探偵…」
コ「…」
K「蘭姉ちゃんには…もう帰るって連絡しといたからよ…」
コ「な…ッ…いつの間に…」
K「それでは名探偵、また月下の淡い月の光の下で…」
コ「…お前は…痛くねぇのかよ…苦しくねぇのかよ…どうしてそこまでして宝石をちまちま探してんだよ…
なあ、教えてくれ、お前はどうして盗むんだ…」
K「…今はまだ言えねえよ…でも、誰かのために闘う、正義を貫き通すっていうのは…名探偵と一緒だ…ッ
俺はそれが歪んだ方法になっただけだぜ…」
コ「……死ぬんじゃねぇぞ…」
K「…怪盗キッドは、ッ不死身なんですよ…?」
🐍「これで終わりだ。怪盗キッド。」
俺の目の前には、銃を向けるスネイク。あれから事態はもつれにもつれて、俺は今ビルの屋上でピンチをむかえている。
スネイクが持つのは、トランプ銃とは違う、人の命を簡単に奪うことができるものだ。
防弾チョッキは着ておらず、自分を守るものは何もない。ハンググライダーも使えない。
横腹に掠れた銃創が痛手になっており、動けない。
「今度こそ与えてやろう、あの世という名の、永遠の時を…!」
あ、これ、死ぬ…
ドン!大きな音ががした。
「ッぐッッ…」
下に、真っ逆さまに落ちて、
ぐしゃり。音がして体が大きく跳ねた。
約束守れなかったよ。ごめん、名探偵。