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─────「あれ?ここどこ?」
寝ていて目を覚ましたら、山…?にいた。足音も声も、なんの音も聞こえない。
どうして?
「うぅ……」
私はその場で体育座りでうつむいた。腕が濡れる。
少し経って、周りを見ると道があった。ここ、暗くて怖いから出たい。でも、出てどうする?帰ったらきっと……でもずっと座っててもだめ、だよね。歩こう。
──────────────────
「………あ。」
頑張って歩いた道は行き止まりだった。前に道はなくて、後ろは、もう戻る方法がわからない。
私は道の端っこで膝をぎゅっと抱えて座る。顔も下に向けた。
「もう、このまま…」
「……着いた」
ここは飛び降り自殺で有名な崖。昼時だというのに、曇ってて薄暗い。
「もう、いいよね。」
そう、思っていた。
逃げ場のないこの場所に、私は立つ。足を進める、止まる。
「……あ」
怖いわけではないが、足が動かない。胸が締め付けられる。
最初はここで全てを終わらせるつもりだったのに、身体が言うことを聞かない。
手紙を持ったまま、しばらく立ち尽くしていた。
「………?」
ずっと道端でうずくまってたから気づかなかったけど、崖っぷちにお姉さんがいた。
お姉さんは手紙?みたいなのを読んで、靴を脱いだり、髪をほどいたりしてる。
(…待って)
なぜかはわからないけど、このまま何もしなかったら取り返しがつかないという考えで頭がいっぱいになった。
私は……
(………よし)
心の準備はできた。
「─────。」
私は昨日の夜に一晩で書き上げた遺書を読んだ。改めて読んでみると、字も汚いし、内容も薄っぺらい。適当に書いたんだろうなという感じがはっきりわかる。別にいいけど。
そして、髪もほどいて、靴も脱いだ。
あとは───
私は立ち上がってお姉さんに声をかけていた。自分でも、なんで声をかけたのかわからない。
お姉さん「……何」
返ってきたのは暗くて冷たい声だった。
「あ…えと…………その、、」
私から声かけたのに、なんて言うかわかんなくてなにも考えてなかった。頭が真っ白になる。
でも、お姉さんは待ってくれた。
???「あの………」
飛び降りようとした直前、誰かに声をかけられた。振り返ると、小さな少女がいた。
「……何」
自分でも驚くほど、低くて冷たい声だった。
少女 「あ…えと…………その、、」
あからさまに怯えてる。…ごめん。
というか、なんでこの子は私に話しかけてきたんだろう。聞いてみよう。
少女 「えっ、と、、、ここ、高くて、このまま、行っちゃう気がして」
「……そうだね。でも、私が選んだことなの」
少女 「…それ、今じゃなくていいと思います。だから、だめです」
「だめ?なんで?」
少女 「だって…何も言わずにいなくなると、残された人が困るし、悲しみます」
「…別に私には困って悲しんでくれる人なんていないし」
少女 「……今はいないって、だけだと思います。あとでいなくなったってわかる人もいます」
「それに、私も、お姉さんがここでいなくなるの、嫌です」
少女は少女なりに色々喋ってきた。こっちの事情も知らないくせに。
でも、この言葉、刺さる。あとでわかる人もいる、その言い方が。