USJ前夜
コウside.
「なんだ?ここ…」
見たことの無い場所のはず
なのにどこか懐かしいと感じてしまう
「なんなんだ…!」
そこまで暗くはない、”孤児院”のような場所
「出ていけ!!」
「お前なんて野垂れ死んだ方が世間様のためよ!!」
「…!」
怒鳴り声
子供の泣き声
「助ける。」
その決断を下す前にはとっくに体が動いていた
まるで、神が運命を指し示すかのように
「大丈…夫…」
驚愕
そこで虐められていたのは
コウの幼少期の顔によく似た子供だったからだ
「出ていけ!!」
大人たちは子供を取り囲み暴言を吐き続ける
俺なんて眼中にないのかのように
でもそんなことを気にしてる状況ではなかった
俺は立ち尽くすしかなかった
何も出来なかった
「…助け…て」
「っ!!」
ピピピピピッ
アラームの音
「俺は…」
体は汗をかいていて少し暑かった
「夢…悪夢(ゆめ)か…」
シャワーへ入り汗を流す
登校時間
「ふぅ…」
一息付き
「大丈夫…大丈夫」
自分を落ち着かせる
「行ってきます」
悪夢、終わっていない
そもそも、これからだ、これからが
悪夢の始まりだ
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