コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
午前5時前の成宮牧場、星と朝日がバトンタッチするかしないかの頃
ハァ・・ハァ・・
「ふ・・・あ・・ん・・北斗・・さん」
フゥ・・
「アリス・・」
「ああっ!そこっ!ダメ」
アリスが身をよじって北斗の背中に爪を立てる
「ああっ!ああっ北斗さん!ダメ! 」
「アリス・・・ 」
「ダメ!ダメ!そこばっかりぃ~~(泣)」
「アリス・・・・アリス!」
「ふえ?」
パチリとアリスが目を開けて北斗を見つめる。アリスを見下ろす北斗は汗にまみれ、頬はピンク色に染まっている
「俺・・・・動いてないよ?」
「え?」
「擦りつけてくるのは、アリスの方だぞ(はぁと)」
途端にアリスの顔が真っ赤になる
かぁ~~(照)「そんなことしてないもぉ~~~~~ん(泣)」
ワハハハ「ごめんごめん意地悪してしまった、君があんまり可愛いから 」
真っ赤になったアリスが両手で顔を抑えて言う
「もう・・・(照)早くイって・・・」
ガクっと北斗が首を落とす
「ああ!傷つくなぁ~・・・その言葉・・・せっかく夫が我慢して、愛しい妻のご機嫌を必死に取ってるのに」
気が付けばアリスはひっくり返されて、後ろから北斗に挿入されていた
「でも・・・ここを・・こうすると」
「ああっ!」
「さっき君が擦りつけた良い所に当たると思うんだけど・・・どうかな?」
「ああっ!ああっ!」
「妻をイかせようと必死な夫の恋心を、わかってほしいなぁ~~~」
嘆きながら北斗の自信に満ちた、腰の動きのギアが上がった
パンッパンッパンッパンッ「ああ~~~~~~~~っっ!」
::.*゜:.
午前6時「コケコッコー」と成宮牧場の鶏が鳴き、長い時間をかけて北斗の体が鎮まる頃には、すっかり夜は明け、アリスはぐったりと骨抜きになっていた
うつぶせになってアリスはぐっすりと眠っている。この分だと昼前まで起きてこないだろう
北斗は上機嫌でシャワーを浴びて、アリスの濡れた股間を綺麗にしてあげ、箪笥からパンティとパジャマを着せると、上掛け布団をかけてあげる
「それじゃ仕事に行ってくるよハニー」
ちゅっとおでこにキスをする、アリスはまったく起きず、深い寝息を立てている
::.*゜:.
午前7時(成宮牧場入場ゲート)
ふぅ~~・・・「ここですわね!アリスお嬢様がいらっしゃる、牧場とやらは・・・」
山下福(58歳)は、見渡す限りの放牧地を、圧倒されるように右へ左へと眺めまわしていた
ずいぶんと遠くに来たものだ。ここは芦屋の山のてっぺんの、お屋敷と天と地ほどの違いがある
うっすらと霧が出ていた、潮の香りがする強い風、遥か彼方で荒れ狂う海の景色
早朝のまぶしい太陽は、木々や花をやわらかく穏やかな光で包んでいる
お福も自然の景色は好きだ。しかしこれほど広大な牧場地は初めて見た
途方に暮れ、やはりさっきのタクシー運転手に母屋の玄関先まで、乗せて行ってもらった方が、良かったのだろうかと考えていた
途端に不安がよぎる、アリスお嬢様はここで、お幸せに暮らせているのだろうか・・・
いやいやとお福は首を振った
何としてでもこの目で確かめるべく、わざわざ60手前の体を鞭打って、慣れ親しんで来た屋敷から飛び出してきたのに、もう意気地が無くなっている
「おはようございます」
その時背後から誰かに声をかけられた
お福が振り返ると、緑豊かな放牧地を三頭の若駒があたりの草地で陽気に跳ねていた
お福に声をかけたのは、その馬達の手前にいる古代の戦士のように、大きな黒い馬にまたがったカウボーイハットの男だった
「あら・・・・」
福はその男に目が釘付けになった
そよ風に吹かれてカウボーイハットからはみ出た、前髪が波打つ
肌色よりも濃い色のその肌は、長い年月太陽の元にいたとわかるほどに日に焼けている
姿勢は堂々として誇らしく、引き締まった体、広い肩、長い紺色のジーンズを履いた足が、大きな男を表している
福の亭主や仕えていた「大旦那様」は小柄な男性だったため、大きな男は少し気が引ける
しかしその男は、悪魔のような大馬から、ひらりと降りて手綱を柵にひっかけた、馬は嘶いて足を踏み鳴らし近くの草を食む
「何かお困りですか?」
そう言うと男がこっちにゆっくり歩いてくる
男の言葉使いはこれ以上ないほど丁寧なのに、視線はこれ以上ないほど鋭い
「あなたはここの牧場のお方?」
手を体の前に組んで背筋を伸ばし、そう威厳を保ってお福は言ったが、横の柵に小さな蜘蛛が這っていったので、すぐさま飛び上がった
「いかにもそうです、誰かこの牧場の人間に用なら俺が賜りますよ」
男は目は綺麗な優しい茶色で、黒く濃い睫に縁取られている。とても魅力的な男だ、そして親切そうだ、この男なら自分の味方になってくれるだろう
きっとこの牧場でこき使われているに違いないし、牧場主に不満を溜めていることだろう、下っ端とはどこに行ってもそういうものだ
「ここの牧場主の成宮北斗に用があって来ましたの、ええ・・・どんな人間かってね、あなたはご存じないかもしれませんけども、うちのアリスお嬢様を誘拐して無理やり結婚したのよ!誘拐婚ですよ!誘拐婚!」
「ゆ・・・誘拐婚・・・ 」
なんとか男がそう言った、目を大きく見開いて驚いている
無理もない、きっと成宮北斗はそれを牧場の人間には、隠しているのだ
ペラペラペラ・・・・
「ひどいものですよ!あなたここで何年お勤めに、なっているか知りませんけどね!ちゃんと雇い主の本性を見抜く術を、今のお年から身に着けていないと、この先良い人生が送れませんことよ。あたしはここで無理やり結婚させられて、監禁されている私のお嬢様を救いに来たんですの、もちろん正面から行ってもあの悪どい、成宮北斗の事でしょうからね、絶対会わせてもらえないと思ってね。ええ!きっと門前払いでしょうね、だからここから密かに調べて、アリスお嬢様の居場所を突き止めて、こっそり連れ出そうと思いましてね!だからこんな早朝を狙ったんですの!まだみんな寝てるでしょ? 」
「悪どい・・・監禁・・・ 」
男が放心状態で福の話を聞いている
「ひょっとしたら・・・あなたアリスお嬢様の事ご存じじゃない?ちっちゃくて・・・それはお可愛らしい娘さんよ、年は27だけどそうね・・・とてもおぼこいから、20歳そこそこに見えるかしら」
途端にお福が口元を抑えて、ヨヨヨと泣き出した
「きっとこき使われて、酷い目に遭わされているんですよ、も・・もしかしたら成宮北斗は、アリスお嬢様にぼ・・ぼ・・・暴力をふるっているんじゃないかしら・・・アリスお嬢様は成宮北斗がきっと恐ろしくて・・・あたくし達に連絡が出来ないでいるんだわ」
「・・・お福さん・・」
ペラペラ・・・・「あたしゃそれを考えると夜も眠れなくてね、ああっ!お可哀想なお嬢様、もうすぐ福が行きますよ!助け出しますとも!ええっ!何としてでも!人でなしの成宮北斗なんか、けちょんけちょんにしてやって・・・・こうして!こうやって!・・・・こうっ!」
「お福さん」
お福が殴る蹴るの仕草を、柵に向かって一生懸命やっている所を、自分の名前を呼ばれてピタッと一時停止した
「あら?・・私あなたに名乗りましたっけ?」
カウボーイハットを脱いで、ボリボリと男が自分の頭を掻きむしって、申し訳なさそうに言った
「そんなにご心配をおかけして誠に申し訳ない・・・・アリスからあなたのことは聞いています。とても優秀な伊藤家の家政婦長さんだと 」
男はどこか苦笑いをして言った
「お初にお目にかかります・・・私が成宮北斗です 」
「え?」
お福が小さくしゃっくりした