テラーノベル
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side w
扉を開くとぶわっと甘いかおりが広がり、脳を刺激した。
数十分前、恋人から送られてきた
「ヒート。帰ってきて」
という、淡白な2つの文に、何かに取り憑かれたかのようなスピードで帰宅準備を済ませ、タクシーに乗り込んだ。
玄関でただいま。と小さくつぶやき、おそらく彼がいるだろう寝室まで足音を立てずに向かう。
案の定、扉を開けると布団を頭まで被っている彼が目に入る。
「元貴。ただいま。」
その場から小さく声を掛けると大福のような布団がかすかに動いたものの返事は返ってこない。
もう既にその香りで回らない重たい頭を抱えながら彼の側へむかい、恐る恐る少し布団をめくると、ギラギラと光る目が見えた。──その瞬間ガバッと布団から伸びた手に腕を引っ張られベッドに倒れ込んだ。
「あ、うわ!いったぁ、」
「はっ、ん…おかえり。…遅かったね。」
やっと聞こえた声は息を多く含んで色っぽい。
かなり待たせてしまったみたい。
「ん、ごめん。待たせちゃって」
「いいよ、別に。これから長いんだから。」
そういった元貴の顔は発情期という名の通り、欲を我慢することのできない獣そのものだった。
side m
「うあ……!♡」
「んふ、はぁまだ全然してないのにゆるっゆるじゃん笑」
フェロモンに当てられたせいか、身体を少し触られただけでもうくにゃくにゃになっている若井の下に指を沿わせる。
「ああっ♡ゆわないでっ…むりぃ」
恥ずかしがっちゃって、かわいいなぁもう。
「αなのに、さぁ。Ωの俺なんかに犯されちゃって気持ちよくなっちゃってるんっ、だもんねぇ。かわいいね、ひろと♡」
「あっ♡やだぁ」
ちょっといじめただけなのに顔を真っ赤にして今にも泣き出しそう若井の姿がとんでもなく扇情的で…
あぁもう。
「たまんない。」
下がらない口角に手を当ててみるが、はぁはぁと荒い自分の息がかかるだけ。
あえて中に入れることはせず、クルクルと淵をなぞる。
「ね、若井きもち?」
「…んぁ、ン”♡や、だぁ」
「やだじゃないでしょ?」
「あ、、ッごめ♡んっんっ…きもち、ぃけど」
「けど?笑」
若井に触れているからなのか先程よりフェロモンが強くなってるのを感じる。
やっばい
目の前の恋人はとんでもなく妖艶で、かわいらしい。
「かわい」
ボソッと相手に聞こえるかどうかの狭間くらいの声で呟く。
声に出すと更に彼への愛おしさが増してくる。
またもやヒートの症状が酷くなりつつあるのを感じて、自分の重さに呆れつつ恋人の顔を見つめる。
すると、涙目で頬を真っ赤に染めたそれはそれはいじめたくなるような顔が目に入った。
「なに?言わないと伝わんないよ」
side w
数年前、元貴と番の関係になってから、ヒートが来る度どんどん酷くなっていく彼の性欲に頭を抱えていた。
本来のΩの発情期間は1-2日。元々彼は3日と少し長めだったのだが、最近は5日間程続くことがざらだ。
しかも毎度毎度何故かフェロモンが濃くなっているような気がする。
本来ならこちらにあるはずの主導権があちらにある上、Ωと比べてそちら側に耐性のないαなのにも関わらず、寝る暇もなくほぼぶっ通しで犯され続けるため、こちらはたまったもんじゃない。
いつかの元貴は「世の中にはヒート中のΩの性欲についていけなくてΩ側が満足出来ずに別れるカップルも多いんだって。うちはそれに関しては安心だね。」
なんて言ってたっけ。ほんとに根っからの小悪魔だ。
「おーい、若井?」
「ぁ、ンあ”♡ふぁい」
「何?考え事?随分余裕こいてるみたいだけどッ」
一気に奥をつかれてフェロモンでやられた頭がピリピリと痺れる。
「~~~~っ♡うぁ゛、、!」
「あは、声出ないくらい、、気持ちぃの?若井ったら、ふ、やらし〜」
そんなことを言いながら首元やおでこに軽いリップ音を立てながらキスを落としてくる。
煽ってくる恋人にむかついてばっと顔を上げると余裕が無さそうに眉毛を垂れ下がらせている顔が目に入った。
「んふふ、かわいい」
声に出ていたらしく、元貴はすごく微妙そうな顔をしている。
その顔にすらなんだかキュッと心が締め付けられ、思わず僕の上に覆いかぶさっている彼の首に腕を回し、抱きついた。
カクカクする腕に何とか力を入れて顔を持ち上げる。
「好き」
元貴の耳元まで持っていった唇を少し震えながら動かす。
その瞬間、カクッと彼の動きが止まった。
どんな顔してんのかななんて気になって、少し離れて顔を覗き込むと、ぽかんと口を開けている恋人と目が合った。
見事な反応に、してやったりという顔をすると、手早くベットに押し返された。
「何?煽ってんの?」
そのままこちらに覆い被さる形で耳元で囁いてくる。
やられた…。
それと同時に忘れられていた律動が再び始まった。
中途半端ですみません💦
続きは書くか検討中です。
いかんせん行為を書くのが苦手でして…
見るのは大好きなのになんで書けないんでしょう。
私立場逆転というか、今回もそうですが、Ωが攻め、subが攻め。みたいな設定が大大大好物なんです。
みなさんも書いてくださったりしたら飛んで喜びます。
それと、いつもハート、コメントすっごい嬉しいです!ありがとうございます✨️
コメント
1件
わかります〜!!立場逆転的な、?最高ですよね…