テラーノベル
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すごく、カッコいい顔の鬼さんなんだけど、上着の上からでもわかる、ムキムキ!
「お主らが我が国の英雄か。ありがとう、礼を言うぞ」
身長2メートル越えの、ばっちり筋肉なこの鬼さんは、玉座にドンと足を組んで座っている。そう、この国の王様だ。
赤茶色い髪からは立派な1本角が顔をだしている。
何で、王様の前にいるかって?
あれから、ドレン達と一緒にこのゴツゴツした城へと連れてこられたのよ。なぜかは私も、よくわかってない。
「水を運んでくれた礼をしたいが、何がいい?」
「はっ、ボク達は精霊のことを調べていまして、この国の精霊の場を見せていただけたらと思います」
アリスがかしこまって言った。
「ほう、精霊の場か」
精霊の場? カナちゃんと話したあの場所みたいなものかな?
私が首を傾げて考えていると、王様はそんなことでいいのかという感じにすぐ返答をくれた。
「いいぞ、別に何がいるでもない。ドレン、連れていってやるがよい。我が城の最上階にある、火の精霊の魔法陣へ」
ーーー
階段が! キツイ! あと何段上がればいいんですか!
急な階段を登り上っていく。エレベーターのありがたさが身にしみます。
「もうすぐだ、頑張れ嬢ちゃん」
ドレンが応援してくれる。アリスは、手を前にだして抱っこしようか? って顔をしてるけど流石に恥ずかしすぎるので、もうすぐという言葉を信じて私は足を上げ続けた。
「ここだ」
太陽の光が外側に見える。岩のアーチをくぐり抜けると、外からの風が吹き込んだ。
「わわっ!」
少し強い風にあおられながら、目を開くと眼前に大きな赤い光を放つこの世界に来た時に見たような魔法陣があった。
「似てる」
「だね、火の精霊のは初めて見た」
「ここに、何があるんだ?」
不思議そうにするドレン。私も何でここに来たのか、わからないけど。
「ちょっと、調べ物」
こういったあとで、アリスはそっと近寄って私にしか聞こえないようにして話した。
「もしかしたら、リサちゃんなら火の精霊と話せたりしないかなーって思ってさ」
私が驚いていると、ドレンがやれやれといった調子で、
「仲がいいな、お前ら。わかった、じゃあオレは王のとこにいるから、気がすんだら戻ってこい。あまり長居はするな。あとこの辺を荒らしたりはしないでくれよ。まあ、アリストがそんなヤツじゃないってのは知ってるが」
そう言って、また後でと手を挙げながらドレンは来た階段を下りだした。
「火の精霊さん、会えるのかな?」
「どうだろ?」
ぐるりと辺りを見回すけれど、赤い光と岩肌くらいしか目には入らない。
月城 蓮桜音
36
耀聖(ようせい)
244
耀聖(ようせい)
549
205
「火の精霊さん、いませんか?」
私はそっと声にだして聞いてみた。すると、目の前が不意に暗くなった。
コメント
1件
花月夜れんさん、第57話読ませていただきました! ムキムキな鬼の王様、想像以上に存在感があってかっこよかったです…!「そんなことでいいのか」ってあっさり許可してくれるのも、豪快な人柄が出てて好きです。 そして何より、アリスがリサにだけこっそり「火の精霊と話せるかも」って期待してるところ、すごくじんわりきました。二人の信頼関係が自然に伝わってきて、編集者としても「いい距離感だなあ」とほっこり。ドレンの「仲がいいな」にもニヤリとしちゃいました。 次、本当に火の精霊と会えるのか、続きが楽しみです!