でも、現実とはついてくるもので、親がいないという事実は変わらなかった。
親がいないことで、何度も過去にもいじめの標的になった。
そこで俺は考えた。
俺が完璧になれば、誰もいじめることなんてないんじゃないか。人気者になれるんじゃないかって。
勉強も、スポーツも、音楽も。努力して、努力して、努力し続けた。
いじめの標的にならないように。そして、親がいない寂しさを埋めるように。
もちろん、力はついた。
だけど、俺が思ったようにその力は働かなかった。むしろ、余計だった。いじめの標的にならないどころか、それが逆にいじめの対象となった。
「完璧すぎてウザい」「調子乗んな」
完璧なやつなんていないだろ。調子に乗ってる姿を俺がいつ見せた。勝手なやつらのせいで、俺の人生はめちゃくちゃだ。
親がいないというだけでいじめられ、いじめられないように努力をすれば、完璧すぎてウザいといじめられる。それなのに、いじめられていることは相談できない。
親がいないから?友達がいないから?もうわからない。俺が生きていても、誰も喜ばないのに。
なぜ、生きている意味のない俺に当たり前のように明日はやってきて、生きているべきの人は簡単に明日がなくなってしまうのだろうか。
何もわからないまま、今日も俺は体育館裏に向かう。冬の始まりを告げる冷たい風が、俺を余計に寂しくさせた。
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