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ゲン千
両片想い
千空無自覚
千空side
最近、あさぎりゲンを目で追ってしまう
全員に愛想を振りまく様子、風でなびく左右非対称な髪、うさんくさい表情、器用に動く丁寧に手入れされた手、ペラペラと動く口…
何故なのか、アイツならわかるのだろうか
千空 「…あ”〜、」
作業中にもアイツがチラつくとか…非合理的すぎんだろ
ゲン 「〜〜♪」
モブ 「〜」
まただ。気づけば俺の視界にはアイツがいる。今は石神村の女と話してるようだ。…相変わらずお元気でなにより
ゲン 「…!」
…目が合った
千空 「…」 フイッ
何となく、目を逸らした。アイツとて男にジロジロ見られんのは嫌だろ
それより作業を進めるのが最優先だ
……
千空 「…クソ、ダメだ 集中できねぇ」
本人に言うべきか?
ゲン 「千空ちゃん♪」
千空 「ぅお、!?」
千空 「…ククク、人の背後から話しかけるなんていい趣味してんじゃねぇかテメー」
ゲン 「お褒めに預かり〜でもなんも出ない!」
千空 「褒めてねぇよ」
ゲン 「ドイヒー!! …で、調子どう?」
さすがのメンタリスト。 さっきの俺を見て勘づいたか。観察するような視線でこちらを見ている
千空 「…ぁ”~、なかなか集中できなくてな」
ゲン 「千空ちゃんに限ってそんなことあるのね~ なんかあったでしょ?」
野郎に目で追われてるとか、気持ち悪すぎてトリハダ立ちまくり案件だな。コイツのことだから自分のことだと気づくと思うが…一応名前は伏せるか
千空 「最近目で追っちまうやつが居てな…」
千空 「そいつが作業中もずっと頭の中にチラついて集中できねぇんだよ」
ゲン 「…、」
…?会話で黙るなんて らしくねぇな。
千空 「どうした?」
ゲン 「ん?いやーメンゴメンゴ ちょびっとだけ考えてただけー」
ゲン 「千空ちゃん その人とそばにいたい。とか、思ったりする?」
まぁ、こんだけ目で追っておいて、そばにいたくない。は違うだろ
千空 「そう…かもな」
ゲン 「、そっ…かぁ」
確信したような表情をしている。早く教えて欲しい気持ちがある。スッキリさせて作業を進めなければ
ゲン 「俺はそろそろドイヒー作業に戻るよ」
千空 「あ”…?」
ゲン 「…じゃあね♪」
千空 「は?おい…!」
完璧に確信した表情してただろ?わかったんなら話せよ それでもメンタリストか?
ゲンside
モブ 「そうなんですね」
ゲン 「そうそうーそれでね〜♪……!」
…千空ちゃんと目が合った
千空 「…」 フイッ
不機嫌そうな顔をして目を逸らされた 石神村のこの子のこと見てたのかな、ゴイスーかわいいもんね
このくらいで嫉妬してる俺は…ジーマーで千空ちゃんのこと大好きなのだと再確認した
…一応、確認しとこうかな 千空ちゃんに限って恋とかない思うけど
千空 「最近目で追っちまうやつが居てな…」
千空 「そいつが作業中もずっと頭の中にチラついて集中できねぇんだよ」
ゲン 「…、」
想定していた最悪の展開。間違いなくそれは恋だ 聞かない方が自分のためになってたかもしれない
千空ちゃんが恋をしてしまった
が、恋をしている。ということにはまだ気づいてない。さっきの視線と言動を見るに、あのかわいい石神村の子が好きなんだろう。千空ちゃんだって男なんだから、恋愛するのが普通。だと頭の片隅ではわかっているけど 、千空ちゃんなら一生科学やって、一生科学に唆りまくるんじゃないか。とは思ってた。
だから 正直俺の片想いは諦めてた。はずなのに
ゲン 「少しでも、恋に気づかないように…」
あえて、言わなかった。『それは恋だよ。』と
千空side
メンタリストに相談をしてから1週間が経った。あれからアイツは俺を避けている。気がする。アイツから話しかけてくることも無くなったし、俺が話しかけても適当に誤魔化してそそくさと逃げていく。…避けるほど俺に目で追われるのが嫌だったのかもしれない。
避けられ始めてからもっとアイツが頭にあった。作業していても、誰かと会話していても、飯を食っていても、寝ようとしても、必ずアイツがいる。こんなに支障が出ているのにまだ原因は不明だ。
千空 「…ぁ”ああ”~~……」
「千空 、ここのところ様子が変だぞ。どうかしたのか?」
この口調と声は
千空 「コハクか。大したことじゃねぇよ」
コハク 「人に話してスッキリさせて効率よく作業を進めるのが、君の言うゴウリテキというものなのではないか?」
コイツの言う通りだ
千空 「この間、目で追っちまうヤツが居る。とメンタリストに相談したら最近避けられてんだよ」
コハク 「ほう、その『目で追っちまうヤツ』とは誰なのだ?」
千空 「……ゲンだ」
コハク 「ハ!君らは本当にもどかしいな!」
ニヤニヤしながら確信した表情をしている。俺には全く分からないが
コハク 「おそらく、ゲンは『目で追っちまうヤツ』を女のことだと勘違いして嫉妬してるんだろう!」
意味がわからない もし俺が女を目で追っていたとしても、嫉妬する理由がない。
千空 「あ”?なんで目で追うヤツが女だと嫉妬すんだよ。」
コハク 「『目で追っちまうヤツ』と聞いたら 恋をしている と思うだろう?」
…恋?
今までアイツを目で追ったり アイツのことしか考えれなくなっていたのは…
千空 「……ぁ”~、」
千空 「おありがてぇ ようやく分かった 」
千空 「アイツのところ行ってくるわ」
ゲンに恋をしていることに気づいた
アイツが俺の事を好きなのかはまだ確かじゃない。嫉妬をしていたといって、それが恋愛的に好きな理由には、多分ならないから。 だけど 伝えることには意味がある。伝えなければいけないと思った。伝えなければ後悔すると、心のどこかで叫んだような気がした。
人が人に気持ちを全て完璧に伝え、理解するのは案外難しい。言葉足らずだったり、考え方やその場の気持ちがそれぞれ違ったりするから。それなら、
千空 「少しでも、好きだと伝わるように…」
俺があさぎりゲンを好きだということが少しでもわかってくれれば それでいい。
『少しでも、』