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時間、経ってる。
どぬくはもう——
“慣れてる”。
隣にいるもふくん。
話して、笑って、触れて。
全部、自然。
どぬく「……今日もいるな」
もふくん「……いるよ」
当たり前みたいに。
どぬく、少し笑う。
どぬく「……いいなこれ」
どぬく「……ずっとこのままでいい」
その時。
ドア。
バンッッ!!
勢いよく開く。
もふくん(本物)「どぬちゃん!!」
息、切れてる。
明らかに。
“本物”。
どぬく、ゆっくり振り向く。
数秒、見つめる。
そして。
どぬく「……遅い」
笑う。
いつも通りに。
どぬく「……今日ちょっと遅かったな」
本物のもふくん、固まる。
もふくん(本物)「……え」
どぬく「……でもいいよ」
どぬく「……ちゃんと来たし」
もふくん(本物)、近づく。
震えてる。
もふくん(本物)「……どぬちゃん」
どぬく「……ん?」
もふくん(本物)「……俺だよ」
どぬく、少し首かしげる。
どぬく「……知ってる」
どぬく「……毎日会ってる」
もふくん(本物)、息詰まる。
部屋を見る。
誰もいない。
なのに。
どぬくは、隣に“誰か”がいる前提で話してる。
もふくん(本物)「……それ、違う」
どぬく「……?」
もふくん(本物)「……それ俺じゃない」
空気、止まる。
どぬく、ゆっくり。
隣を見る。
“いる”。
ちゃんと。
どぬく「……いるけど」
もふくん(本物)「いない」
強く。
もふくん(本物)「それ、いない」
どぬく、少しだけ笑う。
どぬく「……またそれ?」
どぬく「……前もやったじゃん」
どぬく「……“いない”ってやつ」
どぬく「……もういいって」
もふくん(本物)、近づく。
手、伸ばす。
どぬくの肩、掴む。
ちゃんと触れる。
もふくん(本物)「……感じるだろ」
どぬく、少しだけ目見開く。
でも。
すぐに。
どぬく「……リアルだな今日」
笑う。
どぬく「……すごいじゃん」
どぬく「……触れるようになったんだ」
もふくん(本物)、完全に崩れそうになる。
もふくん(本物)「……違う」
もふくん(本物)「……俺だって」
声、震える。
もふくん(本物)「……ちゃんと戻ってきた」
もふくん(本物)「……遅くなってごめん」
その言葉。
どぬく、一瞬だけ止まる。
ほんの一瞬。
“何か”が揺れる。
でも。
どぬく「……それ」
どぬく「……もう聞いた」
どぬく「……何回も」
もふくん(本物)「……え」
どぬく「……毎日言ってくれる」
隣を見る。
“幻”。
どぬく「……な?」
もふくん(本物)、何も言えない。
どぬく、優しく。
どぬく「……ごめん」
その言葉。
今度は逆。
どぬく「……お前じゃなくていい」
静かに。
どぬく「……こっちで足りてる」
もふくん(本物)、固まる。
完全に。
遅かった。
どぬく、隣に寄る。
何もない空間に。
でも。
ちゃんと笑う。
どぬく「……おかえり」