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振り向かないままで.

5 - 【溺愛】𝑒𝑛𝑑

♥

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2024年07月28日

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※太乱

朝、7時には駅に着いた。

アナタが来るのは大体、7時6分だった気がする。ギリギリ間に合った。

駅のホームのベンチに座り、アナタが来るのを待っていた。

現在、7時2分。まだ余裕があったので発信機でアルバムを見ていた。アルバムの名前は『乱歩さん』アナタの横顔がずらっと並んでいた。私がこの横顔に囲まれたら、幸せ過ぎて溶けてしまいそうだ。そんな事を考えていたら急に私の右から声が聞こえた。

「おっ!おはよう!今日は学校これそう?」

聞き間違えるなんて絶対にない。ずっと遠くから聞いていた、綺麗で美しくて可愛い声。

右を向いた。

やっぱり、乱歩さんだった。

乱歩さんは私の座るベンチの横に座ってくれた。何を喋ればいいか判らなかった。だから、少し混乱しているように見せた。

「…やっぱり顔色悪いね、」

そう云い、乱歩さんは私のおでこに手を当ててくれた。

その瞬間、私の何かが爆発しかけた。

「熱はないみたい。太宰の躰は何ともない?」

ちょっと待てちょっと待て、何時から認知されていたのだ??

今混乱した頭に乱歩さんの上目遣いを食らって頭が上手く回らなかった。

恋とはすごいものだなと感じた。己の感情すら制御不可能なのか。

とりあえず答えなければ。

「え、あっ…はい。」

……やってしまった。

緊張のあまり、素っ気ない返事をしてしまった…。

「ん、じゃあ善かった!」

そして乱歩さんはにっこりと笑った。

嗚呼、そのしなやかな髪、肌、喋り方、仕草、乱歩さんの全てが美しい。

「す……き…」

「え?」

声に出ていたのか!?待ってください神様。辞めてください。折角近ずけたのに、男を好きだなんて頭のおかしい奴だと思われ距離を置かれてしまう。

其れだけは避けたかった。どうしても。

恐る恐るアナタの顔を見た。

アナタは何かを決めたようにすこし笑みを浮かべ、勢いよく立った。

私の視界は、アナタの背中しか見えなかった。

「ねえ太宰。」

アナタは私の名前を呼んだ。

そして、

ガタンガタン

「ぼく───い──と───だ─。」

聞こえなかった。アナタが口を開いた瞬間、電車が通った。

そして少し経つと、電車はアナタの前で止まった。

何を云っていたのだろう、?

「太宰。」

乱歩さんは私の方を向き、顔を近づけ

「ふふっ、可愛いね。」

え?

“可愛いね”?

私の頭はすでに思考停止状態だった。最愛の人に可愛いねなんて云われた破壊力で熱が上がってきた。

このままだと倒れてしぬ。

「あっ……あの…!やっぱり私体調悪いみたいなので、帰ります…!」

「うん。じゃあ気おつけてね。」

照れてるのだろうか、可愛い奴め。

そう、判っていた。お前が僕のことが好きなのは。

全く、どこまで焦らせばいいのだろうか…?

安心しろ、僕だってお前のこと狂うほど愛しているからね。

─そして、乱歩はポケットからある男の写真を取り出し、唇を重ねた。─

𝑒𝑛𝑑

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