二月。異例の寒波だ。医局から出ると手がかじかんだ。さて…呼ばれてるんだったな。にしても…
「ううぅっ…」
…寒い。早く行こう。
「…来たか。」
「はい、如何なさいましたか。」
「あぁ、最近はよく冷えるだろう?少し防寒対策でもとな。」
「確かに、異常な寒さですしね。いいのではないでしょうか。」
「だろう。それをお前にして貰いたい。」
「はぁ、まぁいいですが。ある程度材料を頂ければ、翡翠宮の侍女達に行き届…」
「違う。」
「は?」
「お前が、だ。」
「はい…?」
なーにを言ってるんだコイツは。一人だけ贔屓する気か。
「はあ…お前が寒そうにしているのを見兼ねて言っているんだ。それと、他の者には既に手袋を渡している。」
「そうですか。しかし温石の方が良いかと。」
「ああ、ではそれだな。」
「…皆さんには?」
「だから手袋がある。お前は……はぁ…。それに、いつどんな事が舞い込んでくるか分からん。寒さでやられては困る。」
「…かしこまりました。」
「ハァ…何故分からんのだ。」
「壬氏様? 」
「なんでもない。」
「……」
今日はいつにも増して、何を考えてるかさっぱりだ。
コメント
1件
リクエストありがとうございます🥲✨️最高です!!