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「 ……、 、 、? 」
目が覚めた。
暖かい……ふかふかの、寝床?
私、どうなったんだっけ。
『 お早う御座います。 』
「 っ、 」
出したくても声が出ない。
身体を起こすと紫の瞳をした黒髪の人が居た。
そういえば私、倒れたんだっけ。
白いフワフワを頭に乗せた…
あの人が私を扶けてくれたのだろうか?
『 声が出ないようですね、文字はかけますか? 』
首を横に振る。
文字というものは知っているが教えて貰っていないので書くことは出来ない。
少し不安だ。
『 貴方、自分のことは分かりますか? 』
もう一度首を振る。
怖い、目元がジーンと熱くなる。
『 申し訳ないです、食事を摂りましょう? 』
食事…?ご飯なんて食べさせてくれるのだろうか
すると彼は私に手を差し伸べた。
私はその手を取りふかふかから降りた。
扉をくぐり抜けると美味しそうな匂いがする。
私は目を輝かせていた。
彼が椅子に座ったので私も座る。
…………足がぷらぷらする。
『 いただきます 』
彼が手を合わせたので私も合わせる。
彼を見よう見まねで食事をとる。
『 ご馳走様でした。 』
お腹がいっぱいだ。
まるであの時見た夢のよう。
『 自己紹介がまだでしたね。 』
『 ぼくはフョードル・ドストエフスキーです 』
「 っ、! 」
必死に声を出そうとするも喉が締め付けられたように痛くなり声が出せない。
『 無理しないでください、 』
『 名前はありますか? 』
_名前。あったような気がするが思い出せない。
私は首を傾げた。
『 分からない? 』
頷いた。
『 貴方の事、調べてもいいですか? 』
私は何度も頷いた。
彼…フョードルに知ってもらいたいというのもあるが何より私が知りたかった。
こうして、フョードル・ドストエフスキーと私の生活が始まった。
彼は私の望んだものを凡て与えてくれた。
こんな生活がずっと続きますように_