テラーノベル
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随分お久しぶりです!
スランプ中なので短いし蛇足感があるやもしれません
では最終話!
「んぅ……………………?」
後ろでもぞりと動く暖かい体温が背中で揺れる。
ふわりとかかった彼の吐息に心底安心する。
彼はまだ完全に覚醒していないのかふわふわした顔で蘇枋の首に顔を埋める。すぅ〜と聞こえるささやかな呼吸音。彼が帰ってきた、という感じがする。
まあとりあえず彼としっかり話さなければいけない。もうこんなことが起こったらたまったもんじゃない。少し傷ついた手で彼をおぶりなおし、だんだんと見えてきた俺と桜の二人の家へ、足早に向かった。
気持ちよく寝ている桜を起こさないようにゆっくりと扉を開けて家に入る。そのまま廊下を歩き、リビングのソファに桜を置いた。
気持ちよさそうにむにゃむにゃと眠るあどけない彼の顔を見れば先ほどまで憤っていた気持ちは毒気を抜かれて萎んでしまう。
桜の目尻は赤くなっていた。腫れているそれを撫でるように指で愛撫すると、それに気づいたのか、ぴくりと長い睫毛を震わせて宝石のような瞳が隙間から垣間見えた。
「あ、桜くん起きた?」
暫く微睡むようにとろとろしていた彼は俺に焦点を合わせた途端思い切り蘇枋の手を振り払った。
バシッと強くなった音に桜自身がびくりとするがすぐに表情を険しいものに変えた。
「なんだよ、」
桜は睨むような視線で蘇枋を見る。それは威嚇をする猫のようだ、と思った。
「……ねぇ、桜くん。俺とちゃんと、話してくれる?なんで別れるとかいったのか」
「ぃ、やだ…っ、俺はなんにも悪くない!!元はと言えば蘇枋が浮気したんだろ!このサイテー男!」
「……は、」
「お前が!女とあんなこと………っ、ぅ、うわきだ………」
蘇枋が喋る暇もなく言葉を連ねる桜は顔が曇っている。
「お前なんか、蘇枋なんかき、きらぃ──ん!?」
堪忍袋の緒が切れた気がした。
言葉を紡ごうとした彼の口を無理やり塞ぐ。普段するような、桜の唇をゆっくりと味わうようなキスではない。混乱して蘇枋を押し返そうとする桜の腕を掴み、ソファへと縫い付けて押し倒す。
固く閉じている桜の唇をこじ開け、彼の口内を荒らす。内頬を擦り上げたり桜の弱点である上顎を攻め、桜の舌を引っ張り出して甘噛みしたり吸い上げたりして深く合わせる。
最初は反抗していた桜だったが途中で口の刺激にしか集中できなかったのだのろう。大きな目を細めて溶けてしまうのではないかと言うほどの蕩けた琥珀を滲ませた。
「ん、んぅ〜……、は、っ、ンんん゛っ!!」
いつまでも鼻呼吸が慣れない桜は息が苦しくなってきたのかくぐもった声を出して反抗する。
酸欠になってきたのか飛びそうな彼をしょうがなくと言ったように唇を離す。
ちゅぱっ……と音が鳴りながら離れた舌には銀糸がたらりと垂れ、ぷつりと切れた。
「な、なにす…っっっ!!!」
「ここまでして、まだ浮気したとか言うの?」
蘇枋の低い声に桜はびくりと肩を振るわす。
「こんなに好きで、愛してるのに。まだわかってくれないなら…体で教えてあげようか……?」
桜の耳元に唇を寄せて囁きながら薄い腹を指で刺激してくる蘇枋を桜は押し返す。力のともならない腕でも容易に蘇枋の身体は離れた。
「……蘇枋……?」
長い前髪が影を落とす。途端に見えなくなった蘇枋の表情を確かめようと顔を見るために屈んだ桜を蘇枋は腕を引っ張って思い切り抱きしめた。顔は相変わらず見えない。
「ね、俺、ほんとに今日焦ったんだよ?家に桜くんがいなくて、心臓が止まるかと思った。心配したんだよ……?」
泣きそうな声で左を抱きしめる蘇枋の肩は少し揺れている。
「何かしちゃったなら謝るから。説明して欲しいな」
「っ………わかった…」
◇◇◇◇◇
「ああ、それは職場の同僚だよ」
「どうりょう………?」
桜と蘇枋はさっきの抱き合っていた姿勢から向かい合わせになって話していた。
「で、でも!き、ききキスはどうなるんだよ………それに、あのたのしそうなかお……」
「っキスなんかしてないよ!!それはあっちが勝手にくっついてきただけ!俺がそう言うことしたいと思うのは桜くんだけだよ………それに、桜くんのいう楽しそうな顔はきっと君の話をしていたから。今日は早く帰れるから君とゆっくりできると思ってたから、それを話していただけ……」
「ほんと……?」
「うん、ほんと。」
漸く全ての合点がいったのか、桜は安堵の表情を浮かべる。さっきまでずっと曇らしていた表情は少しずつ温かいものに変化していた。
すると、桜は何か言いたげにもじもじし出す。桜からの言葉を待っていると、意を決したように琥珀と青灰の瞳は真っ直ぐ蘇枋を写した。
「お、おれ…勘違いして……ごめ、ッ!?」
心底申し訳ないような、こちらに許しを乞うような上目遣いに射抜かれ、思わず抱きしめてしまった。
吃驚した彼の身体が一瞬強張るのを腕の中で感じる。
「いいよ…誤解だったんだし、勘違いさせた俺も悪い。それにさっきも乱暴しちゃったし、ごめんね……」
それを聞いた桜は硬くなっていた身体は解れていき、体の力を抜いて息をついた。
控えめに服の裾を握って抱きしめ返してくれる桜がひどくいじらしくて可愛くて、腕の中の存在を確かめるように、暖かく優しく抱きしめた。
いつまでそうしていただろうか、ふと思い立ったように蘇枋は桜を離した。温かみが離れてしまったからなのか、「ぁ……」と残念そうな声を出す愛しい人が可愛くて、触れるだけのソフトキスをする。
「ね、桜くん。桜くんが置いてっちゃったさ、この指輪、君に返してもいい?返されても君以外にあげる気ないし困っちゃうからさ。」
「あ、うん、ごめ──」
「ごめんは禁止、」
人差し指で優しく桜の唇に触れて黙らせる。それだけで桜はぼぼぼっと頬を染め上げた。そんなところがたまらなく可愛い。
「でもまあ、謝りたいって言のなら、俺にこの指輪、つけさせてくれない?」
「え、いいけど………」
「ありがとう」
蘇枋はソファに座る桜の手を取って薬指にゆっくりと指輪を差し込む。それはまるで結婚式を彷彿とさせる。
そのリングはするりと薬指にはまった。サイズはピッタリでなんだか抜けてしまっていた自分の一部が戻ったみたいで無性に嬉しくなる。
蘇枋は指輪をつけた薬指を愛おしいと言うように骨貼った指でなぞる。
「俺が遥を幸せにするからね。大好きだよ、遥」
桜に膝をつきながら指輪がついた薬指にちゅっとキスを落とす蘇枋は綺麗で、王子様みたいで目を奪われた。
「ふ、見過ぎ」
ニコリとした笑みで指摘されてそれを認識した途端顔から火を吹くんじゃないんかと言うほど顔が赤くなった。
蘇枋の余裕そうなそれが気に食わなかった。だから桜は蘇枋の首元の服を引っ張って引き寄せた。
「ん゛っっ」
ぐいと引っ張ったからか、勢いが殺しきれなくて歯と歯が合わさってがちっと音がする。じんじんとする歯を気にせず無かったことにしてまだ衝撃で呆けている蘇枋にしてやったりと微笑を浮かべて言葉を紡いだ。
「俺も、大好きだ。隼飛」
「君はそうやってかっこいいから困るね」
「そんな俺も好きだろ?」
「もちろん」
ふわ、と微笑んだ蘇枋は桜の頬に手を添え、噛み締めるように再度、唇を合わせた。
同棲はいいですね、、、いくらでも欲しいです
暫くしたら2作品ほどでるかもです!
需要があるかはわかりませんがお楽しみに!
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