テラーノベル
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鳴「は…」
東「今の銃撃は何処から!?」
通信越しに聞き慣れた声が聞こえる
蒼「私だ」
来「え…でも、夜月副隊長は今は医務室にいるんじゃ…」
蒼「有明りんかい基地の屋上から撃っている」
有明りんかい基地からどれだけあると思っているんだ?
しかも亜白みたいに銃撃特化でもない、専用武器がある訳でもない…
鳴「…相変わらずバケモンだな」
蒼「それは褒め言葉として受け取って良いんだな?」
また向こうからパァンッ、と音が聞こえる
鳴「このまま討伐するぞ」
東「了!」
・
亜「終わったようだな」
帰って来ると亜白が待っていた
鳴「識別でもねぇんだから時間掛かんねぇよ」
蒼「その割には核がズレてたみたいやけど?」
鳴「悪かったな」
見た目の割には元気そうだな
その時_
長「緊急で会議が入った。隊長、副隊長は必ず出席のようだ」
鳴「…ボクは_
ガシッッ、と肩を掴まれる
蒼「逃げてみな、三ヶ月後にゲーム買えるのにいいんやな?」
鳴「行きます」
保「…ちょろいもんやな、ボソッ」
・
伊「夜月副隊長…これはどういう事だ」
其処には侵食された腕が写っていた
蒼「…どーもこうも、侵食が進んでいるだけですけど」
乃「それが問題だと言っているんだ!」
上層部って言うのは面倒くせぇな…
緒「あらら…こんなに進んでたの?」
五「お前らしくねぇな…」
蒼「しょうがないだろ、記憶無い間にこうなってたんだから。てか緒方何勝手に酒飲んでんだ」
緒「あ、バレちゃった?」
伊「静粛に!」
隊長達が毎回煩いのをどうにかさせんとな…
伊「これを説明してもらおうか、今日の違反行動も」
鳴「違反行動…?」
亜「…もしかしなくともあれか」
蒼「外野煩いよ〜」
なーんで説明しなきゃならんねん…
蒼「ほんとに腕の事は知りまへんて、一年間の記憶が無い事は伊丹さんもわかってはるでしょ」
伊「…では、今日の違反行動はどう説明する」
蒼「弟子を守って何が悪いんや」
伊「そういう事では無いと言っているのだ」
蒼が大きなため息をつく
蒼「貴方達防衛隊は指示を出すのが遅いんですよ、だからヒカリさんを死なせたんじゃないんですか?」
長「夜月っ‥!!」
蒼「今回は全く持って冗談じゃない」
伊丹も大きなため息をつく
伊「夜月副隊長程の戦力が暴れたらどうなるかぐらい判っているだろう」
蒼「識別兵器もノーマルスーツも専用武器も何も持って無かったですけど?」
伊「とにかく、これは立派な違反行為だ。君を解雇する事だって出来る」
”だったら早く解雇してくださいよ”
蒼の口から衝撃的な事が出た
蒼「別に、防衛隊に居たい訳でもないし。市民の目線だって痛いし、誰が好き好んでこんな場所なんかいるかよ」
緒「蒼ちゃん!?」
五「何言ってやがる…」
亜「蒼が辞めると…」
鳴「誰がボクの鍛錬の相手するんだよ」
それぞれの隊長が口々に言う
乃「本当に解雇する事も出来るんだぞ!?」
蒼「どーぞどーぞ、ご自由に。その代わり、私という戦力を失った防衛隊がどうなるか楽しみですね」
彼女は深い笑みを浮かべていた
その笑顔に背筋がゾクリと来た
鳴「現・最強を解雇するなんて頭どうにかしてるだろ」
亜「同感だ」
保「同じく」
口々に言う
蒼「私はどっちでも良いんだけどね〜」
伊「…とりあえず、一週間は出動を禁止とする」
蒼「了」
・
ぞろぞろと会議室から出ていく
鳴「蒼…何考えてやがる」
保「ホンマにビックリしたわ〜…」
亜「本気で防衛隊をやめるつもりなのか?」
蒼「えーそんな訳ないじゃん」
辺りが静まり返る
蒼「あくまでも上層部へのブラフ、本当の狙いはこれから出てくる本獣」
鳴「本獣だと」
海の方向を見る
蒼「明日13:45にフォルティチュード7以上の怪獣がぞろぞろと出てくる。もしかしたら識別クラスもいるかもね」
鳴「場所は?」
蒼がニヤッ、と笑みを浮かべる
蒼「”ここ”、有明りんかい基地だ」
保「なんやと!?」
亜「私達は帰らない方が良さそうか」
鳴「いらねぇ心配だ」
夕日が出てくる
その時、左腕がズキッ、と痛む
そう言えば、行方不明なった直前も夕日が見えた
あの日、私はどうしたんだ…
私の記憶は何処に行ったんだ。
・
蒼「おっしゃ!1位!」
鳴「くっそ…!!」
その日の夜はゲームをしていた
珍しく鳴海が誘って来たのだ
蒼「鳴海が誘うなんて珍しいもんやな」
鳴「たまにはと思ってな」
蒼「いつもは嫌って事か…??」
鳴「そういう訳でもないが」
私の知らん間に第1に最初はなったらしいから、部屋を借りている
鳴海の部屋にYAMAZONの箱が散乱しとるんだが…
蒼「給料日って…5日前よな?」
鳴「そうだが」
蒼「もう金使ったしもたのか…」
鳴「いつもの事だろ」
蒼「キコルちゃんが喚いとったで、鳴海隊長に金を要求されるとな」
そんな風に笑いあっていた時
鳴「蒼、いつか防衛隊をやめるのか」
蒼「やめるつもりはあらへんで、殉職するまでやるつもり」
鳴「…同じか」
蒼「急にどうしてや?」
鳴海がゲームをする手を止める
鳴「お前が急にいなくなる気がした」
その言葉に少し驚いた
鳴「こうやって戻って来て、でも侵食が進んでいて。お前がいなくなりそうだったから」
蒼「…そんな訳ないで、軽く見積もっても弟子の成長を見るまでは死ねへんからの」
鳴「お前よりも強くなってやるよ、バカ師匠」
蒼「楽しみにしとるで、バカ弟子」
・
パタン…と扉を閉める
左腕を見ると黒ずんでいる
蒼「…鳴海は勘が鋭いなぁ」
もう、私に寿命というものは残っていない
早く弟子の成長を見んといかんのにな、
蒼「あと、残された時間は_
やる気があらへん
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