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第四話 暗闇の迷宮
レイブンと謎の女性──コードネーム「シャドウ」は、敵の追跡をかわしながらホテルの地下に続く古びた階段を降りていた。
シャドウの動きは正確かつ迅速で、彼女がこの場所に精通していることは明らかだった。
しかし、レイブンは彼女の真意をまだ掴めず、心のどこかで疑いを拭えなかった。
地下通路は冷たく湿っていて、時折響く滴る水音が二人の息遣いを強調する。
通路の壁には古びた配線と監視カメラの残骸が点在し、かつてこの場所が秘密の通路として機能していた証を示していた。
ウィローからの通信が割り込む。
「レイブン、USBの暗号解読に必要なキーはモスクワにある情報局が保管している。だけどそこのセキュリティは最強。急ぐ必要がある。」
「了解。まずはこの迷宮を抜ける。」レイブンはシャドウに短く告げ、二人は足早に先を急ぐ。
だが、敵の罠は容赦なかった。
通路の先で突然、赤いレーザーセンサーが交差し始め、無数のセンサーとトラップが二人を包み込む。
緊張の瞬間、シャドウが巧みにセンサーを解除しながら進み、レイブンは銃を構え警戒する。
外の世界では、時間が刻一刻と過ぎていた。
世界中の動きがUSBの情報を巡り、激しく揺れている。
テロの兆候もあり、国際社会の緊張は最高潮に達していた。
地下の迷宮を抜けた先には、さらなる試練と、真の敵の姿が待っていることを、二人はまだ知らなかった。
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