そこら辺に落ちていた縄を拾った。ボロいが、これで首は絞められるだろう。
第8話 背信の影に感知
ゆっくりと建物の中を歩いた。人影が見えた。見つけた。その人に近づく。もうこれしかないんだ。仕方ないんだ。
縄を持ち、その人に飛びかかった。縄の軋む音が建物内を響いた。
水越「死ね…!!」
私は思いっきり力を縄に込めた。その瞬間、縄が切れる音がした。
やばいと思い、縄から手を離して、その人からも離れようとしたが、遅かった。拳が私の顔に向かって飛んできた。
なんだろうか。この懐かしい痛みは。
成海「ごめんよ。女の子を殴るつもりはなかったんだ。」
成海「正当防衛だと思ってくれ。」
水越「成海さん…なんで…」
私は必死に声を出した。私の喉が震えているのがわかる。
水越「春風さんのこと…なんで殺しちゃったの…」
水越「春風さんのこと嫌い…?」
成海さんは無言のままだ。嫌いではないのだろうか。
成海「見てたんだね。」
水越「うん…」
私は見たんだ。成海さんが春風さんを屋上から落とすところを。
水越「松平さんも、私も、殺しちゃうの…?」
成海「…どうだろうね。」
気づいたら成海さんの片手には鉄で出来ている棒が握られていた。私はここで死ぬ。そう分かってしまった。
成海さんが勢いよく棒を私目掛けて振り下ろした。
親友よ。今行くよ。
待たせてごめんね。
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