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穢れ / nksr

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穢れ / nksr

1 - 穢れ / nksr

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2024年08月06日

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onkn / nksr

テンション上がっててエモいの…なんかいい感じのやつが出てこなかった。

押し入れ片付けるとテンション上がる。


注意 リスカ有 ちょっとグロ モブ。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「…っ、あ”…ん、…は、離せ…っ、!」

必死に目の前に迫り来る汚物に抵抗する。


「え〜、俺、遊びたいな〜」

「うるせ…、っ”…、さわんな…っ!」


夜な夜なタバコを買おうとして、コンビニに行った時。

裏側にいた顔さえ知らない、見覚えもない奴らに囲まれて、それで…


「考え事なんてよゆーだねえ〜笑」

「い”…、だっ…やめ”っ…、!」

考え事さえ遮られて、殴られて。


夜だからめんどくさいと、半袖に包帯だけ巻いて外に出たのが悪かった。


その包帯に興味を持ったのか、するすると取られてしまった。


「えー!!なにこれー!おにーさん病んでるー?笑笑」

「…!、る”っせ、みんな”!!」

声を荒らげても、少したりとも現実は変わらない。

今服が脱げ、ズタズタに刻まれた治ってない傷がある腕を抑えられ、連れの奴らに見られている。最悪だ。


「へー、なんか病んでんの?笑」

「地雷系?笑笑」


あることないこと言われ腹が立つ。

…腹は立っても、先に悔しさが通り越してくる。あまり考えると泣いてしまう。


それだけは無理。


「い”っ…、や”、!!、っ、…!!」


痛い。痛い痛い痛い。

腕の傷をぐりぐりと広げられる。


「うわ、血だらけー!!」

「…離せ…っ”!!!」

コンビニに行く前に気が狂ってまたやってしまった。それも深くだったため、長袖の中でグロいくらいに広がっていた。


それも今も尚、流れ続けている。

俺の腕は、傷の線が見えなくなるほどドロドロと流れていて。


連れ出された暗い倉庫に血が流れる。


「わー、メンヘラってやばー笑」

「どんな生活送ってんの?笑」


うるさい。うるさいうるさいうるさい。


「離せよ”…っ、”!!」

相手の手が緩んだのを逃さず、思いっきり蹴った。


靴を履いていたから、相手にぶつかる際、鈍い音が響いた。

周りも突然に反応出来ず、固まっていた。


それだけが不幸中の幸いで。


後ろを振り返ることも無く、外に飛び出した。





「 っ、はあ”っ、はー…っ、… 」

どのくらい走ったかわからない。

でも随分と走った。追いかけては来なそうだ。


身体を止めたと同時に反動で吐き気が襲う。それに抉られた腕の傷、筋肉が悲鳴をあげていて、このまま寝転んでしまいたかった。


安全が確実に取れるまでは油断は禁物。

それに雨がかなり降っている。

襲われてどれだけたったがわからないが、行く前は降ってなかったから、まあそれなりに時間はたったのだろう。


傷口に雨が染みて痛い。


どこかで見た事がある場所…


「…、ボビー?」

「はー…、っ…え、に、ニキ…、」

来たことがあると思えば彼の家周辺。


倉庫からかなり離れた場所だった為、軽く安堵した。


けどまずい。


さっき殴られた青いアザと、

腕から流れる赤い血液、

それに傘をさしていないから、ずぶ濡れだ。


俺がもう少し身体が小さかったら虐待を疑われるレベルでボロボロだった。


「っ、えっと、に、ニキ…」

呼吸も落ち着いてきて、何とか場を紛らわそうと必死で脳を回転させた。

「…、ボビー、僕の家来て」

「え、あ、…、」

「おいで。」

そのまま拒否権なく傘の中に入れられて、優しく手を取って歩いた。



「はい、ちょっとまってて」

彼の家に着いて、玄関に入れてもらった後、その場で少し待つよう言われた。。

彼の言葉に従うしかなくて、ただ立ち尽くしていた。


「よいしょ、っ…」

彼が戻ってきたと思えば頭をタオルで覆われた。


「ん…ふ、っ…んん…」

そのままわしゃわしゃと雨の水滴を拭かれ、肩にタオルをかけられる。

そのまま軽く身体も拭かれて、そっと持ち上げられた。


「え、え??」

俺より身長が低い相手に軽々と持ち上げられて驚きが前に出てきてしまう。

運ぶなりなんなりして、風呂場まで連れていかれた。


風呂場では傷口にお湯が染みないように、丁寧に洗ってもらって、ニキの服を着て。

ドライヤー諸々、傷の手当もしてもらった。

俺はテキパキ動く彼に対してさっきの疲れもあり何も動く気になれず、身を任せていた。




「ふー、とりあえず落ち着いた?」

「…、おう、ありがとう…」

「ん、別に…ねえ、何があったの?」


もう俺の身に何かあったのは理解していたのだろう。言いやすい聞き方で聞いてくれた。


「…、えっと、」


言葉に詰まって、下を俯いてしまう。

彼はそんな俺を黙って待っていてくれた。


そして俺は全部話した。

気が滅入って前々から切っていたこと。

コンビニに行く際に襲われたこと。

勢いよく殴られたこと。

無我夢中で逃げてきたこと。



「…、う…っ、…」

話していると感情と記憶が蘇って涙が溢れた。

「…そっか」

彼は俺の涙を手で拭って、静かに俺の頭を撫でた。


「辛かったね…、もう大丈夫だよ」

あまりのその言葉の安心感にまた涙が溢れかえった。



感情を押し殺すように、彼に抱きついた。

倉庫の床の冷たさ、雨に打たれた寒さから解放されただからなのか、やけに暖かかった。


その暖かさに触れていたくてさらに強く抱きしめた。



「…ニキ、?」

「ん?」

「…汚くても、愛してくれる?」



ずっと嫌だった。

全部が汚い気がして。

腐りきった心。禍々しい感情。

止まらない自傷行為。

幻滅されたくなくて、ずっと言えなかった。


でも今なら。



「当たり前じゃん、愛してるよ」

「っ…ほんまに?」

「…勿論。なんなら僕も同じくらい汚くなるよ、そうすれば汚れているかなんてわからないでしょ?」

「…っ、ニキ…、」


優しいな。こいつは。

肯定した上で、俺を置いていかないようにしてくれて。


「大丈夫、僕がいるから一人ぼっちにはならないし、なんならなれない!」

元気な声で俺の事を励ましてくれた。


ただその声は若干震えていて。

彼だって一人の人間だ。

怖いことなんて腐るほどあるはずなのに、人を守れる強さがある。


「ん…、」

「…?、ボビー?」

その優しさと強さを逃がさまいと顔を埋めてまた強く、強く抱きしめた。



今度は俺がこいつを助けたい。

その日が来るまで…、いや、


その日が来ても、





俺はこいつの傍に居続ける。







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