テラーノベル
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#独占欲
#ワンナイトラブ
それから、私たちの間には薄い膜が張ったようなぎくしゃくした空気が流れた。
夜中の二時。ふと目を覚ますと、リビングのドアの隙間から細い光が漏れていた。
そこには険しい顔でキーボードを叩く彼の背中があった。昇進試験の勉強。
彼は、私たちの未来のためにお金のこと、これからの生活のこと。彼なりのやり方で、考えてくれているのだ。
だけど私には、彼の背中が、どんな絶壁よりも高く、遠いものに見えた。 私は音を立てないように寝室に戻り、もう一度、目を閉じた。
昇進が決まり、給与明細の数字が増えたその夜。
彼は「お待たせ。もう安心だから」と笑って私を抱きしめた。 ずっと待っていたはずの言葉。なのに、私の心はついていけなかった。
それからの数ヶ月、私たちは夜を重ねたけれど──。
距離はこれ以上ないほど近づいたはずなのに。私たちの心の距離はどうしても埋まらなかった。そして得体の知れない不安だけが積もっていった。
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