1.僕の祝福は死ぬと最後に覚醒した時間まで巻き戻るというもの。その為会社にはいいように使われていてもう心は擦り減っていた。いっそこのまま眠りにつけたらいいのに、いや、そんな事は出来ない。眠ってしまうとあの時のことを思い出してしまうから。あの事は死んでも忘れられないだろう。若井に騙されたとは言え、僕の失態だ。お゙ぇっ、…危ない今は「開かずの冷凍庫」のエッセについての実験中なのだ。この実験の2人が死んでしまうのをなんとかして止めたいのだが……この話は別の機会にしよう。
「あ、!社長!!!」
ふわふわした雰囲気を纏いながらこちらに走ってくるのは藤澤涼架。31で僕とはだいぶ離れている。この子の祝福はあまり使い慣れていないらしく使った所を見たことがない。祝福はエッセに気に入られないと貰えないプレゼントなのだが涼架の場合は少し違うと風の噂で聞いたが信憑性がない。まぁそんなことは今は関係ない。
「どうしたの?涼架。」
「この企画書なんですけど、、、」
なんて話している時に、資料に目を向けていると謎に視線を感じるのでふと顔を上げると涼架がずっとこちらを見ていた。
「どうしたの?」
「あ、いぇ、何も無いです、ごめんなさい、」
「謝らなくてもいいのに、」
なんでそんなに責任を感じるんだろう。涼架は別に悪いことはしていないのに。すぐに謝る事が涼架の悪い癖だと思う。うーんと考えていると、
「社長、、?」
ぼぉっとしていたみたいで反射的に謝ってしまった。
「…社長。」
涼架の少し中性的な声とは違って低く、温かみが全く無い。
「…若井、」
「いやそうにしないでよ。」
あんなことがあったのに何を言っているんだろう。まぁ別に今となっては若井だけの責任では無いことが理解できるようになった。僕も成長した。
「まぁ、なんだっいいけど、今時間ある?」
そんなことを聞かれちら、と涼架の方に、目線を送ると涼架は元々垂れ下がっている眉をもっと下げては寂しそうな声色で大丈夫ですよと言った。その言葉に頷いては若井について行く事にした。
向かったのは地下階。ここは一般の職員は入れなく、アルカナの保管場所になっている。
「んで、話って何よ。早く終わらせてくんない?」
少し苛立っているのかそうやってつまんなそうに話を待っていると、
「んぐっ、!?」
殴られた。








