コメント
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新連載。続きがとても楽しみです…😚
br.kn
腐要素あり
shk.krも含まれます(少し)
題名が「一目惚れ」ですが、一目惚れ要素はほぼ無いに等しいです。
ほんとうに何も思いつかなかったので…🙏🏻
人目見て好きだと…
そう思った。
雰囲気が暖かく、話したことがないのにわかる。
この人はきっと優しい人…。
そんな彼に惹かれてしまった。
制服の上からぶかっとしたパーカーを着て、首にはヘッドフォン。
茶髪のふわふわとした柔らかそうな髪の毛。
そして、タレ目だけどおっとりとした雰囲気ではなく、元気いっぱいで人を笑わせ、場を明るくするのが得意。
少し眉を上げ悪い笑顔をつくるかわいい笑顔。
気づいたら俺は彼をずっと目で追っていて、目が合いそうだと逸らす…。
そんな日々を過ごしていた。
ある日、移動教室のため廊下を歩いていたら後ろから声をかけられた。
振り返ると
br「あ、ちょっと今時間いい?」
…彼だった。
kn「…えっ…?」
br「急にごめんね…!!少し聞きたいことあって…」
と、彼は俺に近づく。
初めての彼との会話。
初めての彼との近距離。
…恥ずかしさと緊張で爆発しそうだ…。
br「…君と仲いいきりやんって子、好きな人いたりする…?」
そう、耳元で彼は話す。
…もしかして…
と悪い予想が頭の中で浮かび上がってくる。
もしそれが本当なのだとしたら俺は聞きたくない。
…でももし違えば…?
kn「…どうしてですか…?」
そんな期待を込めて聞いた。
でも、彼は困ったように目を逸らしはじめた。
…やっぱりそういうことか…。
多分彼はきりやんの事が好きなんだろう。
…無理もない。
だって相手はきりやん。
誰に対しても人当たりが良く、自分の持っている明るさとコミュ力を最大限生かし、先輩後輩関係なしにたくさんの人と盛り上がっている。
男女問わず人気者のきりやん。
…そんな人、そりゃ好きになっちゃうよね…。
br「…あんまり広めないでね…」
「僕…」
…正直この先はあまり聞きたくない。
でも聞かなきゃいけない。
もしかしたらこれを聞いて諦めがつくこともあるかもしれない。
…好きな人には幸せになって欲しいしね…。
br「僕のね…」
「僕のお友達がきりやんのこと好きなんだ…。」
「だから協力したいと思ったんだけど、きりやんの仲のいいお友達とあんまり話したことなかったから…」
「すごく優しそうな雰囲気だった君に話しかけたんだ。」
と、彼は少し恥ずかしそうに微笑んだ。
kn「…そう…だったんだ…。」
俺はほっとし、肩の力を抜いた。
彼 “が” じゃなくて、彼 “の” 友達で本当に良かったと安心した。
急にそんなことを言われて心が追いつくはずないから…。
kn「俺も協力するよ」
そう言うと、彼はすごく嬉しそうに目をキラキラさせた。
br「本当に!?!?」
kn「もちろん」
「やったぁ〜!!!」と嬉しそうにはしゃぐ彼を目の前で見れて、俺はすごくおなかいっぱいの気分だった。
だって今までは一言も話したことがなかった。
同じクラスにもなっていなかったから、”同じ学校の人” ただそれだけだったんだ。
br「LINE交換しない?」
kn「い、いいの…?」
br「うん! 2人をくっつけるために沢山作戦考えようね!!」
と、彼はにこにこと可愛い笑顔を作りながらQRコードを見せてくれる。
俺は緊張で震えている手を一生懸命動かし、彼のQRコードを読み込んだ。
kn「…追加できたよ」
br「ありがとう!」
と、彼は微笑みながらスマホを触っている。
それからすぐ、俺のスマホから音がなった。
確認すると、彼からスタンプが送られてきていた。
kn「…猫好きなの?」
アイコンもスタンプも猫だったから。
br「猫好きー!」
「最近買おうか迷ってるんだよね〜」
kn「猫かわいいよね」
そんな話で盛り上がっていた。
すると
キーンコーンカーンコーン
廊下にその放送が響き渡った。
br「え、!?やば、!」
「移動教室だったのにずっと引止めてごめん…!!」
kn「あ、全然大丈夫だよ」
br「またLINEする!またね!きんとき!」
と、彼は焦りながらも俺の目を見て最後まで伝え、手を振りながら廊下を走っていった。
俺の心臓は飛び出てしまうんじゃないかと言うくらいドキドキしていた。
…初めて彼に “きんとき” と、名前を呼んでもらえた。
今日は嬉しいことばかり。
彼に話しかけてもらって、LINEを交換して、名前まで呼んでもらった…。
2人をくっつけるという事をするのであれば、これからも話す機会は沢山増えていくだろう。
…その時に俺と彼の距離も縮まるといいな。
少しの期待とワクワクを胸に、廊下を走って急いで教室へと向かった…。