「潔、サッカー部に入る気はあるか」
「え、俺……?」
「そうだ。お前のプレイは磨けば宝石になる。ここのサッカー部は強いぞ。為になるだろうな」
「やめとけ」
「は?」
南雲が不機嫌そうな表情をするが、カイザーは無視を決め込む。その様子を潔は何も言わず、カイザーの方に視線を向けた。
「…俺は潔に聞いてるんだけど?」
遠くに黙っとけと言うが、それを鼻で笑う。
「サッカーとも呼べないお遊び集団といたら、世一のプレイに支障が出るだろ?」
「随分と言ってくれるな。全国では張り合えるんだぜ?」
「相手が弱かっただけだろ。それでイキがるなんて、とんだお子ちゃま、だな」
カイザーと南雲が言い合っているのを、なんとなく眺めていた潔だったが、2人が落ち着いたところで口を挟む。
「…南雲」
「なんだ?入る気になったか?」
「世界にはいけるか?」
「…は?」
「世界で戦えないなら、俺は入らない」
潔はそれだけ言い残し、カイザーの手を引いて教室から出ていった。
「…言われたな、南雲会長」
いつの間に居たのか、話を聞いてた綾小路が話しかける。
「綾小路か。まぁ、いいか。つまらないけど」
「そんなにカイザーが嫌いなのか」
綾小路は同族嫌悪ってやつかと思ったが、それを言うと状況が面倒になると考え、口には出さなかった。
終
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