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ビクターさんと離れた後に僕は部屋に一直線に向かった 。 冷や汗でベタベタで気持ち悪かったから一刻もシャワーを浴びたかったからだ。
神が本当にいるのならば神は僕のことが嫌いらしい。 部屋のシャワーが壊れている。 いやいや、改めて考えてみればそうだった。探鉱者さんと昆虫学者さんのいざこざに巻き込まれた時に部屋の大半ぶっ壊されたんだった。当時よりかは直っているものの部屋の洗面所、トイレ以外はまともに機能しない。ウッズさんがちょこちょこ修理しに来てくれているもののまだ直らないのだ。
つまりどういうことか察しのいい人なら分かるだろう。
大浴場に行くしかない 。
最悪だ。浴場なんて、しかも今は丁度8時。風呂に入る人も多い時間帯。今行けばどうなるかって?そんなの予想ついている。水責めされるのみだ。はぁ、 最悪だ。なんて思いつつも浴場へ足を運ぶ。
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「おや、こんな所に来るなんて珍しい人だ。無納棺師くんじゃないか。 」
梟の頭を撫でながらそう言い放つ彼。 占い師が居た。 その言葉を聞いた瞬間胸がぎゅうぎゅうと締め付けられた。そんな彼に僕は負けずと言い返した。
「はっ、そんなに性格が悪いんですからきっと今頃イライさんは婚約者にも見放されて「口の聞き方には気をつけた方がいいんじゃないかな。」
パシン 、 と 鋭い痛みが頬を走った。湯船に使っていた彼はいつか自身の目の前まできて、僕の頬を引っぱたいている。あ、とかえ、とか母音しか話せなくなっている僕に彼は追い打ちで
「君だってそんなのだからみんなから嫌われるんだよ。第一ね、社交恐怖症ってなんだい?そんなこと言っておきながらビクターとは仲良さげだったじゃないか。かまって欲しいだけの嘘じゃないのか? 」
くすくす、と嫌味ったらしく、そしてまるで軽蔑するように吐かれるその言葉に僕は耐えきれずに、
「僕の何がお前に分かるんですか?占い師さん…… .きっと貴方は僕のことを理解しようとしたことが無いからそう言えるんですよ。ほんっとうに……気持ちが悪い …… . 吐き気がする。金輪際関わらないで、占い師さん」
きっとなにも言い返してこないだろうと思っていたのだろう。僕からの拒絶の言葉にキョトンとして、風呂から出ようとする僕に彼が待てよ、と声をかけ腕を掴もうとした時に綺麗な黄色が目に映った。
( 彼から手を離してください )
イライさんを睨みつけながらそう書かれたスケッチブックを見せつける。 そう、彼は ビクターグランツだった。